前立腺・肺・大腸・卵巣(PLCO)がんスクリーニング試験において、サーファクタントプロテインB前駆体型、がん抗原125、がん胎児性抗原、サイトケラチン19フラグメント(シフラ)の4つのマーカータンパク質パネル(4MP)を、これらのがんのリスク予測モデルPLCOm2012と組み合わせることでリスク評価が向上し、肺がんスクリーニングの候補者特定に役立つ可能性が、「Journal of Clinical Oncology」3月10日号に報告された。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJohannes F. Fahrmann氏らは、盲検化有効性研究で、4MPとPLCOm2012を組み合わせた場合の評価能を、現在の米国予防医学専門委員会(USPSTF)のスクリーニング基準と比較。肺がん診断前に得られたがん症例1,299人およびがんのない8,709人の血清について4MP検査を実施。その結果、4MP単独の場合、ROC曲線下面積(AUC)は、がんの診断前1年以内の検体で0.79、全検体で0.74だった。一方、4MPとPLCOm2012を組み合わせた場合、がんの診断前1年以内の検体でAUCは0.85だった。組み合わせモデルでの4MPのベネフィットは、高い感度と特異度に起因していた。組み合わせモデルにより、USPSTFの基準と比べて感度と特異度が有意に向上し、本試験に参加した10パックイヤー以上(1日の喫煙箱数×喫煙年数が10年以上)の喫煙者で肺がんが9.2%多く特定され、がんのない人の専門医への紹介が13.7%低下した。著者らは、「肺がんスクリーニング・プログラムを改善し、個別のリスク評価により肺がんの負担を減らす上で、この知見には重要な意味がある」と述べている。著者らのうち数名はバイオ医薬品業界との利益相反(COI)を開示し、がん早期検出のバイオマーカーに関する知的財産を報告している。(HealthDay News 2022年1月25日)https://consumer.healthday.com/biomarker-panel-plco-prediction-model-ups-lung-ca-risk-assessment-2656332606.html.Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock