1HDN7月19日「パッケージニュース」No.1

早期の離乳食開始で乳児の睡眠が改善する可能性

乳児がどうやったらよく眠れるようになるのかは親の悩みの一つだが、英国の新たな研究で、早期に離乳食を開始すると乳児の睡眠が改善する可能性のあることが示された。生後3カ月を過ぎた頃から母乳に加えて離乳食を与えられた乳児は、母乳だけを与えられた乳児に比べて睡眠時間が長く、夜中に目覚める頻度も低かったという。研究の詳細は「JAMA Pediatrics」7月9日オンライン版に掲載された。

米国小児科学会(AAP)のガイドラインは、乳児の栄養に関して、生後6カ月までは母乳のみを与え、離乳食は生後6カ月を過ぎてから開始することを推奨している。また、生後4カ月未満で離乳食を開始すると子どもの過体重につながるとする見解を示している。乳児の睡眠は食べ物の影響を受けないとするのが専門家の一致した見方だが、英国のある調査では、75%の母親は子どもが生後5カ月になる前から離乳食を開始しており、4人に1人はこうした決断には子どもの夜泣きが影響したと回答していたという。

そこで今回、英ロンドン大学キングス・カレッジの研究グループは、生後3カ月まで母乳のみで育った英国の1,200人以上の乳児を対象に行われたランダム化比較試験の二次解析を行い、早期の離乳食開始が睡眠に与える影響について調べた。

この試験は2008~2015年に実施されたもので、生後3カ月まで母乳のみで育ったイングランドおよびウェールズの乳児1,303人を対象に、母乳を継続しながら6種類のアレルゲン食品を含む離乳食を開始する群または母乳のみをさらに3カ月与える群にランダムに割り付けて追跡した。両親には子どもが3歳になるまで乳児の食事や睡眠に関するオンライン調査を行った。

追跡調査を行った1,225人を解析した結果、母乳を継続した群に比べて、早期に離乳食を開始した群では睡眠時間が長く、夜中に目覚める頻度が低かったほか、母親のQOL(生活の質)に影響するような深刻な睡眠の問題も有意に少ないことが分かった。こうした両群間の差は生後6カ月でピークを迎え、この時点で早期に離乳食を開始した群では睡眠時間が一晩で16.6分(週当たり約2時間)長く、夜間に目覚める回数は一晩で2.01回から1.74回に減少した。

こうした結果を踏まえて、論文の最終著者である同大学小児アレルギー科教授のGideon Lack氏は「乳児の栄養に関する現行のガイドラインを見直す必要があるだろう」と指摘している。

しかし、早期の離乳食開始の是非については、専門家の間でも意見は分かれるようだ。米ノースウェル・ヘルス・ハンチントン病院のMichael Grosso氏はこの結果について、「乳児の夜泣きは食べ物とは無関係とする説を覆すものだ」と話している。一方、米レノックス・ヒル病院のMeghan Reed氏は、今回の研究には粉ミルクを与えた乳児は対象に含まれていない点などに触れつつ、早期の離乳食開始による有益性が、将来的に子どもに及ぼす悪影響の可能性を上回るかどうかには疑問が残るとの見解を示している。(HealthDay News 2018年7月9日)

https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/infant-and-child-care-health-news-410/want-good-sleep-for-baby-food-may-be-key-735555.html

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1HDN7月19日「パッケージニュース」No.2

米国医師で燃え尽きが蔓延、重大な医療ミスの原因に

米国の6,000人を超える医師を対象に、燃え尽き症候群や疲労感、自殺念慮、職場の安全対策レベル、最近の医療ミスの有無について尋ねた調査の結果、半数以上の医師に燃え尽き症候群の症状がみられ、そのような医師は医療ミスを犯しやすいことが明らかになった。調査は米スタンフォード大学医学部のDaniel Tawfik氏らが行ったもので、医師の10人に1人は過去3カ月以内に重大な医療ミスを1回以上起こしていることも明らかになった。詳細は「Mayo Clinic Proceedings」7月9日オンライン版に掲載された。

Tawfik氏によると、これまでの研究で医師の燃え尽き症候群は、薬の投与量や種類の間違い、臨床検査の過不足、患者の転倒や感染症、早期死亡に関与することが報告されている。過去の報告をまとめると、米国では年間10万~20万人の死亡例が医療ミスに関連しており、医師の2~3人に1人が燃え尽き症候群を経験しているとされている。

Tawfik氏らは今回、医師の燃え尽き症候群と職場の安全対策が医療ミスの危険性に及ぼす影響を調べるため、2014年8月から10月にかけて臨床現場で働く医師6,695人を対象にオンライン調査を実施した。

その結果、有効な回答が得られた医師(6,563人)の3.9%が職場の安全対策は「不十分」または「不備がある」と回答しており、そうした環境では、医療ミスが起こる危険性は3~4倍に上ることが分かった。

また、医師の燃え尽きに関しては職場の安全性の問題よりも深刻で、有効な回答が得られた医師(6,586人)の54.3%が「燃え尽き症候群の症状がある」と回答し、32.8%は過剰な疲労感を、6.5%は自殺念慮の経験を報告していた。

さらに、10人に1人(10.5%)は過去3カ月以内に重大な医療ミスを犯しており、そうした医師ではミスを犯していない医師に比べて燃え尽き症候群や疲労感、自殺念慮の経験を報告した人の割合が高かった。燃え尽き症候群の医師が多い施設では、職場環境が極めて安全と評価されていても医療ミスの危険性は約3倍であった。

論文の筆頭著者であるTawfik氏は今回の結果について、「医師個人の燃え尽き症候群だけでなく、職場の安全対策も重大な医療ミスと独立して強く関連することを示した点で重要だ」と強調する。また、こうした問題には多面的な対策が必要であるとし、「医師は患者のことだけでなく自分自身のケアにも気を配り、勤務時間や事務的な作業の負担を減らすなど、過度なストレスを軽減させるような自己管理を行う必要がある」と話している。

専門家の一人で米チューレーン大学医学部のJoshua Denson氏は「医療ミスの根本原因を見直すことはとても重要だ。また、この問題の解決を医療システムレベルから探ることも必要で、最近では、病院で働く従業員の心身の健康状態を管理する専門の職員を配置する病院も増えてきている」とコメントしている。(HealthDay News 2018年7月9日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/doctor-burnout-widespread-helps-drive-many-medical-errors-735560.html

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1HDN7月19日「パッケージニュース」No.3

パッチ型デバイスで未診断の心房細動を早期発見

不整脈の一つである心房細動は症状が現れないことも多く、見逃されやすい。こうした中、胸部に装着するパッチ型のウェアラブルデバイスで心電図(ECG)モニタリングを行うと未診断の心房細動の早期発見につながることが、米スクリプス・トランスレーショナル科学研究所(STSI)デジタルメディシン部門のSteven Steinhubl氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」7月10日号に掲載された。

このウェアラブルデバイスは、iRhythm社が製造した「Zio XTワイヤレスパッチ」と呼ばれるもの。経皮的にECGデータのモニタリングを行うことで不整脈の徴候を捉えることができる。Steinhubl氏らによれば、今回、このデバイスを使用した患者では、通常ケアを受けた患者と比べて心房細動の新規診断率が約3倍に向上することが示されたという。

この研究は、Janssen Pharmaceuticals社と米国立衛生研究所(NIH)の助成を受けて実施された。まず、心房細動のリスク因子を有する2,659人(平均年齢72.4歳、女性38.6%)を対象としたランダム化比較試験(RCT)を実施し、さらにRCTでウェアラブルデバイスによる積極的なモニタリングを行った1,738人(積極的モニタリング群)と、同じ医療保険プランに加入する年齢や性、CHA2DS2-VAScスコアを一致させた通常ケアのみを行う3,476人(対照群)を対象とした前向き観察研究を実施した。

RCTでは、対象者を試験登録から最長で4週間にわたって自宅でウェアラブルデバイスを用いたECGモニタリングを行う群(早期開始群)と試験登録から4カ月後にデバイスの使用を開始する群(遅延開始群)にランダムに割り付けた。その結果、試験開始から4カ月後までに心房細動と新規に診断された患者の割合は遅延開始群の0.9%に対して早期開始群では3.9%であった。

また、観察研究の結果、1年後までの心房細動の新規診断率(100人年当たり)は、対照群の2.6件に対して積極的モニタリング群では6.7件と高かった。さらに、対照群と比べて積極的モニタリング群では抗凝固薬の使用を開始した患者の割合が高く、循環器科やプライマリケア医の受診率が高かった。一方、心房細動に関連した救急科の受診および入院の頻度は両群間で差はみられなかった。

Steinhubl氏は、同研究所のプレスリリースで「心房細動は脳卒中リスクを高めるため、できるだけ早期に発見することが重要だ」と強調する。今回の研究には関与していない米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏も「心房細動を動悸や失神、脳卒中が起こる前の段階で見つけることで、未診断の心房細動に起因した脳卒中のリスクを低減できる」としている。

一方、米スタテン・アイランド大学病院のMarcin Kowalski氏は「Zio XT パッチのようなデバイスの登場は、医療の質の向上に寄与する可能性がある」とした上で、情報量の増大により医療システムや医療従事者の負担が増えるという新しい課題がもたらされる可能性を指摘している。(HealthDay News 2018年7月10日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/atrial-fibrillation-959/wearable-at-home-patch-could-spot-your-a-fib-early-735599.html

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1HDN7月19日「パッケージニュース」No.4

卵子凍結の理由は「キャリア」ではなく「パートナーの問題」?

女性が卵子の凍結保存を選ぶ理由は、必ずしもキャリアのためではないことが、米イェール大学人類学教授のMarcia Inhorn氏らが実施した調査から明らかになった。米国などの不妊治療クリニックで卵子凍結の処置を受けた女性150人を対象としたこの調査では、キャリアのために卵子凍結を選んだ女性は極めて少なく、パートナーがいないか、パートナーがいても安定した関係にないために卵子凍結を決断した女性がほとんどを占めていたことが分かった。この調査結果は、欧州ヒト生殖医学会(ESHRE 2018、7月1~4日、スペイン・バルセロナ)で発表された。

Inhorn氏らは今回、米国とイスラエルの不妊治療クリニックで凍結保存のために卵子を採取した29~42歳の女性150人(米国114人、イスラエル36人)を対象に、聞き取り調査を実施した。このうち73%を35~39歳の女性が占めていた。

その結果、対象者の85%にはパートナーがいなかった。こうした女性にはもともと独身だった女性のほか、離婚や恋人と別れた女性、シングルマザーを選んだ女性などが含まれていた。しかし、パートナーのいない女性のうち、キャリア計画を理由に卵子の凍結を選んだ女性はほとんどいなかった。

一方、残る15%にはパートナーがいたが、それでも卵子の凍結を選択した理由には、「子どもを持つことにパートナーが同意しなかった」「パートナーとの関係が安定していなかった」などが挙げられた。

この調査結果を踏まえ、「女性はキャリアを優先したいという身勝手な理由で卵子の凍結保存を選択している、という見方は誤っている」とInhorn氏は指摘する。また、卵子凍結を選んだ女性のほとんどは仕事で成功を収めていたが、男性との真剣な交際を望んでいるにもかかわらず実現できていなかった。そのため、同氏は「キャリアよりもパートナーシップの問題の方が、女性に卵子凍結の選択を迫る主な要因になっているのではないか」と説明している。

なお、米国では2013年に実施された卵子凍結は約5,000件だったが、2018年には7万6,000件に達すると予測されている。凍結する卵子の採取に必要な費用は1周期当たり5,000~1万5,000ドル(約56万~170万円)で、このほかに薬剤費が2,000~6,000ドル(約23万~68万)、凍結した卵子の保存に年間500~1,000ドル(約5万6,000~11万3,000円;採取後1年以降)かかるとみられている。

凍結保存のために採取すべき卵子の数は明確にされていないが、Inhorn氏とともに調査を実施した同大学のPasquale Patrizio氏は、これまでのデータに基づき35歳未満の女性は10~12個、35歳以上の女性は妊娠する確率を高めるために約20個の卵子の凍結を勧めているという。

専門家の一人で米ノースウェル・ヘルス・ファーティリティーのTomer Singer氏は、今回の調査結果は実臨床での経験と一致するとした上で、「パートナーを見つけられない女性や、現在のパートナーとの関係にあまり満足していない女性は少なくない。彼女たちは『すぐに理想の男性が現れる』とは考えず、バックアップのための選択肢として卵子の凍結保存を選んでいるのではないか」と話している。なお、学会で発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年7月10日)

https://consumer.healthday.com/pregnancy-information-29/pregnancy-news-543/it-s-men-not-careers-that-drive-women-to-freeze-their-eggs-735559.html

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1HDN7月17日「パッケージニュース」No.1

米国人が補聴器を使わない理由

米国では、耳が聞こえづらくなっても、高価だからという理由で補聴器を使わない人が多いことが、新たな研究で明らかになった。補聴器を装着するのを恥ずかしいと感じる人も多かったという。「The Gerontologist」5月21日オンライン版に掲載された論文の筆頭著者で米ミシガン大学家庭医学のMichael McKee氏は「理由が何であれ、聴力の低下(難聴)をそのまま放置すると心理面や身体面、認知機能に大きな影響を及ぼし、失業にもつながりやすい」とその影響力の大きさを指摘している。

McKee氏らは今回、米国の健康と退職に関する調査(Health and Retirement Study;HRS)に参加した聴力の低下がみられる55歳以上の男女3万5,572人を対象に、補聴器の使用実態を調べた。このうち21人では対面調査を実施して詳しく話を聞いた。

その結果、全ての対象者のうち、補聴器を使用している人は約3分の1にとどまっていた。80歳代では57%が補聴器を使用していたが、50歳代後半では15%に過ぎなかった。また、補聴器を使わない理由には、「費用が高い」「保険が適用されない」「見栄や恥ずかしさ」といった回答のほかにも、「かかりつけ医の関心が薄い」「信頼できる聴覚訓練士がいない」などが挙げられた。

補聴器の使用率には人種差もみられ、白人(40%)に比べて黒人(18%)やヒスパニック系(21%)で低かった。また、大学教育を受けた人では45%以上が補聴器を使用していたが、高校を卒業していない人では29%に満たなかった。さらに、所得が最も低い層では、最も高い層に比べて補聴器の使用率は4分の1程度と低かった。一方で、退役軍人では補聴器を購入する際に補助が出る場合が多いことが影響したのか、55~64歳における補聴器の使用率は退役軍人でない人の2倍に上っていた。

米国では、補聴器の自己負担額は2,000~7,000ドル(約23万~79万円)であり、メディケア(65歳以上の人や身体障害者などを対象とする公的医療保険制度)を始めとするほとんどの医療保険は適用されていない。なお、米国では、聴力の低下がみられる人の割合は50歳代では30%ほどだが、60歳代では45%、70歳代では70%、80歳代では90%と加齢に伴って上昇するとされている。

米国聴覚学会(AAA)会長のJackie Clark氏は、専門家の立場から「補聴器の使用を阻む障壁は、費用だけではない」と指摘。その理由は複雑で、米国社会の文化的背景も影響しているのではとの見方を示す。また、同氏によれば、聴覚の研究は第二次世界大戦後、多くの退役軍人が爆弾の影響で聴力障害を負って帰還したのが始まりで、その歴史は比較的浅いという。同氏は「補聴器が広く受け入れられるためには保険で費用をカバーするほかに、補聴器の有用性について広く理解してもらうことが重要だ」と強調し、有名人が装着する姿を見せることも、補聴器は格好悪いものではないことをアピールする一つの手段になるのではないかと話している。(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/hearing-aid-news-350/cost-keeps-many-americans-from-getting-hearing-aids-735320.html

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1HDN7月17日「パッケージニュース」No.2

屋外作業時は「体感温度30度未満」でも熱中症に注意

屋外で長時間の作業に従事する人は、熱指数(Heat Index)が華氏85度(摂氏29.4度)程度であっても熱中症で死に至る可能性のあることが、米国労働安全衛生局(OSHA)のAaron Tustin氏らによる研究で明らかになった。同氏らが屋外作業中に熱中症になった25症例を検討したところ、死亡した14例中6例は作業時の熱指数が華氏91度(摂氏32.8度)未満であったことが分かった。詳細は、米疾病対策センター(CDC)発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」7月6日号に掲載された。

この研究でTustin氏らは、2011~2016年に屋外での勤務中に発生した熱中症の25症例に着目。このうち14例が死亡した。それぞれの症例について、熱中症のリスク因子の保有状況や熱への順化度(暑い作業環境に身体が適応できていたかどうか)、仕事量や作業負荷、服装について詳しく調べた。

その結果、25例中12例が肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、降圧薬や利尿薬などの特定の薬剤や違法薬物の使用といった熱中症のリスク因子を一つ以上保有していたことが分かった。専門家によると、降圧薬や利尿薬は身体の体液バランスに影響し、猛暑時には脱水リスクを高める可能性があるという。

また、発症当時には死亡した14例中13例は中等度以上の負荷がかかる作業を行っていた。服装をみると、25例中4例は通気性の悪い厚手の服を着用していた。さらに、25症例全体では、発症時の熱指数の中央値は華氏91度(摂氏33.3度)であったが、その幅には華氏83度(28.3度)から華氏110度(43.3度)までばらつきがみられた。

なお、今回の研究では、熱中症予防の目安として広く用いられている暑さ指標(WBGT:気温と湿度、風速、輻射熱を考慮して数値化したもの)ではなく、温度と相対湿度から算出する体感温度である熱指数が用いられた。なお、熱中症は、特に身体が高い気温に慣れていない梅雨から夏の初めの頃が特に危険で、注意する必要があるという。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院救急科のRobert Glatter氏は、数多くの熱中症患者の診療に当たった経験から、「熱中症は救急搬送が必要な危険な状態だ」と強調する。熱中症になると40度(摂氏)以上の高熱や意識障害、大量の発汗などがみられるようになる。応急処置として涼しい場所に移し、氷水をかけるなどで身体を冷やし、体温を下げることが重要になるという。

Glatter氏は、夏場に屋外で作業するときは厚着を避けて吸湿性や通気性のよい素材の服を選び、こまめに水分補給をすることを強く勧めている。水分補給時には塩分を含んだ経口補水液などを摂取し、脱水をもたらすカフェインの過剰摂取は避ける必要があるとしている。その他の注意点は以下のとおり。

・気温と湿度の上昇をモニター(監視)し、予防策を講じる責任者を決める。
・作業を始める前に、高温多湿の作業環境に作業者の身体を慣れさせる。熱中症のリスク因子がある人には特に注意を払う。
・日陰や冷房の効いた場所でこまめに休憩する。
・水分や電解質を補給できる飲み物を準備する。
(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/heat-and-sunstroke-health-news-370/as-temperatures-soar-study-warns-of-fatal-heat-stroke-at-work-735513.html

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1HDN7月17日「パッケージニュース」No.3

子宮頸がん検診はHPV検査単独でも可能か?

この50年にわたって子宮頸がん検診で実施されてきた細胞診(パップテスト)が、過去の検査法になる日は近いかもしれない―。ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のGina Ogilvie氏らの研究から、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査は単独でも細胞診に比べて、子宮頸部の前がん病変の検出に優れる可能性のあることが示された。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」7月3日オンライン版に発表された。

Ogilvie氏らは今回、HPV検査単独による子宮頸がん検診の有用性を検討するため、2008~2012年に登録した、過去5年以内に中等度異形性(CIN2)以上の病変が発見されておらず、浸潤性子宮頸がんの既往歴もない25~65歳の女性19万9人(平均年齢45歳)を対象に、ランダム化比較試験(RCT)を実施した。対象女性をHPV検査群(9,552人)または細胞診群(対照群、9,457人)にランダムに割り付けて2016年12月まで追跡した。

HPV検査群では、最初のHPV検査で陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。細胞診群では、最初の細胞診で陰性だった場合には24カ月後に再び細胞診を実施。その時点でも陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。

その結果、48カ月後の時点で組織学的に確認された前がん病変(CIN3以上およびCIN2以上)の数は、細胞診群と比べてHPV検査群で有意に少なかった。CIN3以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)は、細胞診群の5.5件に対してHPV検査群では2.3件であり、CIN2以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)も細胞診群の10.6件に対してHPV検査群では5.0件と有意に低かった。

以上の結果を踏まえて、Ogilvie氏は「今後、子宮頸がん検診はHPV検査が細胞診に取って代わる可能性がある」と話す。ただし、若い女性の多くは既にHPVに感染している可能性が高く、HPV検査により不要な治療が増えることが予想されるため、25歳未満の女性には細胞診が標準的な検査法となるのではとの見方を示している。

なお、子宮頸がん検診に関しては、米国産科婦人科学会(ACOG)は、21~29歳の女性には細胞診を3年ごと、30~65歳の女性には細胞診とHPV検査を5年ごと、あるいは細胞診を3年ごとに受けることを推奨している。一方、米国予防医療作業部会(USPSTF)は、2017年に公表した勧告の草案で29~65歳の女性には3年ごとに細胞診のみ、または5年ごとにHPV検査のみを受けることを勧めており、「細胞診の代わりにHPV検査を実施しても良い」とする見解を示している。

細胞診に代わってHPV検査を導入することについては、専門家の間でも意見が分かれている。米ワシントン大学医学部産婦人科学教授のStewart Massad氏は、同誌の付随論評で、Ogilvie氏らの研究を踏まえてガイドラインにおけるHPV検査の位置付けが高まると予測する。一方、米ニューヨーク・プレスビテリアン/コロンビア大学医療センターのJason Wright氏は、たった1件の研究結果で判断するのは時期尚早だとし、慎重な姿勢を示している。(HealthDay News 2018年7月3日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cervical-cancer-news-95/is-the-pap-smear-on-the-way-out-735448.html

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1HDN7月17日「パッケージニュース」No.4

アルツハイマー病の進行抑制にアスピリンが有効か

アスピリンを服用するとアルツハイマー病の進行を抑制できる可能性のあることが、米ラッシュ医科大学神経学のKalipada Pahan氏らのマウスを用いた実験で示唆された。アルツハイマー病には脳内のアミロイドβ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の蓄積が関与していると考えられているが、低用量アスピリンは脳内に蓄積したAβの除去に役立つ可能性があることが示されたという。研究の詳細は「The Journal of Neuroscience」7月2日オンライン版に掲載された。

アルツハイマー病の原因はいまだ解明されていないが、毒性があるAβが脳内に蓄積してアミロイドプラークを形成することがその一因と考えられている。そのため、アルツハイマー病の進行を遅らせるための手段として、脳内のAβ除去を担う細胞機構を活性化させる方法が注目されている。

Pahan氏らはまず、マウスの脳細胞を用いた実験で、アスピリンはPPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプター)αと呼ばれる遺伝子発現の調節因子を活性化することで、脳内のAβ除去に重要な調整役(マスターレギュレーター)を担う転写因子EB(TFEB)の発現量を増やし、Aβ除去に関わるリソソームの合成を高めることを突き止めた。

さらに、アルツハイマー病のモデルマウスに低用量アスピリンを1カ月にわたり経口投与して調べた結果、アスピリンはPPARαを介した作用によりアミロイドプラークの除去に働くことが分かったという。

以上の結果を踏まえ、Pahan氏は「世界で最も汎用されている一般用医薬品の一つであるアスピリンには、鎮痛や心血管疾患予防以外にもアルツハイマー病などの認知症に関連した疾患への新たな治療効果が期待できる可能性が示された」と結論づけている。

動物実験の結果は必ずしもヒトで応用できるわけではなく、Pahan氏もアスピリンの認知症への治療効果についてはさらなる研究が必要であることを強調している。しかし、同氏は「今回の研究によってアミロイドプラークが除去される機序の解明を進めることができた。このことは、アルツハイマー病の進行を抑制する薬剤を開発する上で重要だ」と話している。

米国では65歳以上の男女の10人中1人がアルツハイマー病患者だとする推定もある。アルツハイマー病の治療薬として米食品医薬品局(FDA)に承認されている薬剤は数種類しかなく、これらの薬剤の効果も限定的なのが現状である。(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/could-aspirin-help-keep-alzheimer-s-away-735510.html

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1HDN7月12日「パッケージニュース」No.1

コーヒーによる寿命の延長効果は1日何杯まで?

コーヒーにはさまざまな健康効果が報告されているが、1日に何杯飲むべきなのかという問いに、いまだ答えは得られていない。今回、新たな研究で、コーヒーの摂取量が多い人は早期死亡リスクが低下し、この効果は1日8杯以上のコーヒーを飲む人でも認められることが分かった。また、こうしたコーヒー摂取による寿命の延長効果は、カフェインの有無にかかわらず認められたという。詳細は「JAMA Internal Medicine」7月2日オンライン版に掲載された。

この研究は、米国立がん研究所(NCI)のErikka Loftfield氏らが行ったもの。同氏らは、英国の地域住民を対象とした大規模なコホート研究である英国バイオバンクに参加した成人49万8,134人(平均年齢57歳、女性54%)を対象に、2006年から2016年まで追跡してコーヒーの摂取量と死亡率との関連を調べた。なお、対象者の78%にはコーヒーを飲む習慣があった。

10年以上の追跡期間中に1万4,225人が死亡した。解析の結果、コーヒーの摂取量が多いと全死亡リスクは低下することが分かった。コーヒーを全く飲まない人に比べて、1日8杯以上飲む人は、追跡期間中に死亡するリスクが14%低く、1日6~7杯飲む人はリスクが16%低かった。一方で、1日1杯以下の人では全死亡リスクの低下は6~8%にとどまっていた。

また、コーヒーの摂取による寿命の延長効果は、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーだけでなく、カフェインレスコーヒーでも同様に認められた。さらに、カフェインの代謝に関係する遺伝子多型の違い(カフェインの分解が遅いため多くは飲めない人、あるいは代謝が速く多く飲める人)で効果に差はみられなかった。

このことから、Loftfield氏は「コーヒーにはカリウムや葉酸をはじめ、身体に影響を及ぼす化学物質が1,000種類以上含まれている。今回示されたコーヒー摂取による早期死亡の抑制効果は、カフェイン以外の成分によるものである可能性が高い」と説明している。また、この結果はコーヒー好きには朗報だが、コーヒーを飲まない人が寿命が延びることを期待して、わざわざ飲み始める必要はないと付け加えている。

米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの栄養士であるSamantha Heller氏は「多くの植物性食品と同様に、コーヒー豆にはポリフェノールが豊富に含まれている。ポリフェノールには抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用があるほか、血圧や血糖値を下げることが知られている」と指摘している。また、同氏によれば、野菜や果物、豆類などが豊富な食事を取る人は、がんや肥満、糖尿病、認知症、心疾患、うつ病などの慢性疾患になるリスクが低いことが分かっているという。

Heller氏は、コーヒーの摂取は健康に良い習慣の一つになり得るとしながらも、「コーヒーを飲めば、不健康な食習慣や喫煙などによる健康への悪影響を打ち消せるものではない。人によっては、コーヒー中のカフェインは身体に良くないこともある」と話している。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/can-coffee-extend-your-life-735404.html

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1HDN7月12日「パッケージニュース」No.2

休暇のリフレッシュ効果は長続きしない

多くの働く人にとって、休暇を取ることは仕事のストレスから解放され、活力を回復するのに有効な手段だ。しかし、米国心理学会(APA)が6月27日に発表した「仕事と幸福感に関する調査(Work and Well Being Survey)2018」によると、労働者の6割以上はこうした休暇によるリフレッシュ効果は、仕事に戻って数日以内に消え去ってしまうと感じていることが分かった。

この調査は、APAが調査会社のHarris Poll社に委託し、2月15日~3月1日にかけて、米国在住のフルタイムやパートタイムなどで働く成人1,512人を対象にオンライン調査を実施したもの。

調査の結果、労働者の多くは休暇を終えて仕事に戻った時点で、休暇によりポジティブな効果を得られていた。例えば、「前向きな気分になれた(68%)」「活力に回復した(66%)」「やる気が向上した(57%)」「ストレスが軽減した(57%)」といった気持ちの変化に加えて、「生産性が向上した(58%)」「仕事の質が向上した(55%)」などの回答もみられた。

一方で、休暇によるこれらの効果は長続きしないことも分かった。仕事に復帰すると、回答者の40%は「数日以内に」、24%は「復帰後すぐに」効果は消え去ったと回答していた。また、「休暇中も緊張やストレスを感じていた(21%)」「予定よりも多くの時間を仕事に割いた(28%)」「仕事に戻るのが憂うつだと感じた(42%)」などの回答もみられ、一部の人は休暇中も仕事が原因でリラックスできていないことも分かった。

APAのDavid Ballard氏は「仕事のストレスから回復し、燃え尽きを防ぐためにも休暇を取る必要がある。しかし、たまの休暇で仕事のストレスが相殺される訳ではない。ストレスの要因を突き止めて対処し、普段からストレスの管理を行っていないと、せっかく休暇を取ってもその効果はすぐに消え去ってしまうだろう」と話している。

さらに、調査では、自分の会社が従業員に休暇を取ることを奨励していると回答した人の割合は41%にとどまっていた。休暇を奨励する会社の従業員は、そうでない会社の従業員に比べて、仕事に戻った時点で「やる気が向上した(71%対45%)」「生産性が向上した(73%対47%)」と回答する割合が高かった。

なお、ストレスの原因には「給料が安い(49%)」「成長や昇進の機会がない(46%)」「仕事量が多い(42%)」などが挙げられていた。一方、「会社が十分なメンタルヘルス対策を講じている」とした回答者は半数にとどまっていた。

これらの結果から、Ballard氏は「米国の労働者の3分の1以上が慢性的に仕事のストレスを抱えているにもかかわらず、ストレス管理の支援を行う会社は約4割にとどまるとの結果も得られた。働く人々が直面しているこれらの問題にすぐに対処するべきだ」と話している。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/stress-health-news-640/vacation-bliss-doesn-t-linger-for-tired-stressed-out-workers-735245.html

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