1日の終わりの習慣を少し変えるだけで、心臓の健康上のメリットを得られることが、新たな研究で明らかになった。就寝前の数時間、食事を控えるだけでよく、摂取カロリーは減らさなくても良いという。 この研究は、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部睡眠医学科神経学研究室のDaniela Grimaldi氏らの研究によるもので、詳細は「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」に2月12日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「体の自然な覚醒・睡眠リズムに合わせて絶食時間を調整することで、心臓、代謝、睡眠の状態を改善できる。これらは全て、心血管の健康を守るために協調して働いている」と解説している。 重要な時間帯は、就寝前の3時間だという。眠りに就く3時間前から照明を抑えて食事を控えると、睡眠中、そして翌日1日を通して、心血管代謝に関わる指標が目に見えるほど改善するとのことだ。注目すべきことは、この研究参加者は摂取カロリーを減らしたわけではなく、単に夜間の食事の時間帯を変更しただけだったという点だ。 論文の上席著者である同大学医学部概日リズム・睡眠医学センターのPhyllis Zee氏は、「時間制限食の生理学的効果を得るには、『何をどれだけ食べるか』だけでなく、『睡眠との関係でいつ食べるか』も重要だ」と話す。なお、時間制限食は、心血管代謝関連マーカーを改善し、時には古くから行われているカロリー制限に匹敵する効果をもたらす可能性があることが研究で示唆されており、近年ますます人気が高まっている。 心血管代謝関連マーカーの数値が良くないと、心臓病や2型糖尿病、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)などの慢性疾患のリスクが上昇する。時間制限食がそれを抑制する可能性が示唆されているが、これまでの時間制限食に関する研究の多くは、代謝調節の鍵となる睡眠のタイミングと絶食のタイミングが一致しているか否かを考慮せずに、どれだけ長く断食するかということに焦点を当ててきていた。 Grimaldi氏らの研究には、36~75歳で肥満・過体重に該当する39人が参加した。参加者全体を2群に分け、7週間半にわたり、介入群は夜間に13~16時間絶食し、対照群は通常通りに食事を続けた。両群ともに、就寝の3時間前に照明を抑えることとした。 解析の結果、介入群は、心血管の健康状態を表す指標に明らかな改善が認められた。例えば、夜間の血圧は3.5%低下し、心拍数も5%低下していた。研究者らは、「これらの変化は、日中の活動中に心拍数と血圧が上昇し、夜間の休息中にそれらが低下するという、より健康的な変化のパターンを反映している。昼夜のメリハリがはっきりするということは、心血管の健康状態の改善と関連している」と述べている。 さらに、介入群では、日中の血糖状態も良好となった。研究者らによると、この変化は「ブドウ糖が体内に入ると、膵臓はより効果的に反応してインスリンが分泌され、血糖値が安定することを示唆している」という。 論文では、「睡眠のタイミングに合わせた時間制限食というこのアプローチは、心血管代謝機能を改善する有望な可能性を秘めた、実用性の高い新たなライフスタイル介入と言える」と結論付けている。(HealthDay News 2026年2月21日) https://www.healthday.com/health-news/nutrition/skipping-a-late-night-snack-pays-big-benefits-for-your-heart Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock