非健康的な食品とされることの多いソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉が好きだけれども、体への影響も気になるという人にとっては朗報と言える研究結果が発表された。日本を含む東アジアでよく目にするタデ科植物の「イタドリ」が、加工肉の保存目的で使われている添加剤の健康への悪影響を抑制できるかもしれないという。英レディング大学のGunter Kuhnle氏らの研究結果であり、詳細は「Molecular Nutrition & Food Research」に8月12日掲載された。イタドリは、英国では生態系を乱す外来種として扱われており、成長が速くて庭を侵食したりするため、忌避されがちな植物だ。その"嫌われ者"のイタドリが、加工肉に添加されている亜硝酸塩による健康への悪影響を抑制してくれる可能性のあることが分かった。なお、亜硝酸塩を摂取すると体内で、N-ニトロソ化合物が生成される。N-ニトロソ化合物は発がん性物質の一つとされており、亜硝酸塩を多く含む食事が、大腸がんのリスクの高さと関連する可能性を指摘した研究結果が報告されている。Kuhnle氏らはまず、イタドリやローズマリー、緑茶をはじめとする植物や果物を材料として、レスベラトロールなどの成分を抽出し、抗菌活性を持つと期待される食品添加剤を作成。その添加剤を、従来の製法で作られた加工肉に加えることで、ヒトへの影響がどう変化するかを検討した。研究対象は健康な成人63人(年齢25.4±8.5歳、BMI22.3±2.1、肉摂取量254±38g/日)。通常の製法で作られた加工肉を摂取する条件や、イタドリなどから新たに作成した添加剤を追加した加工肉を摂取する条件、亜硝酸塩を除去した加工肉を摂取する条件など、いくつかの異なる条件設定の下、それぞれ300gの肉を2週間摂取してもらい、糞便中のN-ニトロソ化合物レベルを比較した。その結果、イタドリなどから作成した添加剤を用いることで、加工肉を食べても糞便中のN-ニトロソ化合物レベルが著しく低くなることが明らかになった。Kuhnle氏は、「われわれの研究結果は、加工肉摂取に伴い体内で生成され、発がんリスクに影響を及ぼす可能性のある化合物が、天然の添加物を用いることで減少することを示している」と結論付けている。また同氏は本研究結果で着目すべきこととして、「驚くべきことに、亜硝酸塩が除去されていない加工肉を食べるという条件設定でも、天然の添加物は一定の保護効果を発揮するようだ」と解説。その上で、「この結果は、防腐剤として使われている亜硝酸塩を完全に除去することができない食品でも、天然の添加物を使用することで亜硝酸塩の潜在的な悪影響を部分的に抑制できることを示唆している」と付け加えている。(HealthDay News 2021年9月24日).https://consumer.healthday.com/b-9-24-could-a-japa….Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock