妊産婦虚血性脳卒中が、その後の心血管イベントリスクに関連している実態が報告された。ただし死亡リスクの有意差は、産後1年で消失するという。 妊産婦虚血性脳卒中(妊産婦IS)は妊娠に関連したまれなイベントであり、長期予後への影響は不明な点が多い。ヘルシンキ大学(フィンランド)のAnna Richardt氏らは、同国の医療記録を用いた全国規模の後ろ向きコホート研究によりこの点を検討。結果の詳細が「Neurology」に1月21日掲載された。 1987~2016年に記録されていた妊産婦IS患者は97人だった。各症例に、年齢、出産年、出産回数、居住地域をマッチングさせた、ISを発症していない妊産婦を1対3の割合で割り付け、産後の死亡、心血管疾患およびうつ病の発症リスク、機能的転帰、就業状況などを比較した。 中央値17.4年の追跡期間における死亡は、妊産婦IS群8人(8.3%)、対照群5人(1.8%)であり、前者に多かった(調整オッズ比〔aOR〕4.96〔95%信頼区間1.58~15.60〕)。ただし、初回IS発症後1年以降の死亡に限ると、同順に3人(3.3%)、5人(1.9%)であり、有意差がなかった(aOR1.75〔同0.41~7.48〕)。 主要心血管イベント(MACE〔心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中〕)の発生率(追跡期間中央値11.6年)は、妊産婦IS群6.7%、対照群0%であり、前者のMACEリスクが有意に高かった(P<0.001)。虚血性心疾患、心房細動、うっ血性心不全などの心疾患(8.9対1.1%、aOR8.57〔2.22~33.08〕)やうつ病(18.9対5.7%、aOR3.92〔1.86~8.24〕)も、妊産婦IS群に多く認められた。なお、妊産婦IS群では脳卒中の再発が5件(TIAを含めると7件)記録されており、そのうち3件は後の妊娠時に発生していた。 機能的転帰については、妊産婦IS群の83.4%が発症3カ月時点で良好(mRSスコア0~2)であり、日常生活は自立していた。中央値5.3年の追跡終了時点には、86.8%が良好な機能的転帰を示した。また、死亡例を除いた解析では、発症3カ月時点で88.0%、追跡終了時点で92.1%が、mRSスコア0~2であった。 就業状況については、中央値11.6年の追跡終了時点において、妊産婦IS群は対照群より就業率が低く(65.9対77.8%、aOR0.55〔0.32~0.94〕)、年金受給者の割合が高かった(18.2対4.8%、aOR4.55〔2.03~10.17〕)。 Richardt氏は、「追跡終了時点で、妊産婦IS群の3人に1人以上が就業していなかった。この研究結果は、虚血性脳卒中を発症した妊産婦の長期的予後を改善するために、適切な二次予防とモニタリング、そしてリハビリテーションの必要性を浮き彫りにしている」と総括している。(HealthDay News 2026年1月23日) https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/risk-for-subsequent-cardiovascular-events-higher-after-maternal-ischemic-stroke Abstract/Full Texthttps://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000214619 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock