これまで長年にわたり、健康のためには低炭水化物の食生活が良いと主張する人たちと、低脂肪の食生活が良いと主張する人たちの間で議論が繰り返されてきた。しかし、新たに報告された大規模なデータに基づく研究から、重要なことは主要栄養素の比率ではなく、食品としての品質であることが示唆された。米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のZhiyuan Wu氏らの研究によるもので、詳細は米国心臓病学会(ACC)発行の「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に2月11日掲載された。 この研究では、米国内の医療従事者対象調査(HPFS)に参加した男性4万2,720人、看護師健康調査(NHS)に参加した女性6万4,164人、NHS IIに参加した女性9万1,589人の30年以上にわたる追跡データが解析された。このような大規模な解析により、さまざまなスタイルの食習慣がその後の心臓の健康にどのような影響を与えるかを明らかにすることができた。 524万8,916人年の追跡期間中に、2万33件の冠動脈性心疾患(CHD)が記録されていた。解析の結果、健康的な食品類を中心とする食生活の場合、それが低炭水化物食か低脂肪食かにかかわらず、CHDのリスクが有意に低いという関連が見いだされた。反対に、精製穀物や動物性タンパク質を中心とする非健康的な食生活の場合、それが低炭水化物食か低脂肪食かにかかわらず、CHDリスクが有意に高かった。一例を示すと、非健康的な低炭水化物食の人はCHDのリスクが14%高く、健康的な低炭水化物食の人はそのリスクが15%低いことが示された。 代謝関連の検査値との関連では、低炭水化物食か低脂肪食かにかかわらず、植物性食品、全粒穀物、不飽和脂肪酸の摂取量の多い健康的な食事のスタイルは、トリグリセライド(中性脂肪)が低く、HDL(善玉)コレステロールが高く、炎症レベル(高感度C反応性蛋白)が低いことと関連していた。対照的に、精製穀物や単純糖質の多い食品(白パンや甘いスナック菓子など)および動物性脂肪を多く含む非健康的な食事のスタイルは、動脈硬化の進行につながる検査値異常と関連していた。 論文の筆頭著者であるWu氏は、過去の研究では野菜やナッツなどの多い「健康的な低炭水化物食」と、ベーコンやバターなどの多い「非健康的な低炭水化物食」を区別していなかったため、矛盾する結果が出ることが多かったと指摘。そして、「栄養成分だけに焦点を当てるだけで食品の品質を考慮しない食生活は、健康上のメリットにつながらない可能性がある」と付け加えている。 この論文に対してJACCの編集長であるHarlan Krumholz氏はACC発のリリースの中で、「本研究の結果は心臓の健康にとって最も重要なのは、人々が食べる食品の質であることを示している。炭水化物や脂肪の摂取量が少ない食事スタイルであっても、植物性食品や全粒穀物、および健康的な脂質を重視することが、心血管疾患の予後改善と関連している」と述べている。(HealthDay News 2026年2月13日) https://www.healthday.com/health-news/nutrition/food-choice-matters-more-than-low-carb-or-low-fat-labels Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Dreamstime