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ストレスにより脳が萎縮(2006.08.11掲載)

Image ストレスにより脳細胞が萎縮し、免疫システムの老化が早まるということを示した研究が、ニューオーリンズで開催の米国精神医学会(APA)年次集会で報告された。

米 ロックフェラー大学(ニューヨーク)神経内分泌学研究所のBruce McEwen博士らの研究によると、ラットに繰り返しストレスを与えると、脳のニューロン(神経細胞)の萎縮を示す徴候が認められたという。過去の研究 で、ストレスによって脳海馬の神経細胞が萎縮し記憶力が障害されること、意思決定や注意力に関わる前頭前皮質と呼ばれる部位でも萎縮が起きることが明らか にされていた。今回の研究では、ストレスを与えられたラットは、餌の場所が変わったときに同じ手掛かりを別の方法で利用する能力(知的柔軟性)が失われた という。

McEwen博士は、これはストレスホルモンが脳を作り変え、別のものに変化させることを意味すると説明して いる。ストレスを与えられた脳は、不安が大きくなり、注意力、学習能力、記憶力などが低下する。しかし、脳は回復力が極めて高いため、心理療法、認知行動 療法および薬剤を組み合わせることにより正常な状態に近づけることができるという。また、脳の損傷は時間の経過によっても癒やされ、運動にも極めて大きな 効果があることが明らかになってきている。

この集会で発表された別の研究では、ストレスが免疫システムを破壊することも示された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の精神分析医Elissa Epel氏によると、ストレスによって細胞内の染色体末端部のDNAが短くなり、適切に働かなくなるという。この部分のDNAは、靴ひもの先端のほつれを防止するプラスチックキャップのような役割をもつ。

健 康な女性を対象とした研究の結果、心理的ストレスがこの末端部の短縮に関わり、免疫システムの老化を早めることがわかった。この問題への対処法は、「十分 な睡眠、活動的であること、健康的な食生活など、慢性疾患の予防法してすでに知られていることを守ることだ」とEpel氏は述べている。

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高飽和脂肪食は少量でも冠動脈には酷(2006.08.08掲載)

Image 飽和脂肪を多く含むキャロットケーキ1切れとミルクセーキ1杯で、心疾患を防ぐ体内能力が低下することが、オーストラリアの研究で明らかになった。

米 国心臓病学会(ACC)誌「JACC」8月15日号掲載の、18歳~40歳の健常者14人を対象とした研究では、被験者は1カ月間隔で2種類の食事を摂取 し、食前、食後3時間、6時間に血液採取を行った。食事内容は、キャロットケーキ1切れとミルクセーキ1杯と同じだったが、一方は高飽和脂肪のココナツ油 を、他方は不飽和脂肪の多い紅バナ油を使用した。

食後3時間では、高飽和脂肪食群では血流を増加させる動脈の拡張能力 が低下していた。不飽和脂肪食群でもわずかに低下していたが、両群間で有意差は認められなかった。また、食後6時間の血液検査では、高飽和脂肪食でHDL (善玉)コレステロールの抗炎症作用が低下していたのに対し、不飽和脂肪食では改善していた。

シドニー大学ロイヤルプリンスアルフレッドRoyal Prince Alfred病院心臓研究所のDavid Celermajer氏は「高飽和脂肪食は、血管の炎症を起こしやすくし、血栓の原因となるプラークの蓄積を促進する可能性がある」と述べている。

米 タフツ大学(マサチューセッツ州)心血管栄養研究所所長のAlice H. Lichtenstein氏は「今回の研究で認められた影響は一時的なものであり、心疾患リスクに対する長期的影響に関する情報は不十分」と述べている。 Celermajer氏も、影響が一過性である可能性は認識しているが、「高脂肪食を摂取するたびに起こる可能性もあり、懸念すべき事柄だ」としている。

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父親もかかる産後うつ病(2006.08.07掲載)

Image 子どもが生まれた後には、母親とほぼ同数の父親も、産後うつ病になることが明らかになった。米イースタンバージニア医科大学小児医学研究センター James F. Paulson博士らが、両親のそろった5,000家庭を対象に実施した研究によると、母親の14%、父親の10%にうつ病の症状がみられたという。これ までにもいくつかの研究で同じ結果が示されていたが、全米規模での研究は今回が初めて。この知見は医学誌「Pediatrics」8月号に掲載された。

今回の研究では、子どもが生まれたばかりの父母に対してアンケートと面接を実施し、うつ症状の有無を判断。子どもとの関わり方 は、授乳、寝かせつけ、本の読み聞かせ、「いないいないばあ」遊びや子守歌などの習慣についての質問から判定された。この調査の結果、母親と同様、父親で も日常的な人との交流や活動に減退がみられたという。

父親は通常、子どもが生まれた後、高揚感を覚えるが、母親の支配 が強く乳児を独占したがる場合などは、その気持ちが徐々に失われてしまう。また、この時期は妻は性的関心を失っているため、父親はそのことを心に留めてお かないと、性的および感情的に欲求不満を感じる。母親の母性が極めて強い場合、父親は自分が無用な存在だと感じてしまうこともある。うつ病になった父親の 行動パターンは、仕事やスポーツ観戦の時間が長くなり、飲酒量が増え、一人でいることが多くなるという。

Paulson博士は、産後うつ病を最も発見しやすい立場にある小児科医が、父親と母親の両者について積極的にうつ病検知に取り組む必要があると述べている。米ノースカロライナ大学小児科教授William Coleman博士も、「医師は母親の感情には気付いても、父親には尋ねることもしない」と指摘している。

父親の産後うつ病を検知することは、子どもの長期的な将来のためにも重要である。母親のうつ病の場合と同様に、子どもの情緒面の障害や学校生活への適応の問題ばかりでなく、健康障害の原因となる可能性もあるとPaulson氏は指摘している。

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過度の関節柔軟性が慢性疲労症候群に関与(2006.08.04掲載)

Image 誘関節の痛みや全身的な倦怠感などを症状として訴える慢性疲労症候群は、かつては、訴えが漠然としているとして受け流されていたが、1988年に医療研究者によってようやく医学的な症状として認定されるようになった。

慢 性疲労症候群は、成人では1,000人に4人の割合で見られるが、小児ではそれよりも少ない。突然疲労感に襲われ、それが少なくとも6カ月間続くこと、ま た、以下の8症状のうち4項目に当てはまることが診断の条件となっている:記憶障害、咽頭痛、頸部または腋窩(えきか、脇の下)リンパ節の圧痛、筋肉痛、 関節痛、新たに発生した頭痛、睡眠障害、活動後の倦怠感。

米ジョンズホプキンス小児センター(ボルチモア)小児科教授のPeter Rowe博士は、自身が担当する慢性疲労症候群の少女の関節が異常に柔らかいことにスタッフが気づいたことで、その関連性を研究することに至った。

米 医学誌「Journal of Pediatrics」9月号に掲載された同博士らの研究では、慢性疲労症候群で治療を受ける小児60人の60%に、少なくとも4箇所の関節過可動性が認 められた。一般では、20%の人に1箇所見られる程度。過可動性の例は、小指が90度反る、親指が前腕に触れる、前屈で両手のひらが地面に着くなど。

Rowe 博士は、過活動関節があることが慢性疲労症候群の持ち主というわけではないとしながらも、両者には強いつながりがあるという。同博士は、過可動性が腕や足 の末梢神経を圧迫し、結果的に神経系全体を疲労させるか、可動範囲の過剰な広さが間接的に同症候群を引き起こしているのではないかと考えている。そして、 慢性疲労症候群のより優れた治療法開発のためにも、関節過可動性を精査し、成人でも同様の結果が得られるか否かを検討したいとしている。

米デポールDePaul大学(シカゴ)教授のLeonard Jason氏は「遺伝的要因の関与も考えられ、両親を調べる必要がある」と述べている。

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手術の時間帯が麻酔による有害事象の発生に関与(2006.08.03掲載)

Image 午後に開始した手術では、午前の場合に比べ、麻酔に関わる痛みなどの有害事象(イベント)が発生しやすいことが米デューク大学の研究によって判明した。理 由は明確にされていないが、医師の疲労から患者の概日リズム(約24時間周期)まで、さまざまな原因が考えられるという。この研究は、医学誌 「Quality & Safety in Health Care」8月号に掲載された。

著者らは、手術が行われる時間帯が有害事象の発生件数に影響しているのではないかとの仮説に基づき、デューク病院で 2000~2004年に実施された9万件の外科手術について分析し、有害事象の重篤度により分類、手術の時間帯とのクロス-リファレンス(相互参照)を 行った。発生件数は午後3~4時の間が最も多かった。発生率が最も低かったのは午前9時(1%)で、最も高かったのは午後4時(4.2%)であった。

多 くみられたのは、疼痛管理および術後の吐き気や嘔吐の問題。午後の遅い時間になると、医師の遅刻や、手術室の準備が終わらないといった「管理上の遅れ」も 多くなり、これが有害事象をもたらしている可能性もあるという。デューク大学医療センター麻酔科助教授Melanie Wright氏は「午後は患者の痛みに対する感受性が強くなることも考えられる」と述べている。また、午後には概日リズムが低下し、そこへ麻酔スタッフの 疲労する時間帯が重なっている点も指摘されている。

生 体内の周期的現象を取り扱う「時間生物学」と呼ばれる新しい概念も原因として挙げられる。米マイアミ大学患者安全センター長David Birnbach氏は「1日の時間帯によって薬剤への反応が異なる可能性もある」と述べている。概日リズム、コーヒーを飲んだ時間、外来患者数、忙しい時 間帯といった条件が薬剤に及ぼす影響が注目されているという。

このほか、取扱い件数が多いことに伴う医師の疲労とコ ミュニケーション不足の問題が複合している可能性や、午後は仕事が増えるために集中力が低下することも指摘されている。しかし、「あまり一般化して考えな い方がよい。午後に手術をするべきではないとは言い切れない」とBirnbach氏は述べている。

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誘発分娩は朝が望ましい(2006.07.31掲載)

Image誘発分娩は夜ではなく朝行うのが望ましい、とするオーストラリアの研究が報告された。研究者らはその理由として、自然分娩のタイミングからすれば朝が最良であり、誘発に伴う合併症も少ないことを挙げている。

米医学誌「Obstetrics & Gynecology」8月号に掲載された今回の研究は、誘発分娩を予定している女性620人を対象に、280人を午前8時の入院、340人を午後10時の入院に無作為に割り付けた。

そ の結果、分娩に24時間以上要した女性数、子宮過剰刺激、胎児の心拍数変動、帝王切開出産など主な項目では、統計的に有意差な違いは認められなかったが、 午前群では分娩促進薬オキシトシンの注入例が45%で、午後群の54.1%より少なかった。また、初産女性での会陰切開出産は、午前群で16.1%、午後 群では34.2%だった。

研究ではこうした違いの原因を特定できなかった。研究著者でアデレード大学小児学・生殖健康学部のJodie Dodd博士は「これら知見が生理学的な差を反映しているのか、昼夜間のスタッフの臨床行為に反映しているかは不明」としている。

また、両群間に分娩医療に対する満足度に差はなかったが、午後群は睡眠不足が不満としていた。Dodd博士は「出産予定女性はこうした情報を与えられ、いつ誘発分娩するかを自ら決める機会を与えられるべき」と述べている。

こ れに対し、米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)産婦人科医のJennifer Wu博士は「事はそう単純なものではなく、誘発開始時間の決定には、分娩室の枠、医師や患者のスケジュール、また、検査結果が疑わし場合など、調整しなけ ればならない要因が他にも多くある」と指摘する。さらに同博士は「研究では朝入院すれば分娩が夜になると仮定しているが、必ずしもそうではなく、朝のうち に誘発され、午後2時までに出産する人は多い」と述べている。

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スイカの栄養価高めるには常温保存が一番(2006.07.31掲載)

Image 暑い日に冷えたスイカにかぶりつくのは最高だが、スイカは常温(室温)で保存する方が高い栄養価が期待できるという研究結果が「Journal of Agriculture and Food Chemistry」8月9日号に掲載された。保存温度により、特定の抗酸化物質の含有量に差が生じることが明らかになったという。

米 農務省(USDA)サウスセントラル農業研究所(オクラホマ州)のPenelope Perkins-Veazie氏によると、スイカの果肉の赤い色は、トマトと同じカロチノイド色素リコピンによるもの。また、量は少ないものの、β(ベー タ)カロチンが含まれるのもスイカの特徴だという。このような抗酸化物質には、細胞を傷つけ癌(がん)の原因となるフリーラジカルを無害化するはたらきが ある。

収穫時や出荷時の光、温度、湿度によってスイカのリコピン含有量が10~20%変化することはこれまでにも知ら れていたが、今回の研究はキッチンでの保存による影響に着目。種あり、種なしを含む3品種のスイカ(すべて「完熟」とされていたもの)を、切らずに20℃ で一晩保存した後、カットして色、状態およびカロチノイド含有量をみるための標本を採取。3品種それぞれ20点の標本を作成し重量を測定した上で、 5.0℃、12.7℃、21.1℃にセットしたクーラーに保存した。

2週間後、常温で保存したスイカは、カロチノイド 含有量が品種により11~40%増大した。目視による観察では、常温に置いたスイカはいずれの品種も果肉の色が濃く、皮が薄くなっており、成熟が続いてい ることがうかがわれた。低温で保存したスイカにはカロチノイドの増大はみられず、果肉の色は変わらないか薄くなっており、皮の厚さにも変化はみられなかっ た。研究グループは、低温では酵素の活性が低下するために果実の成熟が止まるのではないかと推測している。

切ったスイ カを常温に置くのは安全性の面で勧められないが、切っていないものなら1~2日常温に置いても問題はなく、冷たい方がよければ食べる少し前に冷蔵庫に入れ ればよいという。モモやバナナのように、室温に置く方が栄養面でも味の面でもよい果物もある。一方、今回の研究では、他の栄養素について考慮されていない 点も指摘されている。スイカに含まれる水溶性の栄養素には光や空気に弱いものもあり、この面の影響についても関心がもたれている。

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閉経期のホルモン変動で関節炎リスクが上昇(2006.07.27掲載)

Image 閉経期に発現するエストロゲン値の低下により、女性での膝変形性関節症(OA)リスクが上昇することが、米医学誌「Arthritis & Rheumatism」8月号掲載の研究で明らかにされた。

こ れまで変形性関節症は消耗性の疾患とされていたが、米ミシガン大学疫学部教授のMaryFran R. Sowers氏らは、ホルモンが関節周辺の組織に影響する可能性を考え、閉経前と閉経期の女性で見られる主要なエストロゲンであるエストラジオールの血中 濃度の低下に着目した。

Sowers氏らは、26~54歳の女性842人を対象に、膝変形性関節症の発症について3年 間調査した。研究開始時、75%の女性が閉経前で25%が閉経期にあった。研究開始前にホルモン補充療法(HRT)を受けていた女性はなく、10%以上が すでに膝変形性関節症と診断されていた。被験者は、研究期間中毎年、体脂肪率測定と両膝のX線撮影を受け、さらに血液および尿中のエストラジオールなどが 測定された。

その結果、研究期間中に初めて膝変形性関節症を発症した女性は、発症しなかった被験者に比較して、研究開始時のエストラジオール値が低いことが明らかになった。これらの患者は、エストラジオールの分解物質である2-ヒドロキシエストロン値も低かった。

Sowers氏は、閉経前後と閉経時に一般的に発現するこうしたホルモン現象は、変形性関節症発症に強く結びついていると結論付けている。

国 際変形性関節症研究協会(OAR SI)前会長のRonald Moskowitz博士は「興味深い内容だが、ホルモンの関与を説明するには、交絡因子(付随的な要因)を見なければならない。例えば、成長すれば年齢は 高くなり、閉経すればエストロゲン値は低下する。つまり、関節炎はエストロゲン値の低下ではなく、加齢によるものとも考えられる」と述べる。

Sowers氏も「今回の研究結果は、閉経女性に直ちにホルモン補充療法などの治療を促すものではない。発症プロセスに関して、より幅広い視点を提供したものである」と述べている。

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静脈血栓症の再発は男性に多い(2006.07.27掲載)

Image 深部静脈血栓症(DVT)を一度発症した患者の再発リスクは、女性より男性で50%高いことが、カナダの研究で明らかにされた。「エコノミークラス症候 群」としても知られるDVTでは通常、下肢または大腿の深部静脈に血栓が形成される。この血栓が肺に到達すると、肺塞栓症という致死性の状態を引き起こ す。

研究共著者でマクマスター大学臨床血栓症部門責任者のClive Kearon博士らは、DVTまたは肺塞栓症で治療を受けた患者約5,400人(男女数は同等)を対象とした15件の研究データをレビュー(再検討)し、 被験者が抗凝固薬治療を中止した後の血栓の再発率を検討した。

その結果、被験者のうち816人が血栓症を再発しており、内訳は男性が64%、女性が36%だった。同研究報告は米医学誌「The Lancet」7月29日号に掲載されている。

現 在提示されているエビデンス(証拠)では、明白な原因もなくDVTを発症する人は、長期の抗凝固薬療法が必要とされている。Kearon博士は「今回の研 究は、抗凝固薬療法のリスクと便益を検討する際には、患者の性別を考慮すべきことを示している。ただし、性別で経過が異なる理由は不明」という。

米 ワシントン大学医学部(ミズーリ州)放射線学・外科学準教授のSuresh Vedantham博士は、このような知見が治療法に与える影響は明確ではなく、抗凝固薬の服用期間については、医師の間でも意見が分かれているという。 同博士は「これは重大な問題であり、抗凝固薬を投与せずに再発し、肺塞栓症を発症すれば死につながる可能性もある一方で、長期に抗凝固薬を投与すれば、出 血性の合併症リスクがある」と述べる。

男性への薬剤投与期間を長くするか否かという問題については、Vedantham博士は「さらなる研究が必要であり、今回の研究結果で治療法を特別変更するということにはならない」と述べている。

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心臓発作は見逃されることが多い(2006.07.27掲載)

Image 心臓発作(心筋梗塞)の治療は近年大きく進歩しているが、患者や医師が発作の存在に気付かなければその進歩も意味がない。心臓発作の多くが見逃されているということが、最近の研究で示されている。

2006 年初め、医学誌「European Heart Journal」に掲載されたオランダの研究によると、心臓発作の43%は発症時に気付かれていないという。「ロッテルダム研究」と呼ばれる研究に参加し た55歳以上の男女約4,000人の心電図(ECG)を分析した結果、男性で3分の1、女性で2分の1、全体では4割以上の心臓発作が見逃されていた。他 の専門家も、ECGだけでは心臓発作が生じたとする確かな根拠とはならないとしつつも、心臓発作の徴候の多くが見逃されていることを認めている。

米 ジョージワシントン大学病院(ワシントンD.C.)のSusan Bennett博士によると、特に女性患者の場合に心臓発作が見逃されやすいという。医学誌「Circulation」に2005年に掲載された調査で は、医師500人に検査症例を提示し、患者の心疾患リスクをレベル別に分類させたところ、リスクが中程度の女性は、同程度のリスクをもつ男性に比べ「低リ スク」に分類されることが多かった。

米国心臓協会(AHA)によると、心臓発作の主な徴候には以下のようなものがある:
・胸中央部の圧迫感、締めつけ感、膨満感、痛みなど、数分間継続するか断続的に生じる不快感。
・片腕または両腕、背中、首、顎、腹部など、上半身の胸以外の部分の痛みや不快感。
・胸部不快感の有無にかかわらず生じる息切れ。
・冷汗、吐き気、頭部のふらつき感。

息切れ、吐き気および嘔吐、背中や顎の痛みなどの症状は、男性よりも女性に多くみられるという。

心臓発作に早期に気付くことも大切だが、予防に努めるに越したことはない。Bennett博士は、血圧やコレステロールなどの「自分の数値」を知っておくことが大切だと述べている。また、食事や体重にも注意し、肥満指数(BMI)を25以下に抑える必要があるという。

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