2024年度診療報酬改定（以下、2024年度改定）に向けて、中央社会保険医療協議会（以下、中医協）での議論が最終段階を迎えようとしている。中医協は1月12日、武見敬三厚生労働大臣から2024年度改定について意見を求めるという趣旨の諮問を受けるとともに、厚生労働省（以下、厚労省）が取りまとめた「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」（以下、「議論の整理」）について了承した。.2024年度改定に当たっては、まず、社会保障審議会医療保険部会並びに医療部会が2023年12月11日に「令和6年度診療報酬改定の基本方針」（以下、「基本方針」）を取りまとめた。「議論の整理」は、これまで中医協が同改定に向けて議論してきた項目について、「基本方針」が示した4つの基本的視点と具体的方向性の項目立てに対応させる、という構成になっている。.今回の「議論の整理」は、診療報酬点数の具体的な方向を示すものではないが、2024年度改定の大きな方向性は明確になった。「議論の整理」では診療報酬に関して約200項目（再掲除く）の記載があるが、それらの大きな方向性を示す記述の部分は「新たな評価を行う」、「評価を見直す」、「要件を見直す」などに大別できる。それらのうち「新たな評価を行う」としている項目については、診療報酬を新設する可能性が極めて高い。.医療DX関連で診療報酬を新設、初・再診料を引き上げる方向で議論か.「議論の整理」で「新たな評価を行う」としている項目は、基本的視点の2番目「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」に位置づけられるものが比較的多い。.医療DXに関しては、在宅医療での診療計画の作成において居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムや電子処方箋などで取得した患者の診療情報や薬剤情報を活用する場合について、新たな評価を行う。.「地域包括ケアシステムの深化・推進」に関しては、高齢の救急患者などに対してリハビリテーション、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に提供することについて新たな評価を行うとしており、「病棟」について新たな類型ができる可能性がある。.基本的視点の1番目「現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」では、外来診療において標準的な感染防止対策を日常的に講じること、職員の賃上げを実施するなどの観点から初・再診料等の評価を見直す、としている。職員の賃上げは政府の方針として2024年度改定の改定率に組み込まれており、今後、初・再診料を引き上げる方向で具体的な議論が行われることになる。（HealthDay News 2024年1月24日）.参考文献mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00238.html.Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
2024年度診療報酬改定（以下、2024年度改定）に向けて、中央社会保険医療協議会（以下、中医協）での議論が最終段階を迎えようとしている。中医協は1月12日、武見敬三厚生労働大臣から2024年度改定について意見を求めるという趣旨の諮問を受けるとともに、厚生労働省（以下、厚労省）が取りまとめた「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」（以下、「議論の整理」）について了承した。.2024年度改定に当たっては、まず、社会保障審議会医療保険部会並びに医療部会が2023年12月11日に「令和6年度診療報酬改定の基本方針」（以下、「基本方針」）を取りまとめた。「議論の整理」は、これまで中医協が同改定に向けて議論してきた項目について、「基本方針」が示した4つの基本的視点と具体的方向性の項目立てに対応させる、という構成になっている。.今回の「議論の整理」は、診療報酬点数の具体的な方向を示すものではないが、2024年度改定の大きな方向性は明確になった。「議論の整理」では診療報酬に関して約200項目（再掲除く）の記載があるが、それらの大きな方向性を示す記述の部分は「新たな評価を行う」、「評価を見直す」、「要件を見直す」などに大別できる。それらのうち「新たな評価を行う」としている項目については、診療報酬を新設する可能性が極めて高い。.医療DX関連で診療報酬を新設、初・再診料を引き上げる方向で議論か.「議論の整理」で「新たな評価を行う」としている項目は、基本的視点の2番目「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」に位置づけられるものが比較的多い。.医療DXに関しては、在宅医療での診療計画の作成において居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムや電子処方箋などで取得した患者の診療情報や薬剤情報を活用する場合について、新たな評価を行う。.「地域包括ケアシステムの深化・推進」に関しては、高齢の救急患者などに対してリハビリテーション、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に提供することについて新たな評価を行うとしており、「病棟」について新たな類型ができる可能性がある。.基本的視点の1番目「現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」では、外来診療において標準的な感染防止対策を日常的に講じること、職員の賃上げを実施するなどの観点から初・再診料等の評価を見直す、としている。職員の賃上げは政府の方針として2024年度改定の改定率に組み込まれており、今後、初・再診料を引き上げる方向で具体的な議論が行われることになる。（HealthDay News 2024年1月24日）.参考文献mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00238.html.Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
