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穀物繊維を豊富に含む食事が2型糖尿病を予防(2007.5.28掲載)

Image穀物繊維やマグネシウムを豊富に含む食事が、成人で生じることの多い2型糖尿病の発症リスクを抑えることが、ドイツ栄養学研究所German Institute of Human Nutrition Potsdam-Rehbrueckeの研究チームによって明らかにされた。

今回の研究では、35~65歳の男性9,700人、女性1万5,365人以上を対象に、食事に関するアンケート調査が実施され、その後、平均7年間の追跡調査が行われた。また、食物繊維やマグネシウムの摂取と糖尿病のリスクとの関連性に関する、これまでの研究のメタ解析も行われた。

穀物繊維の摂取量をもとに被験者を5群に分けて検討した結果、摂取量が最も多かった群は最も少なかった群に比べ、2型糖尿病発症のリスクが27%低かった。果物繊維や野菜繊維の摂取と糖尿病のリスクとの関連性は認められなかった。また、マグネシウムについては、摂取量が最も多かった群は最も少なかった群に比べ、2型糖尿病発症のリスクが23%低かった。

米国糖尿病協会(ADA)のヘルスケア・教育部門のAnn Albright博士は、2型糖尿病の予防には、果物繊維や野菜繊維よりも穀物繊維のほうが優れている可能性について「さらに検討する価値がある」と述べている。また、マグネシウムについては「微量栄養素の研究は非常に難しく、マグネシウム摂取が糖尿病のリスクに影響を及ぼすメカニズムは明らかにされていない」という。

Albright氏はさらに、今回の研究で直接触れられていない身体活動の重要性についても言及し、「大切なのは体重を健康な範囲に保つことで、果物、野菜、穀物にかかわらず食物繊維の摂取は健康な食生活の重要な要素である」と語り、食物繊維の摂取不足と運動不足の解消を勧めている。

研究結果は、米医学誌「Archives of Internal Medicine」5月14日号に掲載されている。(HealthDay News 5月14日)

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インスリン分泌量が多い人には低炭水化物ダイエット(2007.5.24掲載)

Imageインスリン分泌量の多い人は、低脂肪、高炭水化物の食事を摂るよりも、脂肪分がやや多めで精製炭水化物の少ない食事を摂る方が体重を減らしやすいことが新しい研究で示され、米国医師会誌「JAMA」5月16日号に掲載された。

米ボストン小児病院のCara Ebbeling氏らは、インスリン分泌量の差によって有効な食事計画が異なるのかどうかに着目し、肥満の若年成人(18~35歳)73人を対象に6カ月の治療期間および12カ月のフォローアップ期間の追跡を行った。これまで、低脂肪食によるダイエットの成否が分かれるのは単に意欲の問題であるとされてきたが、今回の結果から、インスリン分泌の差が少なくとも原因の1つと考えられるとEbbeling氏は述べている。

今回の研究で、被験者の半数は炭水化物55%、脂肪20%の食事を摂取し、残りの半数は炭水化物40%、脂肪35%の食事を摂取した。研究開始時に、ブドウ糖75gを経口摂取した後の血中インスリン濃度を測定した。全体では両群の間に体重低下の差はみられなかったが、インスリン値が平均を超える人の体重低下は、低脂肪食では18カ月で2.6ポンド(約1.2kg)だったのに比べ、低炭水化物食では18カ月で12.8ポンド(約5.8kg)と大きな差があった。また、低炭水化物食群ではHDL(善玉)コレステロールおよびトリグリセライド(中性脂肪)の値が大きく改善したのに対し、LDL(悪玉)コレステロールについては低脂肪食の方が大きな改善が認められたという。

従来の低脂肪食で減量効果がみられない人では、低血糖負荷食が有効な可能性があるとEbbeling氏は述べている。低血糖負荷食は血糖インデックス(GI)の低い炭水化物を中心とするもので、吸収がゆるやかで、インスリン値を比較的安定に保つことができる。低血糖負荷食にするには、精白パン、精白穀類、クッキーや甘い飲料など避け、果物、野菜、豆類、低精白穀類を多く摂るのがよいという。

米国栄養協会(ADA)のLona Sandon氏は、これまで専門家が漠然と感じていたことが、この研究により裏付けられたと述べている。しかし、多くの人は自分のインスリン分泌量など把握しておらず、肥満であるからといって必ずしもインスリン値が高いわけでもないと同氏は指摘している。Ebbeling氏によれば、自分のインスリン産生量を知るには経口ブドウ糖負荷試験を受ければよいとのこと。(HealthDay News 5月15日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604643
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マルチビタミンの過剰摂取で前立腺癌(がん)リスク増大(2007.5.24掲載)

Imageマルチビタミンを過剰に摂取すると男性の前立腺癌(がん)リスクが増大するという報告が、米国立癌研究所(NCI)発行の医学誌「Journal of the National Cancer Institute」5月16日号に掲載された。

週7回を超えてマルチビタミンを摂取すると、全く摂取しない男性に比べて進行前立腺癌のリスクが32%増大し、前立腺癌による死亡リスクは約2倍になるという。この関係は、前立腺癌の家族歴のある男性や、セレン、ベータカロテン、亜鉛など微量栄養素のサプリメント(栄養補助食品)を個別に摂っている男性に特に強くみられた。

NCIのMichael F. Leitzmann博士らが行った今回の研究は、男性約30万人を対象に、過去12カ月のマルチビタミン摂取について質問表に記入してもらい、その後被験者を6年間追跡して前立腺癌全体および重篤なタイプの前立腺癌の発症について調べたもの。どの程度まで過剰摂取するとリスクが増大するのかは明確にされておらず、Leitzmann氏は、このような疫学的な研究ではマルチビタミンの使用に関係するほかの因子を排除することが難しいと述べている。

同じ号に掲載された論説では、サプリメントの多くが強い抗酸化作用をもつことが指摘されており、今回の研究により抗酸化ビタミン剤の利益に対する疑問がさらに深まったほか、抗酸化サプリメントがヒトの健康に予期せぬ結果をもたらす可能性も浮き彫りになったとされている。ただしNICは、マルチビタミンの使用について新たな勧告を行う予定はないという。

今回の結果は、2年前に米国癌協会(ACS)が実施した大規模研究の結果とも一致する。この研究は男性約50万人を18年間追跡したもので、月15回以上マルチビタミンを摂取する男性の前立腺癌による死亡率が、摂取しない男性よりわずかに高いことが示されている。両研究ともサプリメントを多く摂る男性ほどリスクが大きく、全体的に所見は類似している」とこの研究を行ったVictoria Steven氏は述べている。

Steven氏によると、マルチビタミンに対して社会はすでに否定的で、標準的指針ではマルチビタミンの使用は推奨されていない。ビタミン類は天然の食品から摂取するのが最善だが、妊婦をはじめとしてビタミン剤を摂る必要のある人は、バランスのとれたベーシックなマルチビタミン・サプリメントを使用するべきだと同氏は述べている。(HealthDay News 5月15日)

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若年女性は心臓発作の初期徴候を見逃しやすい(2007.5.21掲載)

Image55歳未満の女性は心臓発作の症状を見逃して手遅れになりやすいことが、新しい研究によって明らかにされ、ワシントンD.C.で開催された米国心臓協会(AHA)の「心血管疾患および脳卒中における医療の質と転帰に関する研究フォーラム」で発表された。

AHAの報告では、心疾患による入院患者のうち55歳未満の若年女性が占める割合は5%に満たないが、それでも若年女性の心疾患による死亡は年間1万6,000人にものぼる。米レノックス・ヒルLenox Hill病院(ニューヨーク市)のSuzanne Steinbaum博士は「若年女性が心疾患や心臓発作で入院した場合の死亡率は男性の2倍であり、早期に対処すべき」と述べている。

米エール大学医学部疫学・公衆衛生学助教授Judith Lichtman氏らは、今回の予備的研究で、コネティカット州にある2施設に心臓発作で入院した18~55歳の女性24人に対してインタビューを行った。その結果、大多数(88%)が典型的な症状である重度の胸痛を報告したにもかかわらず、心臓に問題があると疑った患者は42%にすぎなかった。

さらに、胸痛以外の症状として、顎・肩部の疼痛、発汗、吐気、息切れ、消化障害、虚弱・疲労が認められたが、患者の42%は、自分の症状が心臓発作に関わるとは考えていなかった。Lichtman氏は、若年女性の心疾患リスクに対する認識が低いことに注意を促すとともに、「この年齢層では典型的な症状もそうでない症状もかなり頻繁にみられる」と述べている。

「The Women's Healthy Heart Program」の著者であるニューヨーク大学メディカルセンターNieca Goldberg博士は、どのような症状があるのか、さらに研究を重ねる必要があるが、胸痛だけが問題だと思っていると生命を落とすことになりかねないと警告している。(HealthDay News 5月10日)

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食事の「エネルギー密度」を減らして減量(2007.5.21掲載)

Image減量したければ、食事の「エネルギー密度」を減らせばよい―つまり、果物や野菜、低脂肪乳製品、スープなど水分を多く含みカロリーの低い食品を摂取することで体重が減少することが、新しい研究によって明らかにされた。

「エネルギー密度」はグラムあたりのカロリーを表し、水が「0」で最も低く、脂肪が「9」で最も高い。果物や野菜など水分の多い食物はすべてエネルギー密度が低い。論文の共著者である米ペンシルバニア州立大学栄養学教授Barbara Rolls氏は「エネルギー密度の低い食物を摂取することで、食事の量を減らすことなく体重を減らすことができる」という。

医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」5月号に掲載された今回の研究では、658人の健康な成人男女(平均年齢50歳、平均BMI[肥満指数]33.6)を対象に、6カ月間の介入試験を行った。被験者を3群に分け、1群に1回、残り2群には18回のカウンセリングを行い、運動量を増やして摂取エネルギーを減らすことを勧めるか、それに加えて果物や野菜、低脂肪乳製品を摂取する高血圧症予防食事法(DASH)を行うことを勧めた。

3群とも体重は減少したが、エネルギー密度の低減と体重減少との関連を分析した結果、エネルギー密度が低減するほど体重も大きく減少することが判明した。今回の研究でわかった体重減少の秘訣である「摂取する食物の水分含有量を増やし、脂肪含有量を減らすこと」は、Rolls氏が提唱するボリュメトリクス(Volumetrics)ダイエット(空腹を感じることなく減量するダイエット法)の基本でもある。

米North General 病院(ニューヨーク)肥満・糖尿病プログラム責任者のCathy Nonas氏は、エネルギー密度を減らすことで全体のカロリーが抑えられるだけでなく、食事の栄養価も高まるという。エネルギー密度の低減は、米政府が発表した「米国人のための食事指針2005」でも勧められている。(HealthDay News 5月9日)

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iPodが心臓ペースメーカーに悪影響(2007.5.17掲載)

ImageiPod(アイポッド)などの携帯音楽プレーヤーが、心臓ペースメーカーの誤作動をもたらす可能性のあることが米国の高校生による研究で示され、デンバーで開催された米国不整脈学会(HRS)年次集会で発表された。

今回の研究に取り組んだのは、米ミシガン州Okemos高校の生徒Jay Thaker君のチーム(ミシガン州立大学およびミシガン大学の医師らを含む)で、患者83人に対し胸部から2インチ(約5cm)の位置にiPodを近づけ5~10秒間維持した。その結果、29%にいわゆる「遠隔干渉」、20%に「過感知(ペースメーカーによる心機能の読み取りミス)」が生じたほか、1例でペースメーカーが作動を停止した。また、数例ではiPodを胸部から18インチ(約46cm)離した状態でも干渉が検知された。

Thaker君によると、特に問題となるのはペースメーカーに心拍の履歴が記録されることで、この履歴を調べた医師が、不整脈があったと思い込み不要な治療を行ってしまう危険があるという。さらに、ペースメーカーに完全に依存している患者の場合、iPodによってペースメーカーの作動が止まれば心停止に陥る可能性もある。多くの電気機器が同じような影響をもたらす可能性があり、医師はペースメーカーに電気機器を近づけないよう患者に指示している。

ペースメーカーを装着する患者がiPodを使用することは少ないものの、この種の音楽プレーヤーの利用者は極めて多いため、そのリスクを知っておく必要があるとThaker君は述べている。iPodを腕に装着したり、シャツのポケットに入れたりする人が多く、iPodがペースメーカーに近づきすぎる状況も極めて多くみられるという。Thaker君の父親は電気生理学者、母親は医師で、本人も医学部を目指している。

米マサチューセッツ総合病院の心臓電気生理学者Edwin Kevin Heist博士も、iPodがペースメーカーに影響を及ぼし、意識消失などの重篤な反応をもたらす可能性があると認めている。Heist氏によれば、携帯電話やiPodはペースメーカーに近づけなければ安全に使用できるという。また、iPodが埋め込み型除細動器(ICD)に障害をもたらす可能性もあり、不適正な電気ショックが生じて患者に強い痛みと衝撃を与えることもあるとHeist氏は指摘している。(HealthDay News 5月10日)

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アスピリン服用と車の運転はどちらが危険か(2007.5.17掲載)

Image近年、医師や患者の間で薬剤の安全性に対する関心が高まってきているが、薬剤によるリスクと、さまざまな職業、娯楽、交通手段などによるリスクを比較した研究結果が、医学誌「Health Affairs」5/6月号に掲載された。

米タフツ大学ニューイングランド・メディカルセンター(ボストン)のJoshua Cohen氏らの研究グループは、天然痘ワクチン、アレルギー治療のための抗ヒスタミン薬(毎年4カ月服用)、心血管疾患予防のためのアスピリン、統合失調症薬clozapine、多発性硬化症薬Tysabri(一般名natalizumab)、すでに販売停止となっている鎮痛薬Vioxx(一般名rofecoxib)の6種類の薬剤による死亡リスクを評価し、さらに薬剤とは無関係の行為によるリスクと比較した(編集部注=日本国内未承認薬は英文表記)。結果は以下のとおり:

・アスピリン服用による死亡リスクは、車の運転または消防士の仕事と同程度である。
・VioxxまたはTysabriによる死亡リスクは、自動車の利用、トラック運転手の仕事、ロッククライミングと同程度である。
・アスピリン、clozapine、TysabriおよびVioxxによる死亡リスクは乗用車を運転するリスクとほぼ同じである。
・あらゆる交通手段のうち、死亡率がVioxx(10万人年あたり76人)を含めどの薬剤よりも高かったのはオートバイのみであった(10万人年あたり450人)。
・アスピリン、clozapine、TysabriおよびVioxxの年間死亡リスクはいずれも消防士および警察官の仕事(10万人年あたり約11人)と同じかそれ以上である。最もリスクの高い職業は伐採(ばっさい)業で、どの薬剤よりも大幅に高かった(10万人年あたり360人)。
・ロッククライミングの死亡リスクはclozapineと同程度で(10万人年あたり36人)、ヒマラヤ登山のリスクはどの薬剤よりも高かった(10万人年あたり1万3,000人)。
・参考までに、オートバイに乗る人の死亡リスクは乗用車に乗る人の40倍、タクシー運転手の死亡リスクは消防士の3倍であった。

この結果から、人が自分から進んで従事する行為には、薬剤の使用に匹敵するリスクを伴うものが多くあることがわかるとCohen氏は述べている。一方で、薬剤について考える場合、リスクを無視してよいわけではないが、利益についても考慮して理性的に考える必要があると指摘している。(HealthDay News 5月8日)

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受動喫煙がアルツハイマー病のリスクを増大(2007.5.14掲載)

Imageたばこを間接的に吸う受動(二次)喫煙がアルツハイマー病などの認知症リスクを高めることが、新しい研究によって明らかにされた。これまでの研究でも、受動喫煙と心血管疾患との関連性、動脈硬化症と認知症のリスク増大との関連は示されていたが、受動喫煙と認知症との関連を検討した研究はこれが初めて。

この知見は、ボストンで開かれた米国神経学会(AAN)の年次集会で、米カリフォルニア大学バークレー校統計学のThaddeus Haight氏が発表した。Haight氏らは、他人の吐き出した煙を吸入すると認知症の発症率が高まることを示し、受動喫煙が認知症をもたらす神経変性過程に影響を及ぼす可能性を指摘している。

今回の研究では、長期の心血管健康調査に登録した約3,600人のデータを評価し、心血管疾患も認知症も認めない985人の喫煙未経験者と、受動喫煙に平均28年間曝露された495人とを比較した。6年間の追跡調査の結果、受動喫煙に30年以上曝露された高齢者が認知症になる可能性は曝露のない人に比べ、約30%高いことが判明した。

また、心血管疾患を有する人が受動喫煙に長期間曝露された場合には、認知症リスクがほぼ2倍に増大した。このほか、心血管疾患と診断されていなくとも、頸動脈に狭窄などの異常が認められ、受動喫煙に曝露された人の認知症リスクは、どちらもない人の2.5倍になることも示された。

米国アルツハイマー病協会のBill Thies氏は「心臓に悪ければ脳にも悪いのは理にかなっており、危険であることは確かだ」という。子どもをたばこ被害から守る活動団体「Campaign for Tobacco-Free Kids」会長のMatthew L. Myers氏は「米国各州において、職場や公共の場を含めた全面的な禁煙法を通過させる必要性を裏付ける知見だ」と述べている。(HealthDay News 5月1日)

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緑茶が関節リウマチの症状を軽減(2007.5.14掲載)

Image緑茶に心血管疾患や癌(がん)の予防作用があることは知られているが、関節リウマチ(RA)の炎症や疼痛の軽減にも有用であることが、新しい研究で示唆され、ワシントンD.C.で開かれた米国実験生物学会(Experimental Biology)年次集会で発表された。

 

関節リウマチでは、関節膜を包む組織に存在する滑膜線維芽細胞が増殖して炎症が生じた結果、関節損傷や慢性の疼痛が起きる。米ミシガン大学ヘルスシステム(ミシガン州アン・アーバー)のSalah-uddin Ahmed氏らは、患者の関節から滑膜線維芽細胞を単離し、緑茶の有効成分エピガロカテキン‐3‐ガレート(EGCG)に曝露後、関節破壊の過程で重大な役割を果たす物質インターロイキン(IL)-1Bで刺激した。

Ahmed氏らが以前に行った研究によると、EGCGによる前処理後にIL-1Bを添加した線維芽細胞では、軟骨破壊に寄与する蛋白(たんぱく)や酵素を産生するIL-1Bの能力が阻害された。新しい研究では、関節リウマチ病変の骨破壊で重要な役割を果たすIL-6とシクロオキシゲナーゼ(Cox)-2の活性をEGCGが抑制することが判明した。

緑茶に、唾液分泌が障害されるシェーグレン症候群など特定の自己免疫疾患を予防する効果があることを発見した米ジョージア医科大学(ジョージア州オーガスタ)准教授Stephen Hsu氏は、今回の研究について、薬物を用いることなく疼痛コントロールができる可能性につながるものであり、関節リウマチ患者にとっては朗報だと述べている。

Ahmed氏は、今回の研究があくまで実験室レベルの予備的研究であり、関節リウマチ患者に緑茶を勧めるのは「時期尚早」と警告しつつも、この研究が「起点」になるという。同氏は、緑茶の副作用は報告されていないことから飲んでも害はないと述べ、飲むのであれば、血中濃度を一定に保つために頻繁に飲むことを推奨している。(HeaithDay News 4月30日)

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年1回の注射で女性の骨折リスクが軽減(2007.5.10掲載)

Image一般的な骨粗鬆(しょう)症薬であるゾレドロン酸を年1回注射することで、高齢女性の骨折リスクが大幅に軽減されるという報告が、米医学誌「New England Journal of Medicine」5月3日号に掲載された。米国食品医薬品局(FDA)は現在、ゾレドロン酸の年1回の注射による投与を承認していないが、この知見が承認を後押しすると期待される。

骨粗鬆症は主に閉経後の女性が罹患する疾患だが、男性にもみられる。骨が細く、もろくなり、骨折しやすくなるため、重篤な障害や死をもたらすこともある。ゾレドロン酸をはじめとするビスホスフォネート製剤は、体内の骨の再吸収を抑制するもので、骨粗鬆症の治療によく利用される。しかし、従来の月1回の経口投与には服薬遵守(コンプライアンズ)の点で問題があった。立位の姿勢で空腹時にコップ1杯の水で服用する必要があり、酸逆流や食道障害のリスクも伴うことから、ほとんどの女性は処方された12カ月分のうち80%未満しか服用していないと見られている。

今回の研究は、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のDennis M. Black博士らが、年1回のゾレドロン酸注射の効果を3年にわたって調べたもの。閉経後の女性約4,000人にゾレドロン酸またはプラセボ(偽薬)投与群のいずれかに無作為に割り付け、単回15分の静注を実施。12カ月後と24カ月後にも注射を繰り返し、36カ月後まで追跡した。

その結果、ゾレドロン酸投与により3年間で脊椎骨折のリスクが70%減少したほか、股関節骨折リスクは41%、非脊椎骨折、臨床骨折、臨床脊椎骨折はそれぞれ25%、33%、77%減少した。さらに、ゾレドロン酸投与群の女性は骨ミネラル濃度および骨代謝マーカーに有意な改善が認められたという。マイナス面として、ゾレドロン酸群の女性は心房細動の発症率がわずかに高かったが、このほかの副作用については両群に差はみられなかった。

専門家からは、この方法により、経口ビスホスフォネート製剤が適さない患者でも比較的容易に薬剤投与を受けられるようになると期待を寄せる意見がある一方、今回の研究は高齢者が対象で、万人に適するわけではなく、若年者があえてこの治療法を選ぶ必要もないという意見もある。(HealthDay News 5月2日)

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