Woman's hands hold a cell phone while texting a message.

ワクチン否定派はツイッターに集まる

「小児用ワクチンを接種すると自閉症リスクが高まる」との考えから自分の子どもに予防接種を受けさせない「ワクチン否定派」の親たちの多くが、気持ちを吐き出したり他者と共有したりする場としてソーシャルメディアのツイッターを利用していることが、米アラバマ大学心理学のTheodore Tomeny氏らによる研究で明らかになった。「自閉症」と「ワクチン」の2つのワードが含まれた投稿(ツイート)約55万件を調べたところ、その半数が小児用ワクチンに否定的な内容であることが分かったという。詳細は「Social Science and Medicine」10月号に掲載された。

小児用ワクチンが自閉症に関連するのではないかという懸念が広がるきっかけとなったのは、1998年に「Lancet」に発表された小児12人を対象とした英国の小規模研究の結果だった。しかし、この研究はデータに不備があったとして2010年に掲載論文が撤回されている。また、米疾病対策センター(CDC)や米国小児科学会(AAP)、米国公衆衛生局(PHS)、医学研究所(IOM)などの各団体は、このような関連はないとの見解を示している。しかし、依然としてこの関連性をめぐる議論が収束する兆しはみえていない。

Tomeny氏らは今回、2009~2015年にツイッターに投稿されたツイートのうち、「自閉症」と「ワクチン」のキーワードを両方とも含んだ54万9,972件を分析した。その結果、50%が予防接種に否定的な内容だった。また、ワクチンに否定的なツイートの多さには地域差がみられ、特にカリフォルニア州、コネティカット州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州では否定的なツイート数が全国平均を上回っていた。

また、ワクチンに否定的なツイートの数は、ワクチンに関連したニュース報道の後に増加することも分かった。さらに比較的裕福な家庭が多い地域や都市部、乳児を持つ母親が多い地域でワクチンに否定的なツイートが多く、40~44歳の男性による否定的なツイートも多いことが分かった。

Tomeny氏は、ツイッターのようにユーザーの投稿する情報で成り立つサイトは、検閲がなく監視もほとんどされていないため、この種の議論を広める手段となりやすいと指摘。その上で、「ツイッターでのワクチン否定派の主張を知ることで、ワクチンに関する懸念や誤解を解く手がかりを得ることができる。また、小児科医もワクチン否定派の主張を把握しておけば、議論になったときに反論しやすくなる」と話している。

米フィラデルフィア小児病院ワクチン教育センターのPaul Offit氏は、誤った情報によって深刻な影響がもたらされると指摘する一方で、「目に見えない病気から身を守るために26回ものワクチン接種が必要であることを考えると、接種すべきか否かの判断は難しく、多くの親にとってSNSが気持ちのはけ口となるのは理解できる」とワクチン否定派に共感を示している。

その上で、同氏は数年前にカリフォルニア州での麻疹の流行後に予防接種への意識が高まったことを振り返り、「残念ながら疾患の流行が起こって初めてワクチンの重要性が理解されるのが現状。悲しいことに私のような専門家よりもウイルスそのものの方が予防接種の必要性について教える教師としては優れているようだ」と話している。(HealthDay News 2017年10月9日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/vaccine-news-689/are-you-an-anti-vaxxer-your-friends-are-on-twitter-727309.html

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portrait of young desperate man praying

「マインドフルネス」の誇大宣伝に注意!

ストレスや痛みからうつ病まで、あらゆる現代病に有効であると宣伝されている「マインドフルネス」。ところが、「マインドフルネスによる健康効果を裏付ける科学的根拠はほとんどない」とする論文が「Perspectives on Psychological Science」10月10日オンライン版に掲載された。この論文の著者の1人である米ブラウン大学精神医学・人間行動学のWilloughby Britton氏は、「マインドフルネスによる効果が誇大に宣伝されることで、本来受けるべき治療を受けない人が出てくる可能性がある」と懸念を示している。

米国心理学会(APA)によると、マインドフルネスは約2,600年前の仏教思想に基づいた考えで、「価値判断を伴わずに今、この瞬間に意識を集中している状態」を指す。20年前にはごく一部の研究者の関心を集めていただけに過ぎなかったが、その後徐々に注目度が高まり、研究論文やメディアで取り上げられる機会が増加。精神療法の代替療法として、また心身の健康を維持するための手段の1つとして導入され、企業や教育の現場にも普及しつつあるという。

今やマインドフルネスは10億ドル規模の産業に成長し、現在、数えきれないほど多くの施術者や1,500種類を超えるスマートフォンアプリが存在する。米ジョージメイソン大学臨床心理学の名誉教授であるJames Maddux氏は「マインドフルネスや瞑想は大昔からあり、何らかの有用性があると考える相応の理由がある」と説明する。

しかし、Britton氏らは「残念ながらマインドフルネスは十分な科学的根拠による裏付けを伴わないまま一般の人々に広がってしまった」と指摘する。同氏らによると、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)による最近のレビューでは、マインドフルネス療法による不安、うつ、痛みの治療には中等度の効果が認められるにとどまり、ストレスを軽減したり、QOL(生活の質)を向上させたりする効果はわずかであることが示された。また、薬物乱用や摂食障害、睡眠障害、体重管理にマインドフルネス療法が役立つとのエビデンスも得られなかったという。

ただ、Britton氏らはマインドフルネスの効果を全面的に否定しているわけではない。実際には有効である可能性があるにもかかわらず、誇大な宣伝ばかりが目立ち、適切なアプローチによる効果の検証が行われにくい状況に陥ってしまっているというのだ。

特にマインドフルネスに関する研究の問題として同氏らが指摘しているのが、その不適切なデザインだ。研究の多くは定期的にマインドフルネスをベースとした瞑想をする人としない人の健康状態を比較するものだが、瞑想をする人はしない人と比べて運動したり健康的な食事を取ったりしている可能性が高く、これらの因子が結果に影響する可能性があるという。また、適切なデザインによるランダム化比較試験も行われてはいるが、マインドフルネスの定義自体が曖昧で一貫していないため、明確な結果が得られないという問題も指摘している。

Britton氏は、マインドフルネスに興味がある人に対し、「複数の研究を評価し、比較したエビデンスレビューに目を通してほしい」と助言。また、マインドフルネスのアプリを使用する際にはその説明文をよく読んで、その効果を裏付ける科学的根拠があるのかどうかを確認することを勧めている。(HealthDay News 10月10日)

https://consumer.healthday.com/alternative-medicine-information-3/meditation-news-467/be-mindful-of-the-hype-727395.html

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Mature woman worried about the future isolated on white background

高価な薬剤は「副作用」を引き起こしやすい可能性

高価な薬剤は「ノセボ効果」による副作用を引き起こしやすいことが、エッペンドルフ大学メディカルセンター(ドイツ)のAlexandra Tinnermann氏らによる研究で示唆された。ノセボ効果とは、治療の副作用について不安を感じていると実際に症状が現れるというもので、プラセボ効果とは逆の効果を指す。今回の研究では、価格が高いと伝えられた偽薬を使用した患者は、安価だと伝えられた偽薬を使用した患者と比べて強い副作用を訴える確率が高いことが示された。詳細は「Science」10月6日号に掲載された。

Tinnermann氏らによると、ランダム化比較試験では副作用を理由に試験への参加を中断する患者がいるが、その中には偽薬を使用する対照群に割り付けられた患者が含まれていることは珍しくないという。このようなノセボ効果は、必要な治療の継続を妨げる問題となる可能性がある。そこで同氏らは今回、ノセボ効果についてより詳細に調べるため、薬剤の価格がノセボ効果にどのように影響するのかについて検討した。

対象は健康なボランティア49人。全員に「アトピー性皮膚炎治療に用いられているクリームを試してほしいが、皮膚が痛みに敏感になる副作用がある」と説明した上で、このうち24人には「安価な薬剤」と伝えてオレンジ色の箱に入ったクリームを使用してもらい、残る25人には「高価な薬剤」と伝えて青い箱に入ったクリームを使用してもらった。実際にはいずれのクリームも同一の内容で有効成分は含まれていなかった。

クリームを塗布した腕に熱による痛みを与えて耐性を調べる検査を実施した結果、「高価な薬剤」と説明を受けてクリームを塗布した人は痛みに敏感になっていることが分かった。この検査では、熱刺激を与えた後、痛みの程度を評価スケール(VAS)で評価してもらったが、高価な薬剤群では平均スコアが15点(軽度の痛み)だったが、安価な薬剤群では平均3点未満で不快感を訴えた者はほとんどいなかったという。

この結果を踏まえ、Tinnermann氏は「高価な薬剤は効果が強力な分、副作用も強いと予測されやすいのではないか」と考察。この研究に関する付随論評を執筆した米メリーランド大学のLuana Colloca氏もこれに同意し、「人は薬剤そのものだけでなく、その価格や静脈注射か経口薬かといった投与方法の違いによる影響を受けやすい」と指摘している。

さらに今回、高価な薬剤群でみられたノセボ効果が思い込みや錯覚によるものではないことも示唆された。Tinnermann氏らが研究に参加したボランティアに機能的MRIによる脳画像検査を実施したところ、高価な薬剤群でノセボ効果がみられた人では脳神経系の活性に特定のパターンが認められ、特に前頭前野での活性を介して痛覚の過敏性が生じている可能性が示されたという。

Tinnermann氏は、医療従事者に対し「薬物療法では薬剤に対する患者の期待や予測が大きく影響することを認識しておく必要がある。薬剤の副作用について患者に説明する際には、その伝え方に注意すべきだ」と助言している。

Colloca氏も「ノセボ効果を理由に必要な薬剤を使用しなくなってしまう可能性があるため、これは重要な問題だ」と強調。スタチンの副作用に筋肉痛が生じる可能性があることを知っているスタチン療法中の患者は、筋肉痛を訴える確率が高いとする最近の研究結果を紹介した上で、「スタチン療法を中止すると心筋梗塞や脳卒中リスクが高まることを示した研究結果もあることを認識しておく必要があるだろう」と指摘している。(HealthDay News 2017年10月5日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/health-cost-news-348/does-a-drug-s-high-price-tag-cause-its-own-side-effects-727246.html

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4.1.1

40代女性の高血圧は認知症リスクを上昇させる?

40歳代で高血圧を発症した女性は後に認知症を発症するリスクが高いとする研究結果が「Neurology」10月4日オンライン版に掲載された。研究を率いた米カイザー・パーマネンテ北カリフォルニア研究部門のPaola Gilsanz氏は「これまで考えられていたよりも早い時期から高血圧は脳に影響を及ぼす可能性が示唆された」としている。

これまでの研究で高血圧と認知症との関連は示されていたが、50歳前の高血圧がリスク因子となるかどうかは明らかにされていなかった。そこでGilsanz氏は今回、男女5,646人の医療記録データと健康調査データを用い、1964~1973年(平均年齢32.7歳)および1978~1985年(同44.3歳)の時点における高血圧の有無と、1996年(平均年齢59.8歳)から2015年までの認知症リスクとの関連について検討した。

その結果、30歳代での高血圧はその後の認知症リスクに関連していなかったが、40歳代で高血圧だった女性では、正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが65%高いことが分かった。また、30歳代では正常血圧だったが40歳代に高血圧を発症した女性では、いずれの時点でも正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが73%高いことも示された。さらに、こうした関連は喫煙、糖尿病、過体重などの因子を考慮しても認められたという。

一方、男性では40歳代の高血圧と認知症リスクとの関連は認められなかった。これについてGilsanz氏は「男性は認知症を発症しやすくなる年齢に達する前に死亡する確率が高いことが一因として考えられる」と説明。また、今回の研究には関与していない米アルツハイマー病協会(AA)のKeith Fargo氏は「遺伝的因子や生活習慣、ホルモンの違いなども男女で異なる結果が得られた要因となっている可能性がある」との見方を示している。

さらにGilsanz氏は「男性よりも女性の方が認知症の有病率が高いことを考慮すると、女性でのみ40歳代の高血圧が認知症リスクに関係していることについて関心を持つ人は少なくないだろう。今後の研究では性差をもたらす経路に着目し、男女それぞれのリスク因子を明らかにしていく必要がある」と話している。

今回の研究は「高血圧が原因で認知症を発症する」という因果関係を示したものではないが、Fargo氏は「長期間にわたって高血圧だった人で認知症の発症率が高いのは理にかなっている」とした上で、「認知症の症状は高齢期に現れる場合が多いため、高齢になってから初めて認知症について考える人が多い。しかし、それよりももっと前の段階から、さまざまな因子が認知機能を低下させている」と説明。このうち高血圧は薬物治療や生活習慣の改善でコントロールできる因子であることから、「認知症と戦う上で、高血圧などの修正可能な因子に対処することは強力な武器になる」と強調している。(HealthDay News 2017年10月4日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/dementia-news-738/high-blood-pressure-in-40s-a-dementia-risk-for-women-727211.html

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4.1.1

産後に胎盤を食べる「胎盤食」、メリットなく感染リスクも

産後うつの予防や母乳の分泌を促進させる効果などへの期待から、出産直後に自分の胎盤を食べる「胎盤食(placentophagy)」が一部の女性の間で流行している。しかし、米ワイル・コーネル・メディスン産婦人科のAmos Grünebaum氏らが胎盤食に関する文献レビューを行ったところ、こうした行為による健康上のメリットはなく、むしろ感染症などのリスクを伴うことが明らかになった。このことから同氏らは「胎盤食に興味を示す妊産婦に対し、産婦人科医は真実を伝えるべきだ」と呼び掛けている。詳細は「American Journal of Obstetrics and Gynecology」8月28日オンライン版に掲載された。

Grünebaum氏によると近年、分娩後に胎盤を食べるため持ち帰ることを希望する女性が増えており、同氏の元にはその対応について産科医からの問い合わせが寄せられることが少なくないという。胎盤食には産後うつの予防や全般的な気分および活力の向上のほか、母乳の分泌促進や産後の出血抑制といった効果があると一部で考えられていることが背景にある。

ヒトの胎盤食に関する記述は約100年前の文献にみられるが、最近は一部の有名人が胎盤食を支持していることを明らかにし、それがきっかけで一般女性の間でも関心が高まっている。ただ、哺乳類の多くは産後に胎盤を食べることが知られているが、ヒトの胎盤は通常、分娩後に廃棄されてきた。

食べ方は生食あるいは加熱調理のほか、乾燥させて食べたり、カプセルやスムージーで摂取したりする。このうち最も多いのはカプセルでの摂取と考えられており、米国では既に多くの企業が200~400ドルの費用で胎盤を食用に加工するサービスを提供している。

しかし今回、Grünebaum氏らが胎盤食に関する文献のレビューを行った結果、胎盤食の提唱者が主張するような健康上のメリットがあるとのエビデンスはなかったという。一方で、今年6月には米疾病対策センター(CDC)から汚染された胎盤カプセルを摂取した母親の子どもがB型連鎖球菌に起因した敗血症を発症したとの報告があったとして、「胎盤の加熱処理が不十分だとHIVやジカウイルス、肝炎などのウイルスを十分に死滅させられない可能性がある」と指摘。「胎盤を食べるかどうかの決断は、願望的思考ではなく科学的情報に基づくべきであり、医師は患者に正しい情報を伝えるべきだ」と強調している。

米クリスティアナケア・ヘルスシステム産婦人科のMatthew Hoffman氏は、今回のGrünebaum氏らの報告について「タイムリーかつ有用な情報だ」と評価。最近、Hoffman氏の施設でも胎盤食を希望する女性が増えてきていたことから、現在その対応に関する施設方針について議論されており、「方針の決定にはGrünebaum氏らの報告が少なからず影響するだろう」としている。

なお、最近の調査では産科医の約54%が胎盤食について情報が不十分だと感じており、60%が胎盤食に賛同すべきかどうか分からないと回答しているという。Hoffman氏は「胎盤食には明確なリスクがあり、宣伝されているメリットに科学的根拠はないことを患者に伝え、患者にとって最善の意思決定を促す上で、今回のGrünebaum氏らによる研究は大いに役立つ」と話している。(HealthDay News 2017年9月29日)

https://consumer.healthday.com/sexual-health-information-32/childbirth-health-news-126/study-questions-practice-of-placenta-eating-by-new-moms-726273.html

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Man drawing handgun in home in self defense

銃による負傷の医療費は年間28億ドル―米ER受診者データ

米国で2006年から2014年までに銃創で救急科(ER)を受診した患者数は約70万人に上り、その医療費は年間約28億ドル(約3136億円)に達していたことが、米ジョンズ・ホプキンズ大学医学部外科学のFaiz Gani氏らによる研究で明らかになった。この研究結果は米ラスベガスで米史上最悪の銃乱射事件が起こった翌日となる10月2日発行の「Health Affairs」10月号に掲載された。

Gani氏らによると、米国では外傷による死亡の原因として銃創は3番目に多く、重大な健康問題となっている。しかし、近年の銃創に関する詳細なデータは不足していたという。そこで同氏らは今回、米国内の最大規模のERデータベースを用い、2006~2014年の銃創患者のデータを分析した。

その結果、同期間に全米でERを受診した銃創患者は70万4,916人に上ることが分かった。このうち約89%が男性で、約49%が18~29歳の若年者だった。ERにかかった銃創関連の医療費は1人当たり5,254ドル(約58万8,000円)、入院費は同9万5,887ドル(約1074万円)で、米国における銃創関連の医療費は年間約28億ドル(約3136億円)と推定された。

また、ERを受診した患者の割合(ER受診率)は、2006年の人口10万人当たり27.9人から2013年には同21.5人へと22.9%低下したが、2014年には同26.6人と増加に転じたことが分かった。さらに、2006年から2014年にかけて精神障害の診断歴がある銃創患者の割合が5.3%から7.5%に、誤射による負傷患者の割合が33.7%から37.4%に増加したことも明らかになった。同期間にERを受診した全ての銃創患者において、銃創の原因で最も多かったのは意図的な発砲(49.5%)で、次いで誤射(35.3%)が続き、銃による自殺企図は5.3%だった。

なお、銃創患者の8%以上がERまたは入院後の病院で死亡していた。死亡率は60歳以上の患者(23.3%)、重傷患者(32.7%)、自殺企図患者(38.5%)で特に高かった。ただ、今回の研究では病院に到着する前に死亡した患者や、病院を受診しようとしなかった患者は対象から除外されているため、Gani氏らは「実際には銃創による死亡者や負傷者の数はもっと多い可能性が高い」との見方を示している。

ラスベガスの銃乱射事件の犯人とされるスティーブン・クレイグ・パドック容疑者(64歳)は、マンダレイ・ベイ・ホテル&カジノの32階から、コンサート会場に集まる群衆に向けて発砲した。特別機動隊がホテルの部屋に突入したとき容疑者は既に自殺していたが、ライフル銃を含めて銃10丁を保有していたことが報じられている。この事件では少なくとも58人が死亡し、約500人が負傷したとされている。(HealthDay News 2017年10月2日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/gun-violence-976/u-s-gun-injuries-nearing-3-billion-in-er-hospital-costs-726996.html

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Close up of elderly person with walking zimmer

転倒予防には運動を推奨、ビタミンDサプリメントは否定

転倒や骨折は高齢者に身体障害をもたらす主要な原因となっている。米国予防医療作業部会(USPSTF)は9月26日、これらの予防策に関する勧告の草案を発表し、高齢者の転倒予防のための対策として運動を推奨する一方で、ビタミンDサプリメントの摂取は否定する見解を示した。また、骨折予防のためにビタミンDやカルシウムのサプリメントを摂取することに関しても「十分なエビデンスがない」として推奨していない。

USPSTFは今回、65歳以上の健康な高齢者の転倒予防に関する勧告と、骨粗鬆症による骨折歴のない成人におけるサプリメントを用いた骨折予防に関する勧告のそれぞれについて草案を発表した。いずれの勧告案も、これまでのエビデンスレビューに基づきまとめられた。

まず、高齢者の転倒予防に関する勧告案では「転倒リスクが高い高齢者に中等度のベネフィットがある」として運動を推奨。具体的にどのような種類の運動をすべきかについては示していないが、勧告案の執筆者の一人で米バージニア・コモンウェルス大学准教授のAlexander Krist氏は「専門家の指導の下で行うバランス能力や歩行能力などを向上させる運動は役に立つだろう」と話す。

また、勧告案では医師に対して「状況に応じて高齢者の転倒リスクをチェックし、個々に合わせた予防策を提示する」ことも推奨。具体的には、運動や栄養、服薬管理に関する指導や社会的サービスや地域のサービスの利用などを挙げている。一方、ビタミンDサプリメントについては「転倒予防のみを目的とした摂取は推奨しない」との見解が示された。

さらに、成人の骨折予防を目的としたビタミンDやカルシウムのサプリメント使用に関する勧告案でも「閉経後の女性が低用量のサプリメント(ビタミンDが400IU以下、カルシウムが1,000mg以下)を使用することは推奨されない」とその使用を否定。閉経前の女性や男性がこれらのサプリメントを使用することや、閉経後の女性が高用量のサプリメント(ビタミンDが400IU超、カルシウムが1,000mg超)を使用することについては「ベネフィットとリスクを評価するには十分なエビデンスがない」としている。

Krist氏は「高用量のビタミンDやカルシウムが骨折予防に有効かどうかは不明だが、低用量では骨折予防の効果はない」と説明。今後、高用量サプリメントによる効果について研究を重ねる必要があるとしている。

なお、米ペン・ステート大学医学部教授のChris Sciamanna氏は、今回の勧告案で医師に高齢者の転倒リスクのチェックを求めていることについて「医療機関にとっては診察時間が増えるだけで収益にはつながらないため、医師によるリスク評価が普及するかどうかは疑わしい」と指摘。片脚だけで10秒以上立っていられるかどうかを確認する転倒リスクのセルフチェックを高齢者自身が行うことを勧めている。(HealthDay News 2017年9月27日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/exercise-not-vitamin-d-recommended-to-prevent-falls-726865.html

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1-1 HDN10月10日「今日のニュース」No.2

輸血用の血液は「新鮮」でなくてもOK?

集中治療室(ICU)で輸血が必要となった重症患者に対し、保存期間が20日を超えている赤血球製剤を使用しても、保存期間がより短い「新鮮」な赤血球製剤を使用した場合と死亡リスクは同程度だったとする研究結果が欧州集中治療医学会(ESICM 2017、9月23日~27日、オーストリア・ウィーン)で発表された。この研究を実施したモナシュ大学(オーストラリア)公衆衛生・予防医学部のJamie Cooper氏らは「これまで輸血には新鮮な赤血球製剤が最適だと考えられていたが、新鮮でなくても良いことが分かった」としている。

この研究は、2012年11月~2016年12月にオーストラリアのほかフィンランド、アイルランド、ニュージーランド、サウジアラビアの5カ国にある59カ所のICUで実施された。これらのICUで赤血球製剤の輸血が必要となった18歳以上の重症患者4,994人を、その時に使用できる赤血球製剤の中でも最も新しい製剤を使用する群(新鮮血群)と、最も古い製剤を使用する群(非新鮮血群)にランダムに割り付けた。実際に使用された製剤の平均保存期間は新鮮血群で11.8日、非新鮮血群で22.4日だった。

このうち4,919人を対象に解析した結果、90日後の死亡率は新鮮血群で24.8%、非新鮮血群で24.1%と同程度であることが示された。また、6カ月後の死亡率についても両群間の差は1%未満であった。

Cooper氏は「今回の研究では2つの予想に反した知見が得られた。1つ目は、輸血の副作用(発熱性非溶血性輸血副作用)の頻度は、新鮮な血液製剤を輸血した方が高かったという点だ。そして2つ目は、新鮮ではない血液製剤を輸血した重症患者でも、その多くで優れた生存率が認められたという点だ」と説明。その上で「赤血球は赤ワインのように少し時間がたっている方が良いのかもしれない」と話している。

なお、輸血用の血液製剤の保存期間は現在、保存方法や規制の違いなどから国や地域によって異なるが、最長で42日間とされている。しかし、古い血液製剤を使用することに対する懸念から使用期限を短縮している国や施設もあるという。

ただ、使用期限を短縮すると廃棄される血液製剤が増え、輸血用の血液製剤が不足する可能性がある。Cooper氏は「時間がたっている血液製剤がもっと使用されれば輸血に利用できる血液製剤が増える」と指摘し、「血液製剤の使用期限を短縮している国は42日に延長することを検討すべき」と主張している。

今回の研究には関与していない米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のEdward Murphy氏によると、血液は長く保存すると赤血球が硬くなり、ヘモグロビンが流れ出してしまうこともあるという。また、保存に使用する溶液やプラスチック製の保存バッグによる影響も懸念されていた。しかし近年、複数の研究で新鮮な血液製剤を使用しなくても生存率に影響はないことが示されていたため、Murphy氏は「この問題は既に決着がついている」と指摘。「今回の研究結果もこれまでの報告と一致したものだ」と話している。

この研究結果は「New England Journal of Medicine」9月27日オンライン版にも掲載された。(HealthDay News 2017年9月27日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/blood-disorder-news-68/is-older-blood-ok-to-use-in-a-transfusion-726913.html

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1-1 HDN10月5日「今日のニュース」No.1

迷走神経刺激法で15年間の植物状態から回復

交通事故による脳損傷で15年間植物状態にあった35歳の男性が、神経を刺激する治療によって意識を取り戻したことが明らかになった。マルク・ジャンヌロー認知科学研究所(フランス)のAngela Sirigu氏らがこの男性患者に迷走神経刺激法(VNS)と呼ばれる治療を実施したところ、患者の注意力や身体を動かす能力、脳活動に改善がみられ、植物状態から「最小意識状態」へと回復したという。詳細は「Current Biology」9月25日号に掲載された。

今回、Sirigu氏らは男性患者の胸部に神経刺激装置を植え込み、繰り返し電気刺激を送るVNSによる治療を1カ月間にわたって実施した。その結果、この男性患者は対象物を目で追ったり、頭の向きを変えたりするなど、簡単な指示に反応するようになった。また、読み聞かせをすると、その間は覚醒状態を維持できるようになったほか、誰かが急に近づくと驚きを示すなど、脅威に反応する様子もみられた。さらに、脳波の検査を実施した結果、「シータ波」と呼ばれる脳波が増大していることが判明した。このことは、脳の修復がまだ可能であることを意味するという。

Sirigu氏らによると、植物状態になった患者が自然に回復することはまれだという。なお、植物状態の患者は昏睡状態の患者とは異なり目を覚ますことはあるが、昏睡状態と同様、自分自身や周囲の状況を認識していない状態が続く。一方、最小意識状態では自分自身や周囲の状況を部分的に認識し、簡単な指示に反応することができる。

VNSは長年、てんかんやうつ病の治療に用いられてきた。Sirigu氏らは今回、植物状態の患者にVNSを試みるに当たって、偶然の可能性を排除するために長期間改善の兆しがみられない患者を対象に選んだという。同氏は「これまでの動物実験の結果を考慮すると、今回の結果は意外なものではなかった」と振り返り、「VNS後にみられた変化が、植物状態から最小意識状態へと自然に移行した患者で認められている変化と一致していたことに安堵した」と話している。

米ダートマス大学のJames Bernat氏は、今回の報告について「一部の意識障害患者にVNSが有効であることが示唆された」と評価する一方、「どのような患者がこの治療に反応するのかを明らかにするには、さらに研究を重ねる必要がある」と指摘。「植物状態も最小意識状態も、その程度や種類、脳損傷部位はさまざまであるため、今回の結果を全ての患者に当てはめることは難しい」としている。(HealthDay News 2017年9月25日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/nerve-stimulation-pulls-patient-from-15-year-vegetative-state-726853.html

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HIV抗体は「併用」が鍵に―サルで100%の感染予防効果

今後、HIVの感染拡大を阻止するには複数の抗体を併用する戦略が鍵となりそうだ。2件の新たな研究で、手法は異なるが複数の抗体を組み合わせてサルに注射した結果、HIV感染を完全に予防できることが示された。これらの抗体は定期的に注射する必要があるが、より長期の予防効果を得ることができる抗体の開発も進められているという。

HIV感染者に対する抗レトロウイルス療法では、単剤ではなく2~3種類の抗レトロウイルス薬が使用される。その理由は、単剤治療ではウイルスがすぐに耐性を獲得してしまうからだ。米エイズ研究財団(amfAR)のRowena Johnston氏によると、今回の研究は、この考えを抗体にも応用したものだという。これまでのHIVワクチンの研究でも1種類の抗体だけで完全に感染を予防できたことはなかった。

また、今回報告された2件の研究では、弱毒化させた病原体を接種して自然に免疫を獲得するのではなく、単純に抗体を投与することで免疫を獲得する「受動免疫」の仕組みを利用した。さらに、ウイルスに結合して標的細胞への侵入を阻止する中和抗体の中でも、さまざまな種類のHIV株を中和できる広域中和抗体に着目した点も、これらの研究に共通している。

このうち米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのDan Barouch氏が率いた研究では、2種類の広域中和抗体(PGT121とPGDM1400)をサルに注射した後、2種類のHIV株に曝露させる実験を実施した。その結果、いずれか一方の抗体のみを注射したサルはHIVに感染したが、2種類の抗体を併用したサルはいずれのHIV株にも感染せず、100%の予防効果が示されたという。この研究結果は「Science Translational Medicine」9月20日号に掲載された。

もう1件の研究はSanofi社のGary Nabel氏らが米国立衛生研究所(NIH)の研究者らと共同で実施したもので、「Science」9月20日号に掲載された。この研究では、3つの広域中和抗体(VRC01、PGDM1400、10E8v4)の機能をあわせ持つ単一の抗体を遺伝子組み換え技術を用いて作製。これを注射したサル8頭と、VRC01またはPGDM1400のいずれかを単独で注射したサル(それぞれ8頭)をHIVに曝露させた。その結果、3つの抗体の機能を持つ新たな抗体を投与した群では感染例はなかったが、VRC01投与群では6頭が、PGDM1400 投与群では5頭が感染した。

Nabel氏は「抗体を傘に例えると、ウイルスはその傘に穴を開ける方法を見つけて耐性を獲得するため、その下に2層目、3層目を作り、ウイルスが傘を突破できないようにした。この3通りに働くワクチンを接種したサルは、完全に感染から防御することができた」と説明している。

なお、HIV感染予防のためにはこれらの抗体を数週間ごとに投与する必要がある。そのため、Barouch氏らは現在、効果を数カ月間持続させるために抗体の“寿命”を延ばす研究を進めているという。また、いずれの研究チームもヒトを対象とした臨床試験の実施を予定していることを明らかにしている。(HealthDay News 2017年9月20日)

https://consumer.healthday.com/aids-information-1/aids-and-hiv-sexually-transmitted-diseases-news-607/fighting-hiv-on-multiple-fronts-might-lead-to-vaccine-726696.html

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