新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の有病率が高い地域では、直近で誕生日を迎えた家族のいる世帯のCOVID-19への罹患リスクが、誕生日を迎えた家族がいなかった世帯よりも30%高い可能性のあることが報告された。研究論文の上席著者である、米ハーバード大学医学大学院准教授のAnupam Jena氏は、「このような集まりは、家族や社会全体を団結させる上で重要だ。しかし、リスクの高い地域では、それが家族に感染を広める原因になる可能性がある」と述べている。この研究の詳細は、「JAMA Internal Medicine」に6月21日掲載された。. 米国では2020年初頭のCOVID-19流行以来、学校閉鎖やリモートワークの拡大、大規模イベントや集会の禁止など、さまざまな感染対策が講じられてきたにもかかわらず、感染者数は増加の一途をたどった。専門家たちは、私的に催される小規模の集まりが感染拡大の一因である可能性を示唆してきたが、大規模な接触者追跡や診断テストを行わない限り、このリスクを数字として割り出すことは困難である。. そのような中、Jena氏らは、ある企業保険(Castlight Health)のデータベースを用いて、同保険に加入している292万6,530世帯(653万5,987人)の2020年1月1日〜11月8日までのデータを解析。誕生日を迎えた家族がいる世帯で、新型コロナウイルスへの感染率が上昇するのか否かを調べた。同氏らが誕生日に着目したのは、誕生日には人々が集まって祝う場合が多いからであり、また、生年月日がCOVID-19の診断とともに診療記録や保険データベースに記録されているためである。. その結果、COVID-19の有病率が最も高いグループに分類された郡では、直近で家族が誕生日を迎えた世帯で、誕生日がなかった世帯に比べて、誕生日から2週間以内にCOVID-19の診断を受けた人が1万人あたり8.6人多いことが明らかになった。これは、家族が誕生日を迎えた世帯では、感染リスクが31%増加したことに相当するという。その一方で、COVID-19の有病率が低いグループに分類された郡では、誕生日に関連する感染率増大は認められなかったという。. 次に、誕生日を迎えたのが子どもか大人かで分類して解析を行った。その結果、COVID-19の有病率が最も高いグループに分類された郡では、大人が誕生日を迎えた世帯で、誕生日がなかった世帯と比べて、誕生日から2週間以内にCOVID-19の診断を受けた人が1万人あたり5.8人多かったのに対して、子どもが誕生日を迎えた世帯では、1万人あたり15.8人多かった。このような結果になった理由としてJena氏らは、子どもの誕生日パーティーの方が中止されない率が高かったことや、ソーシャルディスタンシングが緩みがちであったことなどが考えられると推察している。. こうした結果を受けて、論文の筆頭著者である米ランド研究所のChristopher Whaley氏は、「今回の研究では1種類のイベントについてしか検討できなかったが、誕生日を迎える家族がいた世帯でこれほど感染リスクが増大していたことから、あらゆる種類の私的な集まりが感染拡大に大きく寄与していたことは明らかだ」と述べている。. Jena氏は、「この結果は、パンデミック中にウイルスを拡散させ得る活動について理解することの重要性を強調するものだ。また、得られた知見は、政策立案者や個人がリスクに基づく決定をする際にも重要な情報となる。さらには、今回の研究により、知り合い同士の集まりによる感染リスクを数値として示すこともできた」と成果について語っている。(HealthDay News 2021年6月21日).https://consumer.healthday.com/b-6-21-not-so-happy….Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の有病率が高い地域では、直近で誕生日を迎えた家族のいる世帯のCOVID-19への罹患リスクが、誕生日を迎えた家族がいなかった世帯よりも30%高い可能性のあることが報告された。研究論文の上席著者である、米ハーバード大学医学大学院准教授のAnupam Jena氏は、「このような集まりは、家族や社会全体を団結させる上で重要だ。しかし、リスクの高い地域では、それが家族に感染を広める原因になる可能性がある」と述べている。この研究の詳細は、「JAMA Internal Medicine」に6月21日掲載された。. 米国では2020年初頭のCOVID-19流行以来、学校閉鎖やリモートワークの拡大、大規模イベントや集会の禁止など、さまざまな感染対策が講じられてきたにもかかわらず、感染者数は増加の一途をたどった。専門家たちは、私的に催される小規模の集まりが感染拡大の一因である可能性を示唆してきたが、大規模な接触者追跡や診断テストを行わない限り、このリスクを数字として割り出すことは困難である。. そのような中、Jena氏らは、ある企業保険(Castlight Health)のデータベースを用いて、同保険に加入している292万6,530世帯(653万5,987人)の2020年1月1日〜11月8日までのデータを解析。誕生日を迎えた家族がいる世帯で、新型コロナウイルスへの感染率が上昇するのか否かを調べた。同氏らが誕生日に着目したのは、誕生日には人々が集まって祝う場合が多いからであり、また、生年月日がCOVID-19の診断とともに診療記録や保険データベースに記録されているためである。. その結果、COVID-19の有病率が最も高いグループに分類された郡では、直近で家族が誕生日を迎えた世帯で、誕生日がなかった世帯に比べて、誕生日から2週間以内にCOVID-19の診断を受けた人が1万人あたり8.6人多いことが明らかになった。これは、家族が誕生日を迎えた世帯では、感染リスクが31%増加したことに相当するという。その一方で、COVID-19の有病率が低いグループに分類された郡では、誕生日に関連する感染率増大は認められなかったという。. 次に、誕生日を迎えたのが子どもか大人かで分類して解析を行った。その結果、COVID-19の有病率が最も高いグループに分類された郡では、大人が誕生日を迎えた世帯で、誕生日がなかった世帯と比べて、誕生日から2週間以内にCOVID-19の診断を受けた人が1万人あたり5.8人多かったのに対して、子どもが誕生日を迎えた世帯では、1万人あたり15.8人多かった。このような結果になった理由としてJena氏らは、子どもの誕生日パーティーの方が中止されない率が高かったことや、ソーシャルディスタンシングが緩みがちであったことなどが考えられると推察している。. こうした結果を受けて、論文の筆頭著者である米ランド研究所のChristopher Whaley氏は、「今回の研究では1種類のイベントについてしか検討できなかったが、誕生日を迎える家族がいた世帯でこれほど感染リスクが増大していたことから、あらゆる種類の私的な集まりが感染拡大に大きく寄与していたことは明らかだ」と述べている。. Jena氏は、「この結果は、パンデミック中にウイルスを拡散させ得る活動について理解することの重要性を強調するものだ。また、得られた知見は、政策立案者や個人がリスクに基づく決定をする際にも重要な情報となる。さらには、今回の研究により、知り合い同士の集まりによる感染リスクを数値として示すこともできた」と成果について語っている。(HealthDay News 2021年6月21日).https://consumer.healthday.com/b-6-21-not-so-happy….Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.