年齢とともに増えがちな体重を抑制しスリムな体型を維持するには、食生活の改善と習慣的な運動の双方を実践することが、最も効果的であることを示すデータが報告された。英オックスフォード大学のShayan Aryannezhad氏(研究時点の所属は英ケンブリッジ大学に設置されている英国医学研究会議〔MRC〕の疫学部門)らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に11月21日掲載された。食事と運動の組み合わせは、健康への悪影響が強い「内臓脂肪」を抑えるという点で特に効果的だという。 Aryannezhad氏は、「体重の変化について語るとき、人々は体重計の数値のみに注目していることが多い。しかし、体重が全く同じように変化しているとしても、その意味が同じであるとは限らない。第一に、糖尿病や心臓病といった心血管代謝疾患のリスクを考える場合は、筋肉を減らさず脂肪を減らす必要がある。第二に、その脂肪も蓄積されている場所によって、健康への有害性が異なる。つまり、体重が増えたり減ったりした場合、筋肉や脂肪がどのように変化したのかを知ることが重要だ」と語っている。そして研究者らは、「2型糖尿病や脂肪肝、心臓病と強く関連しているのは『内臓脂肪』だ」と指摘している。 Aryannezhad氏らの研究では、英国の一般住民7,256人(平均年齢48.8±7.4歳、女性51.7%)を平均7.2±2.0年追跡して、食事・運動習慣と体重や体組成の変化との関連を検討した。解析の結果、食習慣が良好(地中海食の遵守度のスコアが高得点)になること、および、習慣的な運動量が増えることは、いずれも体脂肪や内臓脂肪の減少と関連があった。ただし、その関連性はあまり強くなかった。それに対して、食習慣が良好になり、かつ運動量が増えた人では、より明確な効果が認められ、特に内臓脂肪への好ましい影響という点で顕著だった。 具体的には、7.2年間の追跡期間中に食事・運動習慣がともに改善していた人は、改善も悪化もしていなかった人に比べて、体脂肪が1.86kg、内臓脂肪が149g、それぞれ少なくなっていた。しかし食習慣だけが改善していた人は、同順に0.59kg、50gの差しか生じておらず、また運動習慣だけが改善していた人も、同順に1.51kg、120gの差にとどまっていた。 論文の上席著者であるMRCの疫学部門のリーダーであるNita Forouhi氏は、「われわれの研究結果は、中年期における食生活の改善と運動量の増加は、単に体重減少につながるだけでなく、病気の予防やより健康的な老化の促進にも役立つ可能性があることを示唆している。現在のような、不健康な食生活と運動不足を助長する社会環境においてそのような生活を続けることには困難を伴うが、小さくても継続可能な変化を起こしていくことが、将来的なメリットにつながる」と述べている。(HealthDay News 2025年11月24日) https://www.healthday.com/health-news/weight-loss/staying-slim-whats-more-effective-exercise-or-healthy-eating Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock