緑茶を毎日摂取する習慣のある人は、気付かないうちに健康増進効果を得ている可能性のあることが報告された。中国農業科学院茶葉研究所のMingchuan Yang氏らの研究によるもので、詳細は「Beverage Plant Research」2025年発行号に掲載された。これまでの研究報告を総括した分析の結果、お茶、特に緑茶が肥満や糖尿病、心臓病、および一部のがんのリスクを抑制することが示唆されたという。さらに、脳の機能を保護したり高齢者の筋肉の減少を遅らせたり、炎症を抑制する作用もあると考えられるとのことだ。 お茶はカメリア・シネンシスという植物の葉(ハーブティーについてはミントやカモミールなど他の植物)から作られ、古くは何世紀にもわたって薬として用いられていた。やがて日常的な飲料として、お茶が摂取されるようになった。お茶にはポリフェノールと呼ばれる植物化合物、特にカテキンが豊富に含まれており、これらがお茶の健康効果の根底にあると考えられている。 Yang氏らは、お茶の健康効果を検討したこれまでの研究報告のレビューを実施。実験室内での研究とヒトを対象とした臨床研究の双方からのエビデンスを総括した。全体として、緑茶についての研究が最も豊富であり、一方で紅茶やウーロン茶、白茶(主に中国を中心に流通しているお茶)については、研究報告数が限られていた。 緑茶に関しては、心臓の健康に良い影響を与えるとする研究結果が多数報告されていた。例えば血圧降下作用やコレステロール改善作用の報告があり、また実際に大規模な疫学研究からも、習慣的にお茶を摂取している人は心血管疾患の罹患率が低く、あらゆる原因による早期死亡のリスクが低いことが示唆されていた。さらに、体重管理や糖尿病にも効果がある可能性が指摘されていた。それらの研究では、緑茶カテキンが肥満者の減量をサポートし、代謝を改善するという機序も示されていた。 お茶が、健康的な老化をサポートする可能性も見いだされた。例えば、習慣的にお茶を飲んでいる高齢者は認知機能の低下速度が緩やかで、アルツハイマー病に関連するバイオマーカーの異常が少ない傾向のあることが報告されていた。また、お茶に含まれる一部の成分には加齢による筋肉量の減少を抑える働きがあり、高齢者の筋力と運動能力を維持・向上させる可能性も示唆されていた。 このように、茶葉を使い自分で入れたお茶にはさまざまな効果を期待できる。一方、ボトル入りのお茶やタピオカティーなどには、注意すべき点も見つかった。それらには、お茶本来の効能を打ち消してしまいかねない添加糖や人工甘味料、防腐剤が含まれていることが多いと、研究者らは指摘している。さらに、お茶には微量の農薬や重金属、マイクロプラスチックが含まれている可能性についても懸念を表明している。もっとも、一般的な摂取量であれば、これらの汚染物質が健康上の大きなリスクとなるとは考えられていない。とはいえ、毎日大量かつ長年にわたってお茶を飲む場合は影響が生じる可能性も、完全には否定できないようだ。 このほかに、鉄分やカルシウムの吸収をお茶が抑制してしまうこともあるため、ベジタリアンやそれらの栄養素が不足している人では、この点に留意すべきと研究者らは付け加えている。(HealthDay News 2026年1月29日)