気温が高くなる夏季に、屋外に出なければならない――。そんな時に身の安全を守るための重要なヒントを、米ヒューストン・メソジスト病院の救急医であるNeil Gandhi氏が同院のサイト内に6月17日公開した。同氏は「この季節は、暑さに湿気、そして、しばしば異常気象が重なるため、事前の『備え』が特に重要な季節だ」としている。 Gandhi氏によると、「屋外で過ごすことには、心身の健康増進をはじめ、多くのメリットがある」という。しかし、夏季の屋外活動に関しては「リスクもあるため気をつけなければならない」と述べ、以下のような注意点を挙げている。 「猛暑の中に、いきなり飛び込まないことだ。屋外で活動を始めるには、慣れるまで少し時間を取ってほしい」。Gandhi氏はこのように語り、屋外活動を始めるに際しては、最初は短時間にとどめ、徐々に時間を長くしていき、体を暑熱環境に順応させるようにすることを勧めている。 また同氏は、「高温多湿な環境では発汗が増加するため、水分補給にも気を配る必要がある」と、脱水予防対策の必要性を指摘。その水分補給には、「水を飲むことが最も良い」とのことだが、「炭酸水、あるいはスイカなどの水分を多く含む果物も役立つ」と付け加えている。ただし、加糖飲料やアルコール類は脱水を助長する可能性があるため、避けることを推奨している。 Gandhi氏が次に着目するポイントは、衣類だ。暑い夏季に最適な衣類は、綿や麻などの通気性のある生地で作られた衣類だという。また、衣類は日焼け対策としても重要な意味を持つ。「日焼けはゆっくりと進行するため、重度になるまで気付かないこともある。肌に日焼け止めを塗った上に紫外線保護指数(UPF)の高い衣類を羽織れば、日光からの防御層をもう一層加えることになる」とアドバイスする。 さらに、体に熱が蓄積されて、熱中症のリスクが生じ始めている状態を認識することの大切さに言及。熱中症のハイリスク者として同氏は、屋外労働者や夏季のイベント・スポーツ大会に参加する人を挙げ、また小さい子どもや高齢者も該当するとしている。そして、めまい、筋肉のけいれん、意識の乱れ、発汗の異常といった、熱中症の警告サインに注意するよう呼び掛けている。 最後は、熱中症の警告サインを認めた場合の対応について。Gandhi氏は、「もし自分に警告サインが現れたり、そのような症状が現れている人を見かけたりしたら、すぐに涼しい場所に移動する/させること、水分を補給する/させること、症状が回復しない場合は医師の診察を受ける/させることだ」と話している。(HealthDay News 2025年6月19日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/an-er-doctors-guide-to-staying-safe-in-summer-heat Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
気温が高くなる夏季に、屋外に出なければならない――。そんな時に身の安全を守るための重要なヒントを、米ヒューストン・メソジスト病院の救急医であるNeil Gandhi氏が同院のサイト内に6月17日公開した。同氏は「この季節は、暑さに湿気、そして、しばしば異常気象が重なるため、事前の『備え』が特に重要な季節だ」としている。 Gandhi氏によると、「屋外で過ごすことには、心身の健康増進をはじめ、多くのメリットがある」という。しかし、夏季の屋外活動に関しては「リスクもあるため気をつけなければならない」と述べ、以下のような注意点を挙げている。 「猛暑の中に、いきなり飛び込まないことだ。屋外で活動を始めるには、慣れるまで少し時間を取ってほしい」。Gandhi氏はこのように語り、屋外活動を始めるに際しては、最初は短時間にとどめ、徐々に時間を長くしていき、体を暑熱環境に順応させるようにすることを勧めている。 また同氏は、「高温多湿な環境では発汗が増加するため、水分補給にも気を配る必要がある」と、脱水予防対策の必要性を指摘。その水分補給には、「水を飲むことが最も良い」とのことだが、「炭酸水、あるいはスイカなどの水分を多く含む果物も役立つ」と付け加えている。ただし、加糖飲料やアルコール類は脱水を助長する可能性があるため、避けることを推奨している。 Gandhi氏が次に着目するポイントは、衣類だ。暑い夏季に最適な衣類は、綿や麻などの通気性のある生地で作られた衣類だという。また、衣類は日焼け対策としても重要な意味を持つ。「日焼けはゆっくりと進行するため、重度になるまで気付かないこともある。肌に日焼け止めを塗った上に紫外線保護指数(UPF)の高い衣類を羽織れば、日光からの防御層をもう一層加えることになる」とアドバイスする。 さらに、体に熱が蓄積されて、熱中症のリスクが生じ始めている状態を認識することの大切さに言及。熱中症のハイリスク者として同氏は、屋外労働者や夏季のイベント・スポーツ大会に参加する人を挙げ、また小さい子どもや高齢者も該当するとしている。そして、めまい、筋肉のけいれん、意識の乱れ、発汗の異常といった、熱中症の警告サインに注意するよう呼び掛けている。 最後は、熱中症の警告サインを認めた場合の対応について。Gandhi氏は、「もし自分に警告サインが現れたり、そのような症状が現れている人を見かけたりしたら、すぐに涼しい場所に移動する/させること、水分を補給する/させること、症状が回復しない場合は医師の診察を受ける/させることだ」と話している。(HealthDay News 2025年6月19日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/an-er-doctors-guide-to-staying-safe-in-summer-heat Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock