未熟児網膜症(ROP)のスクリーニング中に得られた網膜画像を使用するディープラーニングによって、新生児の心肺疾患の発症を予測できるとする論文が、「JAMA Ophthalmology」に1月22日掲載された。米コロラド大学のPraveer Singh氏らの研究によるもので、人口統計学的情報と網膜画像データをさせたAIモデルは、気管支肺異形成症(BPD)や肺高血圧症(PH)の発症を高精度で予測するという。 未熟児はBPDやPHのリスクが高く、それらの心肺疾患を発症した場合は生涯にわたり高度のケアを要することがあり、また死亡リスクも上昇する。BPDやPHのリスク評価に際して現在は、在胎週数や出生体重、酸素曝露および人種/民族といった人口統計学的情報などから予測する手法が用いられているが、予測能は高いと言えない。一方、近年のディープラーニング技術の進歩により、網膜画像データを基に眼科以外の疾患を検出できることが明らかになってきている。未熟児にはROPのスクリーニングを全例に行うことから、その画像データを基にBPDやPHのリスクを捉えられる可能性がある。以上を背景としてSingh氏らは、ROPに関する米国内の多施設共同研究(Imaging and Informatics in Retinopathy of Prematurity study)のデータを用いた検討を行った。 この研究は、2015年6月~2020年4月に米国内の新生児集中治療室7施設においてROPのスクリーニングが施行された新生児のうち、修正週数(PMA)34週以内の網膜画像データがある493人を対象とした。このうち男児が54.2%を占め、在胎週数は後にBPDと診断された群が25.7±1.8週、正常群が27.3±1.8週だった。BPDはPMA36週時点で酸素投与を要することで定義し、PHはPMA34週時点の心エコーで診断した。全体の8割をトレーニング用セット、残りの2割を検証用セットとした。ディープラーニングでは、網膜画像データのみ、人口統計学的情報のみ、それらの併用という3種類のモデルを構築した。 ROC解析の結果、BPDの予測能は、人口統計学的情報のみのモデル(ROC曲線下面積〔AUC〕0.72)、網膜画像データのみのモデル(同0.72)であり、両者を用いたモデル(0.82)は画像のみのモデルより優れていた(P=0.002)。PHの予測能は同順に、0.68、0.91、0.91であり、両者を用いたモデルは人口統計学的情報のみのモデルより優れていた(P=0.04)。なお、臨床的にROPの兆候が見られない児の網膜画像データでトレーニングさせた場合も、予測能は維持された。 著者らは、「この研究結果は仮説を生成するものであって、より大規模で異質な集団および他の眼底検査ツールを用いた場合などで評価する必要がある」と述べている。 なお、数人の著者がバイオ医薬品企業や眼科ケアテクノロジー関連企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。(HealthDay News 2026年1月26日) https://www.healthday.com/healthpro-news/eye-care/deep-learning-model-can-predict-cardiopulmonary-disease-in-retinal-images-of-preemies Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock