1-1 HDN3月23日「今日のニュース」No.1

医師によりかける医療費に差、患者転帰には差なし

入院時に医師が多数の、あるいは高額の検査や処置を指示することが、必ずしも良質な医療になるとは限らないことが新たな研究で示唆され、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に3月13日掲載された。医療費を多くかける医師により治療を受けた患者で、他の患者と比べて再入院率や死亡率に差はみられなかったという。「医療費が多ければ経過が良好というわけではなかった」と、研究の上席著者である米ハーバード大学医学部のAnupam Jena氏は述べている。

米国では医療費に地域間や病院間で大きなばらつきがあることは知られていたが、同じ病院内での医師による医療費の差と患者転帰について評価したのは、今回の分析が初めてだという。病棟医(入院患者を専門に治療する医師)の間で、入院1件あたりの補正支出の平均には最も高い医師と低い医師で40%を超える差がみられた。

医師間の支出差をもたらしている原因は完全にはわかっていない。研究著者で米ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生学部(ボストン)の研究員であるYusuke Tsugawa氏は、「偶然の可能性もあるが、経験の少ない医師が、経験不足を埋めるために多数の検査や画像診断を指示している可能性もある」と説明している。無駄な支出がどのくらい発生しているかは不明だが、ウイルス感染症に対する抗生物質の処方や慢性腰痛に対するMRI検査など、「価値の低い」サービスを洗い出すことが重要だと同氏は話す。

今回の研究では、65歳以上のメディケア加入患者のうち非待機的入院症例を無作為に抽出し、医師ごとの平均医療費を調べた。2011年と2012年のデータから医療費を算出し、2013年と2014年の患者転帰に当てはめた。なお、比較の際に異なる期間を用いたのは、医師がある年に診た患者の重症度が、医療費の推定額に直接的に影響しないようにするためだという。

その結果、単一の病院内での医師間の支出差は8.4%と考えられ、病院間の支出差の7%よりも大きいことが判明した。一方、医療費の高さは転帰の向上にはつながらず、医療の質を示す主な指標である30日以内の再入院率と死亡率のいずれにも差は認められなかった。

著者らは、無駄な医療費を削減するには、病院だけでなく医師を対象とした対策が有効との考えを示している。メディケアでは2019年から、医師の実施した医療の費用対効果により報酬を支払うとしており、病院に対しては疾患ごとの包括払い制度の導入も検討されている。米国の医療費専門家である米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルチモア)教授のGerard Anderson氏は、著者らの見解に同意し、医師による医療費全体を見直すべき時期に来ていると指摘している。(HealthDay News 2017年3月13日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/health-cost-news-348/higher-spending-by-docs-may-not-buy-better-health-720601.html

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visit mother and child to the doctor pediatrician

小児の軽症湿疹では抗生物質を避けるべき

小児にみられる軽症の湿疹に対して抗生物質が広く使用されているが、実際には効果がないことが、新たな研究で判明した。

この知見について、米ノースウェル・ヘルス、ハンチントン病院(ニューヨーク州ハンチントン)のMichael Grosso氏は、「非常に重要な結果である。これは医学においてよくある状況の好例である。特定の“理にかなった”治療が一般的になり、いわゆる“標準治療”となった後、結局は無効であることが科学的研究で明らかにされた」と説明する。

湿疹は、皮膚の一部に免疫反応による炎症、赤み、かゆみを生じる状態であり、小児にも成人にもみられる。米ノーザン・ウェストチェスター病院(ニューヨーク州マウントキスコ)のCraig Osleeb氏によると、湿疹のある小児の皮膚には過剰な細菌のコロニー形成がみられ、それが感染症や炎症を引き起こすことにより症状を悪化させる可能性があるため、抗生物質が用いられることが多いという。しかし、抗生物質の過剰使用は危険な耐性菌の感染につながる可能性があるうえに、これまでの研究では効果が裏づけられていない。

英カーディフ大学(ウェールズ)のNick Francis氏らによる今回の研究では、この議論を収束させるべく、重篤でない感染性湿疹の小児113人を無作為に3つの群のいずれかに割り付けた。抗生物質の錠剤とプラセボクリームを使用する群、プラセボ錠剤と抗生物質クリームを使用する群、プラセボ錠剤とプラセボクリームを使用する群(対照群)の3つである。

2週間後、4週間後、3カ月後の経過を確認した結果、湿疹の症状緩和に対して3群の間に有意差は認められなかった。

この知見から、抗生物質は錠剤、クリームのいずれの形で投与しても、重症でない感染性湿疹の小児にベネフィットはないことが示唆され、その使用が抗生物質への耐性や皮膚の感作性を促進する可能性もあると、研究グループは指摘している。しかし、今回の研究は比較的軽症の小児にのみ焦点を当てたものであり、重症例には適用できない可能性があるとFrancis氏らは認めている。Osleeb氏もこれに同意し、中等症から重症の湿疹には抗生物質が有用である可能性を否定できないとしている。

この研究結果は「Annals of Family Medicine」3月/4月号に掲載された。(HealthDay News 2017年3月14日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/eczema-news-618/skip-the-antibiotics-for-mild-eczema-in-kids-720482.html

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man on scale

肥満の人は心疾患の発症年齢が早い

過体重および肥満の人は、適正体重の人に比べて心疾患を発症する時期が早いことが、新たな研究で示された。

この研究によると、太っている人の寿命は、正常体重の人と同程度またはやや短い程度であった。しかし一方で、心疾患の発症年齢は、正常体重の人に比べて過体重の中年女性では1.8年、肥満の女性では4.3年早かった。肥満の中年男性では3.1年早く、過体重の男性では正常体重の人との差はみられなかった。

研究を率いた米ノースウエスタン大学フェインバーグ医学部(シカゴ)のSadiya Khan氏は、「太っていても寿命は変わらない。差が出るのは心血管疾患を抱えて生きる期間の長さである」と指摘する。

今回の研究では、10件の研究プロジェクトの被験者7万3,000人弱(平均年齢55歳)のデータを統合した。いずれの被験者も登録時点では健康で、心血管疾患はなかった。平均BMIは男性で27.4、女性で27.1であった。BMIは25を超えると過体重、30を超えると肥満とみなされる。追跡期間中、約1万3,450人に心臓の健康問題(心不全、脳卒中、心疾患の診断のいずれか)が生じた。

BMIが正常範囲内の人に比べて、過体重および肥満の人は生涯の心疾患発症リスクが高かった。たとえば、過体重の中年女性は生涯に心疾患を発症するリスクが正常体重の人よりも32%高く、過体重の男性は21%高かった。肥満の男性は67%、女性は85%高かった。また、BMIが正常範囲内の人は、心疾患を発症せずに生きられる平均期間が長い傾向がみられた。

過体重と肥満の人は「若い年齢で心疾患を発症し、長期間にわたり疾患を抱えて生活しており、冠動脈疾患や心不全などの疾患リスクが高かった」と、Khan氏は述べている。

この研究報告について、米コロラド大学デンバー校アンシュッツ医学部のRobert Eckel氏は、「太っている人では、心筋梗塞や脳卒中を発症すると治療を強化せざるを得なくなるため、それによる恩恵を受けている可能性が高い」とコメントしている。そのため、心血管イベントを発症してからの生存期間は比較的長いかもしれないが、それは危険因子の積極的な治療によるものだと、同氏は指摘している。

この研究は、オレゴン州ポートランドで3月7~10日に開催された米国心臓協会(AHA)のEpidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で3月9日に発表された。学会発表された研究は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年3月9日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/heart-disease-kicks-in-earlier-for-obese-people-720498.html

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4.1.1

中年期の起立性低血圧が後の認知症リスクに関連

立ち上がるときに一時的な血圧低下によるめまいが起こる中年成人は、後に認知症になるリスクが高い可能性のあることが、新たな研究で示唆された。このような急激な低血圧発作は起立性低血圧と呼ばれ、これにより脳への血流が低下し、持続的な障害が残る可能性があると、米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究グループは報告している。

今回の研究では、成人1万1,500人以上(平均年齢54歳)を20年以上追跡し、そのデータを分析。追跡開始時に起立性低血圧のあった人は、それ以外の人に比べて認知症を発症するリスクが40%高かった。また、認知機能低下のリスクも15%高いことがわかった。ただし、今回の研究では因果関係は明らかにされていない。

「発作は一時的なものだが、長期的な影響をもたらす可能性がある」と、研究を率いた同大学疫学部のAndreea Rawlings氏は述べ、「これは重大な所見であり、何が起こっているのかをもっとよく理解する必要がある」と付け加えている。起立性低血圧が他の基礎疾患の徴候であるのか、それとも血圧低下そのものが認知機能低下の原因となっているのかは不明であると、研究グループは話す。

「認知機能の低下と認知症の危険因子を特定することは、疾患の進行を理解するために重要なことであり、最も危険な因子を特定できれば予防や介入措置の戦略に役立つ可能性がある。これは研究を進める価値のある因子の1つである」と、Rawlings氏は述べている。

この知見は、オレゴン州ポートランドで3月7~10日に開催された米国心臓協会(AHA)のEpidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で3月10日に発表された。学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。

米国では400万~500万人が認知症に罹患していると推定され、その数は人口の高齢化とともに増加することが予想されると、研究著者らは指摘している。(HealthDay News 2017年3月10日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/dizziness-and-vertigo-news-205/dizzy-spells-in-middle-age-tied-to-dementia-risk-later-720487.html

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Organic Raw Soy Tofu on a Background

乳がん経験者は大豆を食べても安全、むしろ有益?

乳がん患者の大豆摂取の是非については長年議論されているが、6,200人を超える乳がん生存者を対象とした研究で、大豆を多く食べている人は10年間の追跡期間中の全死因死亡率が低いことが明らかにされた。

研究を率いた米タフツ大学フリードマン栄養科学政策学部(ボストン)助教授のFang Fang Zhang氏によると、「乳がんと診断された人が大豆を食べても、死亡率には悪影響をもたらさないようだ。大豆摂取量が最も高い群は、最も低い群に比べて死亡リスクが21%低かった」という。この研究は「Cancer」オンライン版に3月6日掲載された。

大豆には女性ホルモンであるエストロゲンに似たイソフラボンという物質が含まれている。そして、乳がんのなかでも特に多いホルモン受容体陽性乳がんでは、エストロゲン値が高いとがん細胞の増殖が促進されると考えられている。しかし、付随論説を執筆した米エモリー大学ウィンスロップがん研究所(アトランタ)のOmer Kucuk氏は、「今回の新たな研究により議論は収束するはずだ」と述べ、乳がんの女性は安心して大豆や大豆製品を食べてよいと付け加えている。

今回の研究の対象者は、1995年に開始された乳がん患者家族登録(BCFR)に登録された患者。研究開始時の平均年齢は52歳で、追跡期間中に1,200人強が死亡した。対象者全員の食事データを追跡し、一部の対象者では乳がん診断前の食事データも収集した。

その結果、大豆摂取量が多いほど乳がん診断後の生存期間が長いことがわかった。大豆による恩恵が特に強かったのは、ホルモン受容体が陽性ではない女性(追跡期間中の全死因死亡リスクが50%減)および乳がん治療としてホルモン療法を受けたことのない女性(同32%減)であった。

大豆を最も食べない群の女性は、1日の大豆イソフラボン摂取量が0.3mg未満であったのに対し、最もよく食べていた群では1.5mg以上であった。多くの女性は1日1.5mg以上摂取しており、平均摂取量は1.8mgであった。イソフラボン1.8mgは、週に約0.5~1サービングの大豆食品に相当するという。

大豆が乳がんによる死亡を抑制する理由について、著者らは、イソフラボンががん細胞に結合することにより、エストロゲンの影響を防いでいるのではないかと推測している。あるいは、大豆の成分ががんに栄養を送る血管の増殖を抑えている可能性もあるという。Kucuk氏は、米国人は一般的に大豆摂取量が少ないため摂りすぎを心配する必要はなく、アジア諸国では1日20~25mg摂取することも珍しくないと指摘している。(HealthDay News 2017年3月7日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/soy-safe-even-protective-for-breast-cancer-survivors-720402.html

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Fitness people using smart watch. Women runner getting ready for jogging. Sport, active lifestyle concept

リストバンド型活動量計は心拍数の測定に適さない場合も

「Fitbit」などのリストバンド型デバイスでは心拍数も測定できるとされているが、特定の運動時には精度が低下する可能性のあることが、新たな研究で示唆された。

研究著者である米クリーブランド・クリニックのMarc Gillinov氏は、「マラソンをする人や、心疾患のために医師から心拍数の上限を定められている人など、運動時の心拍数を正確に測定する必要がある場合、リストバンド型の精度は従来のチェストベルト型に劣っている」と話す。

リストバンド型デバイスを4誘導心電図(EKG)およびチェストベルト型心拍計(EKGと同様に心臓の電気活動を測定する)と比較した結果、リストバンド型では、運動の種類によっては1分あたりの心拍数に最大34拍の誤差がみられた。実際の心拍数より多いこともあれば少ないこともあったと、Gillinov氏は言う。

今回の研究では、平均年齢38歳のボランティア50人を対象に、よく使用される4種類のリストバンド型活動量計(Apple Watch、Fitbit Blaze、Garmin Forerunner 235、TomTom Spark Cardio)を試験した。安静時のほか、トレッドミル、エアロバイク、クロストレーナーを用いた軽度、中等度、高強度の運動を18分間行った後に心拍数を測定した。

その結果、チェストベルト型の数値はEKGとほぼ同じであったのに対し、リストバンド型ではエアロバイクとクロストレーナーの使用時に相当の誤差がみられることがわかった。

Fitbitの製造元はこの知見に対し、「Fitbitは医療機器としての使用を意図したものではない。簡単に快適に日常生活に取り入れることができ、数日は充電なしで持続的に心拍数を測定できることが特徴である」と反論している。同社の社内試験では、ボランティア60人を対象にさまざまな運動時の心拍数を測定した結果、平均誤差は6%未満であったと、同社は付け加えている。

今回検討した製品のなかではApple Watchが最も精度が高く、顕著な誤差がみられたのはクロストレーナーをアームレバーを伴って使用した場合のみであった。製品により差はあるが、全体としてはトレッドミルで軽度の運動をするときが最も誤差が少なく、クロストレーナーを用いた激しい運動では最も精度が低かったと、Gillinov氏は述べている。

この研究は米ワシントンD.C.で3月17~19日に開催される米国心臓病学会(ACC)年次集会で発表される。学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年3月8日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/fitbits-other-trackers-may-be-unfit-to-measure-heart-rate-720442.html

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4.1.1

高悪性度リンパ腫の遺伝子療法で有望性

高悪性度の非ホジキンリンパ腫に対する実験段階の遺伝子療法により、治療不能と思われたがんの3分の1以上を撃退できると、開発元である米Kite Pharma社(カリフォルニア州サンタモニカ)が報告した。

同社によると、通常の治療が効かず、他の選択肢もない極めて重症のリンパ腫患者100人強のうち36%に、1回の治療で6カ月後の寛解が認められたという。全体で5分の4を超える患者に、少なくとも研究の一部期間において半分以上のがん縮小がみられたと、同社は述べている。

米イェール大学がんセンター(コネチカット州)のRoy Herbst氏は、「この治療は驚くべきものであり、非常に有望であると思われる」と述べる一方、効果の持続性を確認するには長期的な追跡が必要だと指摘している。今回の研究によれば、懸念されていた副作用は管理可能であるようだと、同氏は言う。

CAR-T細胞療法と呼ばれるこの治療法は、患者自身の血液細胞にがん細胞を死滅させる能力をもたせるもの。リンパ腫とはリンパ系(免疫系の一部)に発生するがんの総称である。この治療では患者の血液を濾過して、T細胞と呼ばれる免疫細胞を抗がん遺伝子を含むものに変換させた後、静脈内投与により体内に戻す。これにより、患者の身体内でがんを標的とする細胞が増殖する。

この治療法は米国立がん研究所(NCI)が開発し、Kite社にライセンス供与した。AP通信によると現在、同社とNovartis AG社が承認獲得を競っているという。Kite社はこの春にも米国食品医薬品局(FDA)に承認申請し、欧州でも年内に申請予定だという。

ただし、この治療には全くリスクがないわけではなく、2人の患者が治療関連の原因で死亡したとされている。その他の貧血などの副作用は治療可能であり、眠気、錯乱、振戦、発話困難などの神経学的障害は数日で消失したと報告されている。

NCIのSteven Rosenberg氏は、それでもこの治療法は概ね安全であると述べている。費用は明らかにされていないが、免疫系の治療は非常に高額となる傾向がある。今回の結果は、4月に開催される米国がん学会(AACR)会議で発表される予定。査読を受けて医学誌に掲載されるまでは、そのデータや結論は予備的なものとみなす必要がある。(HealthDay News 2017年2月28日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/lymphoma-cancer-news-101/gene-therapy-shows-promise-for-aggressive-lymphoma-720157.html

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「難治性」高血圧患者で薬を処方通り飲んでいる人は2割

高血圧で治療を受けているにもかかわらずコントロールが難しいとされる患者のうち、必要な薬剤をすべて飲んでいる人は20%にとどまることが、オランダの研究で明らかにされた。さらに、20%は降圧薬を全く飲んでいなかったと、研究著者でユトレヒト大学医療センター教授のPeter Blankestijn氏は、米国心臓協会(AHA)のニュースリリースのなかで述べている。

結果として、患者は単に医師の指示に従っていれば対処できたはずの症状で、さらに治療を受けていることが、今回の知見から示された。「治療抵抗性高血圧(3種類以上の薬剤を使用しても血圧が高い状態)だと誤解された患者は、最後には専門医の診察を受け、必要以上の検査を受けることになる。われわれには治療が難しい理由がわからないためである」と、Blankestijn氏は説明する。

今回の研究の目的は、治療抵抗性高血圧の患者が医師の処方に従っているかどうかを明らかにすることではなく、脳と腎臓の間の神経を電波または超音波によって破壊する治療法が、治療抵抗性高血圧に有益かどうかを検討することであった。被験者を、治療群(95人)または薬物療法のみを続ける対照群(44人)のいずれかに無作為に割り付けて検討した結果、この治療法には通常の治療を上回る便益はないとの結論に達した。しかし、重要なことは医師の指示に従うことだと、研究著者らは強調する。

Blankestijn氏は、「他の治療法の価値を評価するうえで、服薬遵守率が大きな影響を及ぼすため、研究者は遵守率を評価し、向上させるための対策を取る必要がある」と説明し、患者が何らかの理由で薬を服用したくない場合は医師に伝える必要があると付け加えている。「必要であれば、錠剤の種類や用量の変更について医師と話し合うこともできる。有効な降圧薬は多数あり、大部分の患者は治療が奏効する」と、同氏は話す。

高血圧になると心筋梗塞、脳卒中などの健康問題のリスクが高まる。今回の研究はオランダで実施されたものだが、その結果は米国の患者にも適用できる可能性が高いと、研究グループは述べている。

この研究は「Hypertension」オンライン版に3月8日掲載された。(HealthDay News 2017年3月6日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/high-blood-pressure-health-news-358/many-people-don-t-take-their-high-blood-pressure-meds-study-720322.html

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4.1.1

多剤耐性菌は排水管からシンクへと「よじ登る」可能性

多剤耐性菌を撃退するには、まず病院内の流し台から対策を始める必要があることが、新たな研究で示唆された。細菌は排水管でコロニーを形成し、徐々にシンクに向かって進むことが判明したという。これは入院患者が多剤耐性菌に曝露しうる経路のひとつであると、研究グループは警告している。

これまでの研究では、入院中の患者が多剤耐性菌感染により死亡していることが明らかにされている。32件を超える研究で、最後の切り札となる抗生物質カルバペネムにも耐性をもつ細菌が、流し台をはじめとする病院内の水の溜まる場所を通して拡大していることが記載されていると、研究著者らは説明する。

研究を率いた米バージニア大学准教授Amy Mathers氏は、「われわれは、どのように伝染が起こるのかをさらに詳しく理解し、感染数を減少させたいと考えた」と述べている。

この問題について調査するため、研究チームは実験室内に同一型の流し台を5つ作製し、大腸菌で汚染させた。この流し台は、同大学シャーロッツビル病院の集中治療室にあるものを再現した。大腸菌はヒトの消化管内に生息し、通常は無害だが、有害な遺伝子を獲得して抗生物質耐性をもつことがある。

大腸菌は排水管内にコロニーを形成した後、排水口のストレーナーに向かって1日1インチ(約2.5cm)のペースでゆっくりと増殖していくことが判明した。菌が排水口に到達するまで1週間を要し、その後はすぐに流しの近くのカウンターなど、周囲にはねて広がることがわかった。この研究は「Applied and Environmental Microbiology」オンライン版に2月24日掲載された。

研究グループは現在、米国疾病管理予防センター(CDC)とともに、流し台の細菌が患者まで到達する経路を正確に突き止める研究に取り組んでいる。「細菌がどのように伝染するかを理解し、それ以上の感染を予防するための介入措置を開発、検証できるようにするためには、この種の基礎的研究が必要である」とMathers氏は説明している。(HealthDay News 2017年2月27日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/bacteria-960/hospital-sinks-may-be-awash-in-superbugs-720071.html

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chemotherapy patient sucking on ice chips

米国で50歳以上の大腸がんの罹患率・死亡率が減少

米国では、50歳以上の大腸がんの罹患率が2000年以降32%減少しており、大腸がんによる死亡数も34%減少していることが、新たな報告により明らかにされた。これは、スクリーニングの受診率が増加し、前がん性ポリープの発見・除去によりがんを予防できるようになったためである可能性が高いと、米国がん協会(ACS)が3月1日に発表した報告書で述べている。

大腸がんの罹患率が最も急速に減少した年齢層は65歳以上で、腫瘍部位では遠位結腸(結腸の最終部)であった。50~64歳および直腸がんは罹患率の低下が緩やかであった。たとえば、50~64歳の男性では直腸がんの罹患率が9%減少し、同年代の女性では減少はみられなかったが、65歳以上の男性では38%、女性では41%の減少がみられた。

米国のどの州でも50歳以上の大腸がん罹患率が減少しているが、2009~2013年に年間5%を超える減少がみられたのは、カリフォルニア州、デラウェア州、メイン州、マサチューセッツ州、ネブラスカ州、ロードアイランド州、サウスダコタ州の7州であった。大腸がん罹患率の高いケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州では減少が緩やかであった。

スクリーニング率が増加するにつれて大腸がん罹患率は低下していた。2013年から2015年までに、スクリーニング受診率は50~64歳では53%から58%に増加し、65歳以上では65%から68%に増加。合わせると59%から63%に増加した。2015年には、人数にして50歳以上の成人370万人がスクリーニングを受けており、この受診率を維持すれば、2030年までに約4万件の大腸がんと3万7,000件の死亡を予防できるという。

一方で、50歳未満の大腸がん罹患率は2000年から2013年までに22%増加した。「Journal of the National Cancer Institute」に2月28日オンライン掲載された報告によると、X世代(1960~1970年代生まれ)およびミレニアル世代(1980年代以降生まれ)に大腸がんの著明な増加がみられるという。この所見が将来的な大腸がん増加の前兆である可能性もあり、肥満の蔓延に対処する必要があると、研究著者らは述べている。

プライマリケア医がこのような傾向を把握し、若い患者でも大腸がんの症状に対応することが重要だと、研究グループは指摘する。大腸がんは米国では3番目に多いがんであり、2017年には結腸がん9万5,500件、直腸がん3万9,900件が新たに診断されると推定されている。(HealthDay News 2017年3月1日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colon-cancer-news-96/colon-cancer-rates-deaths-drop-in-americans-over-50-720218.html

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