Doctor checking with depressor sore throat to teenage girl

咽頭痛にステロイドを使用するのは適切か?

咽頭痛の新たな治療法を模索した研究で、ステロイド単回投与の効果が認められたが、その程度は高くはなかったことが報告された。咽頭痛で受診する患者は多く、耐性菌の増加が懸念されるため、抗生物質に代わる治療法が求められている。

今回、英国で実施された二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験では、咽頭痛に対してステロイド薬を単回経口投与したところ、患者の約3分の1に症状の改善がみられたという。

しかし、米アラバマ大学(バーミンガム)内科学教授のRobert Centor氏は、この結果を受けてすぐにステロイドを処方することはないと述べている。「咽頭痛の多くは単純なものだが、中には死亡や集中治療室(ICU)入院に至るような危険なものもある。ステロイドはそのような深刻な疾患をみつける手がかりとなる症状を抑えてしまう可能性がある」と、同氏は説明している。

咽頭痛は特に小児や若者によくみられる。咳はみられるが発熱は伴わないことが多く、食物は飲み込めることが多い。多くはウイルス性であり、抗生物質はウイルス感染には効かないにもかかわらず、抗生物質が処方されることもある。

英オックスフォード大学のGail Nicola Hayward氏らによる今回の研究では、抗生物質を必要としない咽頭痛の成人患者565人を、大用量(10mg)のステロイド薬デキサメタゾン単回投与群またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。被験者の半数が34歳未満であった。

その結果、24時間後の時点では、ステロイド群288人とプラセボ群277人の間で症状の回復に差はみられなかった。しかし48時間後には、ステロイド群の35.4%(102人)が回復したのに対し、プラセボ群では27.1%(75人)であり、有意な差が認められた(相対リスク;1.31、95%信頼区間:1.02~1.68)。

米ノースウエスタン大学医学部(シカゴ)のJeffrey Linder氏によると、ステロイドにはまれに副作用もみられる。例えば、血圧上昇、血糖値上昇、体液貯留などがあり、糖尿病の合併症や心血管疾患のリスクのある人には重要だという。今回の研究では、2日以内に回復したのはステロイド群の約3人に1人にとどまる点を同氏は指摘し、「3分の1の確率でしか症状が改善しない治療を求めて患者が受診するとは考えられない」と述べている。

では、咽頭痛患者はどうすればよいのだろうか。Centor氏は、痛みがひどい場合はアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの鎮痛薬の使用を勧めている。咽頭痛は通常は3~5日で改善し、悪化することはない。高熱があり、咳があまりなく、ものが飲み込みにくい場合は細菌感染の可能性があるため、医師の診察を受ける必要があるという。頸部腫脹や、大量の汗を伴う強い悪寒がみられる場合も深刻な疾患の可能性がある。

この研究は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」4月18日号に掲載された。(HealthDay News 2017年4月18日)

https://consumer.healthday.com/dental-and-oral-information-9/sore-throat-news-629/is-it-wise-to-take-a-steroid-for-a-sore-throat-721749.html

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Patient in a coma undergoing medical procedure

昏睡の治療では「体内時計」が手がかりになる

重度の脳損傷患者では、いわゆる「体内時計」を調整することが昏睡状態から意識を取り戻すのに有効である可能性があると、新たな研究で報告された。体内時計とは、身体にもとから備わっている睡眠、覚醒、食事の時間を知らせる周期のことで、概日リズムとも呼ばれる。

今回の予備的研究では、重度の脳損傷患者18人を対象として1週間にわたり体温を測定し、それぞれの患者の概日リズムの長さを算出した。その結果、患者の概日リズムには23.5~26.3時間と幅があることが分かった。研究著者らによると、体温は日光や暗闇などの環境的要因に基づいて1日を通して変動するという。

さらに、音に対する反応や、刺激の有無で目を開ける能力などを評価することにより、患者の意識レベルも測定した。その結果、意識レベルの高い患者ほど、24時間周期に沿った健康的な体温変動パターンを示すことがわかった。

研究を実施したザルツブルク大学(オーストリア)のChristine Blume氏は、「重度の脳損傷患者では、体温変動パターンが健康な人の概日リズムに近い人ほど、昏睡からの回復度のスコアが良好であると、今回の研究から示唆された。特に覚醒に関する項目ではこの関連が顕著であった」と述べている。

この研究は「Neurology」オンライン版に4月19日掲載された。

同氏は、「医師がこうした患者を診るときは日内変動を念頭に置くべきであり、1日のどの時間帯に検査を実施するかが重要となる。また、患者の睡眠-覚醒サイクルを正常にするために、昼夜の自然な明るさの変化にあわせて環境を調整するべきである。それにより、重度の脳損傷患者の意識を回復できる可能性が期待される」と付け加えている。

今回の研究の被験者は、いずれも無反応覚醒症候群または最小意識状態であった。無反応覚醒症候群は、いわゆる「植物状態」であり、患者は昏睡から覚醒し、目を開けることができ、睡眠もみられるが、反応はない状態を指す。一方、最小意識状態(minimally conscious state)は、患者が意識の徴候を示す状態である。(HealthDay News 2017年4月19日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/traumatic-brain-injury-1002/body-temperature-might-give-clues-to-coma-721744.html

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1-1 HDN4月24日「今日のニュース」No.1

ヒトスジシマカがジカウイルスを媒介する可能性

ジカウイルスの遺伝物質が、従来とは別種の蚊から見つかったことが報告された。ジカウイルスを主に媒介するのはネッタイシマカ(学名:Aedes aegypti)であるが、今回ブラジルで採集されたヒトスジシマカ(同Aedes albopictus)に遺伝子検査を実施したところ、ジカウイルスのRNAの断片が見つかったという。

この知見は、ヒトスジシマカがヒトにジカウイルスを伝播させる可能性があると証明するものではない。しかし、研究著者である米フロリダ大学フロリダ衛生昆虫学研究所(ベロビーチ)准教授のChelsea Smartt氏は、「ジカウイルスを媒介するネッタイシマカ以外の経路の可能性を、さらに研究する必要があることが浮き彫りにされた」と話す。

同氏は米国昆虫学会(ESA)のニュースリリースで、「ヒトスジシマカがジカウイルスの伝播に寄与している可能性があり、公衆衛生上の懸念となることが示唆された。この蚊は世界中でみられ、幅広い動物から吸血し、低温の気候にも適応しているため、ジカウイルスの伝播に対する影響を調べる必要がある」と述べている。

今回の研究では、ブラジルで蚊を採集し、卵を孵化させた。孵化させたヒトスジシマカのオスでジカウイルスRNAの陽性反応がみられたことから、ジカウイルスが子孫に受け継がれる可能性が示唆された。ただし、生きたジカウイルスは検出されなかった。ヒトスジシマカがジカウイルスを伝播する能力を持つのかを判定するためには、より詳しい調査が必要だという。

なお、この報告では昆虫科学者や医学研究者にも十分な警戒を呼びかけている。「ジカウイルス感染の多い地域で蚊を採集する場合は、全ての個体でジカウイルスRNA検査を実施することが重要だ。陽性であれば、移送や実験室での使用の前に、生きたジカウイルスが検出されるか検査しなければならない」とSmartt氏は述べている。

この研究は「Journal of Medical Entomology」オンライン版に4月14日掲載された。(HealthDay News 2017年4月14日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/zika-1007/another-type-of-mosquito-may-carry-zika-721584.html

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two female young nurses having fun with tablet computer during break

新人医師の3割がフェイスブックに「不適切」投稿 ―米調査

ソーシャルメディアへの不適切な投稿が問題視されることがあるが、医師も例外ではない。米国の調査で、新人医師の72%はフェイスブックのプロフィールを個人が特定できる形で公開しており、そのうち40%には適切でない内容が含まれていることが明らかにされた。

研究を率いた米ダートマス・ヒッチコック医療センター(ニューハンプシャー州レバノン)のKevin Koo氏は、「医師の不用意なソーシャルメディア利用により、患者からの信頼を損なう可能性がますます懸念される」と述べている。

複数の医療従事者団体や医療機関が、医師のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインを既に作成している。たとえば米国医師会(AMA)が2010年に発行したガイドラインでは、オンライン上では個人用と仕事用で投稿を分けるように勧め、患者と「適切な職業的距離を保つ」ことの重要性を説き、患者の個人情報を侵害しないよう呼びかけている。

しかし、米ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)のMatthew DeCamp氏は、「こうしたメッセージが医師らにどの程度届いているのかは不明である」と指摘。Koo氏もこれに同意し、「これらのガイドラインの認知度すら明らかではない」としている。

今回の研究では、2015年に米国の泌尿器科レジデントプログラムを卒業した医師281人の氏名をフェイスブックで検索した。その結果、72%の医師はプロフィールを公開していた。そのうち40%では、プロ意識に欠けるような内容、あるいは「好ましくない可能性がある」内容が投稿されていた。

プロ意識に欠ける内容として、泥酔、薬物使用、違法行為への言及または写真を含む投稿や、患者の個人情報を含む投稿などが見られた。なかには、患者名の見えるX線画像や、個人を特定できる治療の詳細(特定日の手術中の合併症など)を投稿している例もあった。

これらは明らかな間違いだと言えるが、そうとは言い切れない事例もあった。「好ましくない可能性がある」投稿としては、酒を持つ医師の写真や、政治・宗教・社会問題に対する意見の表明などが挙げられた。

では、医師はオンライン上でどう振る舞うべきなのか。DeCamp氏は、医師は自分の投稿が人々に及ぼす影響を考えるべきであり、例えば医学とは関係ない政治的主張を通すためにその立場を悪用してはならないとしている。一方で、「ガイドラインでは個人用と仕事用でアカウントを使い分けるよう推奨しているが、それは不可能だと思う。患者との交流を止めたり、個人的な投稿を全て非公開にしたりする必要はない。その代わり、投稿する前に、本当に公開したい内容なのかを慎重に考えるようにしてほしい」と、同氏は勧めている。

一方、オンライン上の医師の行動が現実にも影響を及ぼすことがあると、Koo氏らは指摘する。ある調査によれば、米国の州医事当局の92%がオンラインでの職業倫理違反に関する調査を実施しており、多くは患者やその家族からの報告によるものであったという。

今回の研究は「BJU International」オンライン版に4月9日掲載された。(HealthDay News 2017年4月17日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/is-that-your-doctor-swearing-drinking-on-facebook-721666.html

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修正履歴

2017年4月25日、記事の一部を修正しました。(編集部)

 




1-1 HDN4月20日「今日のニュース」No.1

ナースコールの対応が遅くなる理由

入院している小児が不安になってナースコールを鳴らしても、看護師が即座に駆けつけられるとは限らないが、その理由を調べた新たな研究結果が報告された。この研究によると、看護師は緊急のアラームにはすぐに対応していることが分かった。さまざまな要因により対応が遅くなることはあるが、この遅れによって患者に危険が及ぶことはなく、重大なアラームは0.5%未満であったという。

研究の筆頭著者で米フィラデルフィア小児病院小児科助教授のChristopher Bonafide氏によると、看護師はどのアラームが重要であるかを直感で正確に判断していたという。米国では誤ったアラームが多過ぎることによる「アラーム疲労」が問題となっている。アラーム音は心拍数の上昇、血中酸素濃度の低下、危険な心拍パターンなどを知らせるものだが、乳児の動きにより誤作動を起こすこともある。

今回の研究では、同病院で2014~2015年に100人の小児患者を担当した看護師38人の動画を分析した。1万1,745回のアラームのうち、ほぼ全てが妥当なものであり、50件は見逃してはならない重大なものと判定された。看護師は重大なアラームには平均して1分ほどで対応していたが、半数のアラームには対応までに10.4分以上かかった。

経験1年未満の看護師は、1年以上の看護師よりも対応が速かった。担当する患者が1人の場合は複数の場合よりも対応が速かった。また、勤務時間が1時間経過するごとに対応はわずかに遅くなっていった。このほか、患者に家族が付き添っていない場合は、付き添いがいるときよりも対応が速かった(それぞれ中央値は6分、12分)。病状が複雑な患者や、以前にも措置を要するアラームが生じたことのある患者でも対応が速かった。

米イェール大学看護学教授のMarjorie Funk氏は今回の研究を賞賛し、「ただし、親は子どものベッドから離れることについてさほど心配する必要はない。深刻な問題が起きた場合は異なるアラーム音が鳴り、看護師は直ちに対応する。それ以外のアラーム音の場合は、別の患者への対応を終えてから対応したり、同僚に対応を依頼したりすることができる」と説明している。

Bonafide氏は、さまざまなアラームへの対応時間に関するガイドラインはないが、システムの安全性と性能を向上させるためにすべきことは多数あると指摘する。また、Bonafide氏とFunk氏は、子どもが入院する親に対しては、「継続的なモニタリングが必要な理由や、どのような問題が起こりうるのか、アラームが鳴ったらどうすればよいのかなどを医師に質問してもよい」と助言している。

この研究結果は「JAMA Pediatrics」オンライン版に4月10日掲載された。(HealthDay News 2017年4月11日)

https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/hospital-news-393/nurse-what-s-taking-so-long-721515.html

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1-1 HDN4月20日「今日のニュース」No.2

前立腺がん検診の利点と欠点の説明は十分に行われていない

PSA(前立腺特異抗原)検査による前立腺がんスクリーニングを受けた男性において、検査のリスクとベネフィットについて医師と話し合った人は3分の1未満に過ぎないことが、新たな研究により示された。米国予防医療作業部会(USPSTF)の専門家パネルは4月11日、PSA検査に関する勧告を緩和し、男性は医師と話し合って検査を受けるかどうかを決定するよう勧めることにした。

今回の研究を実施した米ロードアイランド大学のGeorge Turini III氏らによると、2012年にUSPSTFが発行した前回のガイドラインでは、平均的な前立腺がんリスクを持つ男性にはPSA検査を推奨しないとされたが、この勧告が医療従事者の診療パターンに影響し、スクリーニング前の詳細な話し合いがされなくなったことが示唆されたという。ただし、患者が意思決定に必要な情報を得ているのかを確認するには、さらに研究を重ねる必要がある。

PSA検査では、前立腺から分泌される蛋白の血中濃度を測定する。PSA値の上昇には、加齢による前立腺肥大や前立腺がんなど、さまざまな理由が考えられる。侵襲的な前立腺がんの早期発見のためには有益な検査だが、健康な人にはリスクもある。PSA値が高い場合、がんを確定する方法は生検しかなく、それにより感染症、出血、痛みなどの合併症が生じることがある。また、仮にがんであっても、進行の遅いがんに不必要な治療を行うことになる可能性もあり、診断による精神的苦痛も無視できない。

研究共著者である米ブラウン大学公衆衛生学部助教授のAnnie Gjelsvik氏によると、リスクとベネフィットを十分に把握しないまま検査を受けるリスクが高かったのは、低所得、高卒未満、健康保険未加入、ヒスパニックの男性であった。

2012年のUSPSTF勧告以前は、PSA検査のリスクとベネフィットについて医師と話し合っていた患者は30%、全く話していない患者は30.5%、ベネフィットについてのみ話し合った患者が40%弱であった。その2年後に11万1,000人超の男性を対象とした調査では、この割合はほとんど改善しておらず、それぞれ30%、34%、36%であった。2012年にPSA検査を受けた男性の比率は63%で、2014年はやや減少して62%であった。

Turini氏らは、医師がPSA検査のリスクとベネフィットについて患者と包括的な話し合いをする必要があるとの考えを述べている。この研究は「Urology」オンライン版に3月18日掲載された。(HealthDay News 2017年4月11日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/prostate-cancer-news-106/many-docs-don-t-discuss-prostate-cancer-screening-pros-and-cons-721185.html

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4.1.1

ベンゾジアゼピン系薬でアルツハイマー病患者の肺炎リスク上昇か

アルツハイマー病患者がベンゾジアゼピン系薬を服用すると肺炎リスクが高まる可能性があると、新たな研究で警告されている。ベンゾジアゼピン系薬には、アルプラゾラム(商品名:ソラナックスなど)、クロナゼパム(同リボトリールなど)、ジアゼパム(同セルシンなど)、ロラゼパム(同ワイパックス)などがあり、アルツハイマー病患者では長期にわたり投与されることが多い。

研究著者である東フィンランド大学クオピオ老年医療研究センターのHeidi Taipale氏らは、「肺炎リスクの上昇はアルツハイマー病患者の治療において考慮すべき重要な所見である。肺炎は入院につながることも多く、認知症患者では肺炎関連の死亡リスクも高い」と述べている。

今回の研究では、フィンランドで2005~2011年にアルツハイマー病と診断された患者4万9,484人のデータを検討した。患者の平均年齢は80歳で、3分の2が女性であった。解析の結果、ベンゾジアゼピン系薬を使用するアルツハイマー病患者では、使用していない患者に比べて、肺炎を発症するリスクが28%高かった。肺炎の発症リスクは投薬開始から最初の30日間で最も高くなることも分かった。

同氏らによると、この知見はこれまでの研究報告にも一致する。ベンゾジアゼピン系薬の鎮静作用により、この薬を服用した患者では唾液や食物が誤って気管に入る(誤嚥する)可能性があり、そのために肺炎リスクが上昇するのではないかと推測しているという。「アルツハイマー病患者にベンゾジアゼピン系薬を投与する際は、そのベネフィットと肺炎を含めたリスクについて、慎重に考慮する必要がある」と、Taipale氏らは述べている。

今回の研究は「Canadian Medical Association Journal(CMAJ)」4月10日号に掲載された。

同誌の付随論説を執筆したトロント大学(カナダ)のPaula Rochon氏らは、「この研究は、医師がフレイル(虚弱)のある認知症の高齢者にこうした薬剤を処方しようとするときに『first do no harm(何よりも害を与えないこと)』という原則を思い出させるものである。アルツハイマー病患者の精神神経症状の管理には、まず非薬物療法を試すべきであり、それによりベンゾジアゼピン系薬の不適切な使用を制限できる」と指摘している。(HealthDay News 2017年4月10日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/sedatives-health-news-598/xanax-valium-may-boost-pneumonia-risk-in-alzheimer-s-patients-721350.html

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1-1 HDN4月17日「今日のニュース」No.2

「セサミストリート」に自閉症のキャラクターが登場

放送開始から半世紀になる子ども向けテレビ番組『セサミストリート』に、新たに自閉症のキャラクターが登場した。新しいマペット(人形)は4歳のジュリアという女の子。米国で4月10日、彼女がデビューする特別エピソード「Meet Julia」が放映された。

同番組を製作する「セサミ・ワークショップ」のJeanette Betancourt氏は、「このキャラクターの導入により、子どもたちのもつ差異も知ってほしいが、それ以上に共通点に目を向けていきたい」と述べている。就学前の子どもたちに自閉症児の抱える困難に気づいてもらうことも狙いだという。

ジュリアは絵筆を使いこなし、みんなと一緒に歌を歌うこともできるが、言葉には遅れがあり、手をひらひらさせるなど自閉症に特有の行動もみられる。しかし、『セサミストリート』ではこの鮮やかなオレンジ色の髪をもつ少女を、単に優しく、好奇心が強く、エルモたちに歓迎される陽気な仲間として描くよう努めている。

ジュリアは2015年、自閉症への理解を広める取り組みの一環として初めて作製された。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では68人に1人(男児の42人に1人、女児の189人に1人)が自閉症スペクトラム障害を抱えている。

自閉症支援団体Autism SpeaksのLisa Goring氏は、「『セサミストリート』の新たな取り組みを称賛する」と話す。同氏によると、ジュリアの制作過程にはAutism Speaksなど14の自閉症関連団体が協力している。「人はそれぞれに異なる困難と強みをもっており、誰もがコミュニティの一員であることを、子どもたちに伝えられるよう願っている」と、同氏は話している。

米国自閉症協会(ASA)のRose Jochum氏も、「この番組は大きな影響力をもち、多様性について示し、そして愛されている。もちろん、ジュリアは自閉症を抱える少女の一例にすぎず、全ての自閉症の人を代表できるわけではないが、自閉症の子どもやその親のロールモデルとして、ジュリアにもっと早く出会いたかったという声を多数聞いている」と述べている。

Betancourt氏は、「できないことを極端に表現するのではなく、自閉症の一面を表す特徴や細かな部分に着目した」と説明する。たとえば、最初のエピソードのなかで、番組の主要キャラクターであるビッグバードはジュリアに挨拶をするが、返事がなく、自分を嫌っているのではないかと思ってしまう。しかし、最終的にはジュリアの行動が自分とは違うことを理解し、沈黙しているのは興味がないからだとは限らないことを学ぶ。

「この番組の主な視聴者である2~5歳児の『なぜ?』に率直に答えるとともに、自閉症の子どもたちには『あなたは一人ではない』と伝えたい」と、同氏は話している。(HealthDay News 2017年4月10日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/autism-news-51/muppet-with-autism-makes-her-sesame-street-debut-721439.html

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1-1 HDN4月13日「今日のニュース」No.1

統合失調症患者では重篤な感染症のリスクが高い

統合失調症患者は重篤な感染症のリスクが高い可能性があると、新たな研究で示された。研究著者である南デンマーク大学のMonika Pankiewicz-Dulacz氏らは、「予備的研究から、統合失調症の人は一般集団に比べて、あらゆる種類の重篤な感染症の有病率が高いことが示唆された」と述べている。

「臨床医は、統合失調症患者が重篤な感染症のリスク集団であることを認識しておくべきである。統合失調症患者における感染症予防のガイドラインや提言の策定が必要とされており、これは患者の衛生、食事、身体活動、薬物療法、併存疾患の治療、ワクチン接種などの幅広い領域に対応するものでなくてはならない」と、研究グループは結論づけている。ただし、この知見は因果関係を明らかにするものではない。

今回の研究では、デンマークに在住する約89万4,000人のデータをレビューした。対象者は1975~1990年生まれで、うち約8,000人は統合失調症患者であった。解析の結果、感染性疾患の有病率は一般集団では25%だったのに対し、統合失調症患者では36%であった。重篤な感染症の有病率も、統合失調症患者では一般集団に比べて63%高かった。

統合失調症患者と一般集団における一部の重篤な感染症の有病率は以下のとおりであった。

・HIV(0.2%対0.05%)
・敗血症(0.7%対0.3%)
・肝炎(1.4%対0.2%)
・皮膚感染症(12%対6%)
・結核(0.12%対0.06%)
・消化管感染症(8.7%対6%)
・性器感染症(2.6%対1.5%)
・泌尿器感染症(3.6%対2%)

感染症リスクに影響を及ぼす可能性のある他の因子を考慮に入れてデータを補正しても、統合失調症患者は依然として皮膚感染症、泌尿器感染症、性器感染症、結核のリスクが一般集団の約2倍であった。

また、依存症や他の健康問題があることが、重篤な感染症に関連する最も重要なリスク因子であることも分かった。いずれの因子も、統合失調症患者および一般集団における重篤な感染症のリスクを2.7倍に増大させていた。

この研究はイタリア、フィレンツェで4月1~4日に開催された第25回欧州精神医学会(EPA 2017)で4月3日発表された。学会発表された知見は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年4月3日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/schizophrenia-news-593/infections-more-common-in-people-with-schizophrenia-721265.html

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4.1.1

抗生物質の長期投与が結腸ポリープに関連

20代から50代のうちに抗生物質を長期間使用すると、結腸に前がん病変が生じるリスクが高まる可能性があると、大規模研究で示唆された。こうした病変はポリープあるいは腺腫と呼ばれ、放置するとがんになることがある。

研究を率いた米ハーバード大学医学大学院内科准教授のAndrew Chan氏は、「抗生物質による腸内細菌叢の変化が、大腸がんの素因になることが示唆された。ただし、明確な医学的理由から抗生物質を必要とする人が心配するほどのリスクではなく、因果関係も明らかではない」と話す。なお、今回の研究は女性のみを対象としたものだが、この知見は男性にも当てはまる可能性が高いという。

抗生物質は腸内細菌叢(腸内に生息している細菌の多様性や個数)に混乱をもたらし、病原菌に対する抵抗力も弱める。これらの影響はいずれも、前がん病変の発生に寄与すると考えられる。さらに、抗生物質の投与を要する細菌感染症は炎症を引き起こすことがあり、これも大腸がんの危険因子として知られていると、同氏は付け加えている。

今回の研究では、看護師健康調査(Nurses’ Health Study:NHS)に参加し、2004年の時点で60歳以上であった女性1万6,600人以上のデータを検討した。対象者は2004年に20~59歳のときの抗生物質の使用歴を回答し、2008年には最近の抗生物質の使用歴を回答した。対象者は2004~2010年の間に1回以上の大腸内視鏡検査を受け、1,200人近くでは大腸に前がんポリープがみつかった。

その結果、直近4年以内に抗生物質を使用していても、ポリープのリスクは上昇しなかった。しかし、過去に抗生物質を長期間使用したことがある場合は、ポリープのリスクが上昇することが分かった。たとえば、20~30代で2カ月以上抗生物質を使用した人では、使用していない人に比べてリスクが36%高く、40~50代で使用した人では69%高かった。使用期間がもう少し短い場合でもリスクの上昇は認められ、20~59歳で15日以上抗生物質を使用すると、リスクは73%高いことが分かった。

この分野に詳しい専門家である米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)消化器科長のPatrick Okolo氏は、「抗生物質への曝露後にみられる腸内細菌の多様性の変化により、この知見の生物学的な妥当性を説明できる。この結果は、腸内細菌がヒトの健康に重要であることを裏づける新たな根拠となる」と指摘している。

Chan氏らは本研究には限界があることを認めており、使用した抗生物質の種類に関する情報がないことや、一部の病変は抗生物質の使用前から存在した可能性もあることを挙げている。

この報告は「Gut」オンライン版に4月4日掲載された。(HealthDay News 2017年4月4日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/prolonged-antibiotic-use-tied-to-precancerous-colon-growths-721326.html

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