料理のメニューに低カロリーであることを意味する言葉を添えておくと、人々はより多く食べてしまいやすいことが明らかになった。米ペンシルバニア州立大学のPaige Cunningham氏らの研究によるもので、詳細は「Appetite」に1月15日掲載された。.この研究は、18~65歳の成人37人(男性19人、女性18人)を対象とする無作為化クロスオーバー試験として実施された。パスタやサラダなどを昼食として用意し、11時~14時30分にかけて自由に食べてもらい、2週間以上のウォッシュアウト期間の後、再度、同じように自由に食べてもらった。その際、2回のうち1回は、カロリーが低いことを意味する「light」というラベルを料理に添え、別の回にはカロリーが高いことを意味する「filling」というラベルを添えた。実際には、同じ量を取り分けて食べた場合、カロリーが等しくなるように調理されていた。.研究参加者が摂取した量を解析した結果、「light」ラベルが添えられた場合の摂取量は、「filling」ラベルが添えられた場合に比べて重量が31±59g多く、カロリーは42±81kcal高いことが明らかになった(P<0.01)。また、食後のアンケート調査からは、「light」ラベルが添えられていた場合に満腹感が弱い傾向が観察された。.Cunningham氏は、「低カロリーとの暗示によって、人々はやや多めに食べるのかもしれない。この効果は、例えば摂取カロリーが不足気味の高齢者の食事摂取を促す手段として応用できるだろう。反対に、ダイエット中の人に選択されることを意図して、食品ラベルに『light』などの言葉を表示したとすると、影響が裏目に出て、購入者のトータルの摂取カロリーがより高くなる可能性も考えられる」と述べている。.このような暗示による影響を避けるため、食品購入時にはラベルの言葉をあてにしないことを同氏は薦めている。「まず、自分が食べるべき適切な量を知り、その上で食品を選ぶことが大切だ。選択の際には、ラベルにどのような言葉が並べられていようとも、自分の基準で選んだ方が良い」という。.一方、米セントルイスの食品栄養コンサルタントであるConnie Diekman氏は、「食品ラベルに書かれている栄養価に関する数値は、消費者が自分や家族のニーズに合った選択をする際に役立つ」と述べている。ただし同氏も、「ラベルに言葉で表現されている情報を、どのように解釈するかは人それぞれ異なる」と話す。また同氏によると、「人々が日々、自分が食べる物をどのように決定しているのかについてはまだ十分明らかになっておらず、さらなる研究が必要とされる段階」とのことだ。.Diekman氏はまた、「われわれは食べ物を選ぶ時、心の中でそれを楽しんでいるはずだ」と述べ、食事の楽しみという側面の重要性を指摘する。「体のことだけを考えて、レタスサラダを何もつけずに食べたとしたら、いくら食べても食事を楽しんだ気分になれないだろう。サラダドレッシングとして脂質を少し加えると、食事の楽しさとともに、満腹感も得やすくなる」と解説。「食品ラベルのデータを参考にして、健康的な食生活を目指してほしい。しかし、その食生活が楽しくないのであれば、たいてい長続きしないものだ」と同氏は語っている。(HealthDay News 2022年2月7日).https://consumer.healthday.com/2-7-why-calling-a-f….Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
料理のメニューに低カロリーであることを意味する言葉を添えておくと、人々はより多く食べてしまいやすいことが明らかになった。米ペンシルバニア州立大学のPaige Cunningham氏らの研究によるもので、詳細は「Appetite」に1月15日掲載された。.この研究は、18~65歳の成人37人(男性19人、女性18人)を対象とする無作為化クロスオーバー試験として実施された。パスタやサラダなどを昼食として用意し、11時~14時30分にかけて自由に食べてもらい、2週間以上のウォッシュアウト期間の後、再度、同じように自由に食べてもらった。その際、2回のうち1回は、カロリーが低いことを意味する「light」というラベルを料理に添え、別の回にはカロリーが高いことを意味する「filling」というラベルを添えた。実際には、同じ量を取り分けて食べた場合、カロリーが等しくなるように調理されていた。.研究参加者が摂取した量を解析した結果、「light」ラベルが添えられた場合の摂取量は、「filling」ラベルが添えられた場合に比べて重量が31±59g多く、カロリーは42±81kcal高いことが明らかになった(P<0.01)。また、食後のアンケート調査からは、「light」ラベルが添えられていた場合に満腹感が弱い傾向が観察された。.Cunningham氏は、「低カロリーとの暗示によって、人々はやや多めに食べるのかもしれない。この効果は、例えば摂取カロリーが不足気味の高齢者の食事摂取を促す手段として応用できるだろう。反対に、ダイエット中の人に選択されることを意図して、食品ラベルに『light』などの言葉を表示したとすると、影響が裏目に出て、購入者のトータルの摂取カロリーがより高くなる可能性も考えられる」と述べている。.このような暗示による影響を避けるため、食品購入時にはラベルの言葉をあてにしないことを同氏は薦めている。「まず、自分が食べるべき適切な量を知り、その上で食品を選ぶことが大切だ。選択の際には、ラベルにどのような言葉が並べられていようとも、自分の基準で選んだ方が良い」という。.一方、米セントルイスの食品栄養コンサルタントであるConnie Diekman氏は、「食品ラベルに書かれている栄養価に関する数値は、消費者が自分や家族のニーズに合った選択をする際に役立つ」と述べている。ただし同氏も、「ラベルに言葉で表現されている情報を、どのように解釈するかは人それぞれ異なる」と話す。また同氏によると、「人々が日々、自分が食べる物をどのように決定しているのかについてはまだ十分明らかになっておらず、さらなる研究が必要とされる段階」とのことだ。.Diekman氏はまた、「われわれは食べ物を選ぶ時、心の中でそれを楽しんでいるはずだ」と述べ、食事の楽しみという側面の重要性を指摘する。「体のことだけを考えて、レタスサラダを何もつけずに食べたとしたら、いくら食べても食事を楽しんだ気分になれないだろう。サラダドレッシングとして脂質を少し加えると、食事の楽しさとともに、満腹感も得やすくなる」と解説。「食品ラベルのデータを参考にして、健康的な食生活を目指してほしい。しかし、その食生活が楽しくないのであれば、たいてい長続きしないものだ」と同氏は語っている。(HealthDay News 2022年2月7日).https://consumer.healthday.com/2-7-why-calling-a-f….Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock