ダウン症候群の小児では白血病リスクが高いことが、米カリフォルニア大学のEmily C. Marlow氏らの後ろ向きコホート研究で明らかになった。詳細は、「The Journal of Pediatrics」に3月5日掲載された。 著者らは、ダウン症候群の小児を対象に白血病リスクを評価する大規模後ろ向きコホート研究を実施した。1996年1月1日~2016年12月30日に生まれた小児で、米国の7つのヘルスケアシステムまたはカナダのオンタリオ州の健康保険に加入登録している390万5,399例の追跡調査を実施した。追跡期間は、出生からがん診断までの期間、死亡までの期間、ヘルスケアシステムまたは健康保険の登録解除までの期間、15歳になるまでの期間、または2016年12月31日の追跡調査終了までの期間とした。ヘルスケアシステム、白血病の診断年齢、出生年および性別で調整したCox比例ハザードモデルを用いて、ダウン症候群の小児における白血病リスクを評価した。 白血病と診断されたのは、ダウン症候群の小児では4,401例中124例、ダウン症候群ではない小児では390万988例中1,941例であった。ダウン症候群の小児において、4歳時の急性骨髄性白血病(AML)の累積発症率は1,405例/10万人〔95%信頼区間(CI)1,076~1,806例/10万人〕であり、この数値は14歳時まで変化しなかった。しかし、急性リンパ性白血病(ALL)の累積発症率は、4歳時で1,059例/10万人(同755~1,451例/10万人)であったのが14歳時には1,714例/10万人(同1,264~2,276例/10万人)へと上昇していた。 ダウン症候群の小児では、その他の小児と比較して、5歳になる前にAMLを発症するリスクが有意に高く〔ハザード比(HR)399、95%CI 281~566〕、5歳になる前の巨核芽球性白血病の発症リスクはさらに高かった(同1,500、555~4,070)。また、年齢にかかわらず、ダウン症候群の小児では、その他の小児と比べてALLのリスクが有意に高かった(5歳未満でHR 28、95%CI 20~40、5歳以上でHR 21、95%CI 12~38)。 著者らは、「ダウン症候群の小児に対して放射線を用いた画像検査を行うと白血病リスクが高くなる可能性があることを考慮すると、ファーストラインの画像検査では、放射線を使わない超音波検査やMRI検査などを選択する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2021年4月20日)https://consumer.healthday.com/down-syndrome-tied-….Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
ダウン症候群の小児では白血病リスクが高いことが、米カリフォルニア大学のEmily C. Marlow氏らの後ろ向きコホート研究で明らかになった。詳細は、「The Journal of Pediatrics」に3月5日掲載された。 著者らは、ダウン症候群の小児を対象に白血病リスクを評価する大規模後ろ向きコホート研究を実施した。1996年1月1日~2016年12月30日に生まれた小児で、米国の7つのヘルスケアシステムまたはカナダのオンタリオ州の健康保険に加入登録している390万5,399例の追跡調査を実施した。追跡期間は、出生からがん診断までの期間、死亡までの期間、ヘルスケアシステムまたは健康保険の登録解除までの期間、15歳になるまでの期間、または2016年12月31日の追跡調査終了までの期間とした。ヘルスケアシステム、白血病の診断年齢、出生年および性別で調整したCox比例ハザードモデルを用いて、ダウン症候群の小児における白血病リスクを評価した。 白血病と診断されたのは、ダウン症候群の小児では4,401例中124例、ダウン症候群ではない小児では390万988例中1,941例であった。ダウン症候群の小児において、4歳時の急性骨髄性白血病(AML)の累積発症率は1,405例/10万人〔95%信頼区間(CI)1,076~1,806例/10万人〕であり、この数値は14歳時まで変化しなかった。しかし、急性リンパ性白血病(ALL)の累積発症率は、4歳時で1,059例/10万人(同755~1,451例/10万人)であったのが14歳時には1,714例/10万人(同1,264~2,276例/10万人)へと上昇していた。 ダウン症候群の小児では、その他の小児と比較して、5歳になる前にAMLを発症するリスクが有意に高く〔ハザード比(HR)399、95%CI 281~566〕、5歳になる前の巨核芽球性白血病の発症リスクはさらに高かった(同1,500、555~4,070)。また、年齢にかかわらず、ダウン症候群の小児では、その他の小児と比べてALLのリスクが有意に高かった(5歳未満でHR 28、95%CI 20~40、5歳以上でHR 21、95%CI 12~38)。 著者らは、「ダウン症候群の小児に対して放射線を用いた画像検査を行うと白血病リスクが高くなる可能性があることを考慮すると、ファーストラインの画像検査では、放射線を使わない超音波検査やMRI検査などを選択する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2021年4月20日)https://consumer.healthday.com/down-syndrome-tied-….Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.