ファストフード店などで、「フライドポテトも一緒にいかが?」と聞かれたら、「結構です」と答えた方が良いかもしれない。新たな研究によると、フライドポテトの摂取量が多いと、2型糖尿病になる確率が高まる可能性があるという。ただし、ジャガイモが良くないということではなく、フライドポテトが特に2型糖尿病リスクと強く関連しているとのことだ。 この研究は、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のWalter Willett氏らによるもので、詳細は「The BMJ」に8月6日掲載された。Willett氏は、「本研究から得られた公衆衛生上のメッセージはシンプルかつ力強いものだ。日々の食生活における小さな変化が、2型糖尿病のリスクに大きな影響を与える可能性がある。ジャガイモを使った食品の中で、特にフライドポテトを控え、代わりに健康的な全粒穀物由来の炭水化物食品を食べることで、2型糖尿病リスクを抑制可能と考えられる」と述べている。 これまでの研究から、ジャガイモの摂取が糖尿病のリスクを高める可能性が示唆されてきた。しかし、ジャガイモの調理方法によって、そのリスクは異なるとも考えられる。論文の筆頭著者である同大学院のSeyed Mohammad Mousavi氏は、「われわれは今、『ジャガイモは良いのか悪いのか?』という単純な問いを、より精密で有益な問いへと変えていく必要がある。それは『どのように調理されたジャガイモが良くないのか、そして、代わりに何を食べれば良いのか』という問いだ」と語っている。 この研究では、看護師対象研究(NHSおよびNHS II)、医療従事者対象研究(HPFS)という三つのコホート研究の参加者のうち、ベースライン時点で糖尿病や心血管疾患、がんの既往がない20万5,107人のデータが解析に用いられた。これらのコホート研究では、最長30年以上にわたり、食習慣や疾患の罹患状況が調査されてきている。食習慣の調査では、ジャガイモや全粒穀物を含む各食品の摂取頻度が把握され、さらにジャガイモの摂取については調理方法(揚げる、茹でる、焼くなど)も把握されていた。 517万5,501人年の追跡で2万2,299人が2型糖尿病を発症。BMIを含む、2型糖尿病リスクに影響を及ぼし得る因子を調整後、フライドポテトの摂取頻度が週に3回多いごとに、2型糖尿病のリスクが20%高いという有意な関連のあることが明らかになった(ハザード比1.20〔95%信頼区間1.12~1.28〕)。その一方、茹でる、焼くなどの方法で調理されたジャガイモの摂取頻度は、2型糖尿病リスクとの有意な関連が示されなかった。 また、週に3回のフライドポテトの摂取を全粒穀物、例えば全粒粉パスタや全粒粉パンなどに置き換えたとすると、2型糖尿病のリスクが19%(同14~25)低下すると推測された。さらに、フライドポテトを全粒穀物ではない精製穀物に置き換えることでも、糖尿病のリスクが15%(9~21)低下すると推測された。 Willett氏は、「炭水化物の食品が全て同じというわけではなく、さらにジャガイモという同じ食材を使って作られる料理でさえ、全て同じというわけではない。今後の食事関連のガイドライン策定に際しては、この差異に留意することが非常に重要ではないか」と述べている。(HealthDay News 2025年8月7日) https://www.healthday.com/health-news/diabetes/french-fries-linked-to-higher-odds-for-type-2-diabetes Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Brent Hofacker/Adobe Stock