適切な運動と食事スタイルが妊娠糖尿病のリスクを有意に低下させることを示す、新たなエビデンスが報告された。英リバプール大学のShakila Thangaratinam氏らの研究によるもので、詳細は「The BMJ」に1月7日掲載された。 妊娠糖尿病は、妊娠の進行とともに血糖値が上昇してくる病気で、早産や死産、妊娠高血圧腎症のリスクが上昇する。また出産後にも長期的には、母親および子どもともに、肥満や2型糖尿病、心臓病のリスクが高くなる。なお、妊娠中の血糖値が糖尿病の診断基準を満たすほど高い場合は、妊娠糖尿病ではなく糖尿病合併妊娠であり、より厳格な治療が必要とされる。 今回の研究から、出産年齢の女性が健康的なライフスタイルを送ることで、妊娠糖尿病のリスクが最大で20%低下する可能性が示された。論文の上席著者であるThangaratinam氏は、「われわれの研究結果は、ライフスタイルへの介入が出産前の一般的なケアとして統合されることによって、全ての女性が恩恵を受けることができることを示している。母子の健康を改善することを目的とするこのような介入はエビデンスに基づくものであって、かつ実現可能性のあるアプローチであり、公的に支援されるべきだ」と語っている。 Thangaratinam氏らの研究は、合計約3万6,000人の女性を含む、104件の過去の研究データを統合して解析するという方法で行われた。その結果、ライフスタイルの改善によって妊娠糖尿病のリスクが10~20%低下することが明らかになった。特に、ウォーキング、エアロビクス、筋力トレーニング、水泳といった運動の実践が、妊娠糖尿病の予防に最も効果的であることが分かった。論文共著者の1人であるダブリン国立産科病院(アイルランド)のFionnuala McAuliffe氏は、「妊娠は人生において特別な時期であり、この時期のライフスタイル改善は母親のみでなく、子どもの健康状態の改善にもつながる」と述べ、出産前の女性への介入の意義を強調している。 今回の研究では、どのような介入の効果が高いかという比較検討も行われた。それにより、トレーニングを受けたファシリテーターのいるグループに参加してライフスタイル改善を目指した場合に、より良好な結果が得られやすいことが分かった。ただしその一方で、教育歴の短い女性では、ライフスタイル改善のための介入から得られるメリットが限定的であるという事実も浮かび上がった。このような社会的背景を持つ女性は、ほかの女性と同等のサポートを受けられていないことを示唆するものと、研究者らは考えている。 論文の筆頭著者であるリバプール大学のJohn Allotey氏は本研究について、「これまでに行われてきた多数の臨床研究と個人レベルの詳細なデータを統合することで、ライフスタイル介入が効果的かどうかだけでなく、どのような要因が効果を左右するのかを特定することができた」と総括。そして、「妊娠糖尿病が世界中で増加し続けている現状において、全ての女性に対して有効な介入策を立案する上で、この知見は極めて重要と言える」と述べている。(HealthDay News 2026年1月13日) https://www.healthday.com/health-news/pregnancy/exercise-diet-can-help-counter-gestational-diabetes Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Viacheslav Yakobchuk/Adobe Stock