皮膚科志望の学生では他科志望の学生と比べて、人種/民族、性的指向の多様性が低いという研究結果が、「JAMA Dermatology」に11月16日掲載された。.米ミネソタ大学のYi Gao氏らは、2016～2019年のAssociation of American Medical Colleges Graduation Questionnairesのデータを用いた反復横断研究の二次解析として、皮膚科志望と他科志望の医学部卒業生の間で、性、人種/民族、性的指向別に、希望するキャリア目標を比較した。.研究対象となった医学部卒業生5万8,077人〔うち女性は2万8,489人（49.0％）〕のうち、医療専門分野でのマイノリティの人種/民族（URM）が8,447人（14.5％）、性的マイノリティ（SM）が3,641人（6.3％）含まれていた。.解析の結果、皮膚科志望女子学生は他科志望女子学生に比べ、URMまたはSMの割合が低いことが明らかになった（それぞれ11.6％ vs 17.2％；1.9％ vs 5.7％、ともにp＜0.001、Pearsonのχ2検定）。多変量ロジスティック回帰分析からは、皮膚科志望学生は、「十分な医療サービスを受けていない集団に対するケア」、「医療提供体制が脆弱な地域での活動」、「公衆衛生の実践」をキャリア目標とする割合が他科志望の学生より低いことが判明した〔それぞれ、調整オッズ比：0.40、95％CI：0.35-0.47；0.40、0.34-0.47；0.44、0.38-0.51（いずれもp＜0.001）〕。一方、皮膚科での研究継続希望者の割合は高かった（同1.76、1.57-1.97、p＜0.001）。また、皮膚科志望学生では、女性、URM、SMが、「十分な医療サービスを受けていない集団に対するケア」と「公衆衛生の実践」を志向するオッズの上昇と独立に関連していた。.著者らは、「健康格差に対処し、十分な医療サービスを受けられない患者のケアと不十分な医療提供体制を改善することは、全ての皮膚科医の責任である。この点に対処するために、皮膚科の人材パイプラインにおいて、多様性が低い地域や医療体制の不備な地域での医療活動への関心を高める努力が必要である」と述べている。（HealthDay News 2022年11月16日）.https://consumer.healthday.com/diversity-gaps-persist-in-dermatology-workforce-pipeline-2658648993.html.Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
皮膚科志望の学生では他科志望の学生と比べて、人種/民族、性的指向の多様性が低いという研究結果が、「JAMA Dermatology」に11月16日掲載された。.米ミネソタ大学のYi Gao氏らは、2016～2019年のAssociation of American Medical Colleges Graduation Questionnairesのデータを用いた反復横断研究の二次解析として、皮膚科志望と他科志望の医学部卒業生の間で、性、人種/民族、性的指向別に、希望するキャリア目標を比較した。.研究対象となった医学部卒業生5万8,077人〔うち女性は2万8,489人（49.0％）〕のうち、医療専門分野でのマイノリティの人種/民族（URM）が8,447人（14.5％）、性的マイノリティ（SM）が3,641人（6.3％）含まれていた。.解析の結果、皮膚科志望女子学生は他科志望女子学生に比べ、URMまたはSMの割合が低いことが明らかになった（それぞれ11.6％ vs 17.2％；1.9％ vs 5.7％、ともにp＜0.001、Pearsonのχ2検定）。多変量ロジスティック回帰分析からは、皮膚科志望学生は、「十分な医療サービスを受けていない集団に対するケア」、「医療提供体制が脆弱な地域での活動」、「公衆衛生の実践」をキャリア目標とする割合が他科志望の学生より低いことが判明した〔それぞれ、調整オッズ比：0.40、95％CI：0.35-0.47；0.40、0.34-0.47；0.44、0.38-0.51（いずれもp＜0.001）〕。一方、皮膚科での研究継続希望者の割合は高かった（同1.76、1.57-1.97、p＜0.001）。また、皮膚科志望学生では、女性、URM、SMが、「十分な医療サービスを受けていない集団に対するケア」と「公衆衛生の実践」を志向するオッズの上昇と独立に関連していた。.著者らは、「健康格差に対処し、十分な医療サービスを受けられない患者のケアと不十分な医療提供体制を改善することは、全ての皮膚科医の責任である。この点に対処するために、皮膚科の人材パイプラインにおいて、多様性が低い地域や医療体制の不備な地域での医療活動への関心を高める努力が必要である」と述べている。（HealthDay News 2022年11月16日）.https://consumer.healthday.com/diversity-gaps-persist-in-dermatology-workforce-pipeline-2658648993.html.Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
