工業的に多くの加工が加えられている「超加工食品」と呼ばれる食品の摂取量が、心筋梗塞や脳卒中、およびそれらによる死亡のリスクと関連していることが報告された。超加工食品を1日に平均9回分摂取する人は1回分摂取する人に比べて、7割近くハイリスクだという。米テキサス大学ヒューストン健康科学センターのAmier Haidar氏らの研究によるもので、詳細は「JACC Advances」に3月17日掲載された。超加工食品は、未加工の食品から工業的に抽出された物質を用いて製造される。飽和脂肪酸やでんぷん、添加糖などを多用して味が整えられ、さらに見た目をよくするための加工が施され、保存性を高めるといった目的で多くの添加物も使用されている。例としては、個別包装された焼き菓子、砂糖入りのシリアル、そのまま食べられるか、温めるだけで食べられる食品、ハムやソーセージなどの加工肉などが挙げられる。これら超加工食品の摂取量が多い食生活は不健康な食生活になりやすいと考えられ、健康リスクを高める可能性がある。Haidar氏らはこの点について、米国で行われた動脈硬化に関する疫学研究(MESA)のデータを用いて検討した。MESAの参加者は、明らかな心血管疾患のない45~84歳の米国成人。データ欠落のない6,531人(女性52.6%)を研究参加時の食事調査で把握された超加工食品の摂取量に基づき5群に分けると、最低五分位群は1日の超加工食品摂取量が1.1回分であったのに対して、最高五分位群は9.3回分摂取していた。8万3,870人年の追跡で、710件の心血管イベント(非致死性心筋梗塞、冠動脈疾患死、脳卒中、脳卒中死、蘇生された心停止)の発生が確認された。心血管イベントリスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、人種、教育歴、収入、喫煙・運動習慣、摂取エネルギー量、血圧、血清脂質、糖尿病の既往など)を調整後、超加工食品摂取量の最低五分位群に比べて最高五分位群のイベントリスクは67%高いことが分かった(ハザード比〔HR〕1.668〔95%信頼区間1.196~2.325〕)。また、1日に超加工食品を1回分多く摂取するごとに、リスクが5%上昇するという関連も認められた(HR1.052〔同1.010~1.094〕)。この結果についてHaidar氏は、「超加工食品は手軽に食べられ、便利な食品として利用されることが多い。しかしわれわれの研究結果は、適切な範囲の摂取にとどめるべきであることを示唆している」と語っている。また同氏は重要なポイントとして、「今回の研究では心血管イベントのリスクを左右する多くの因子を考慮に入れた。例えば、摂取エネルギー量や食事全体の質、肥満、高血圧、糖尿病などだ。それらの影響を考慮したにもかかわらず、超加工食品の摂取量の多さとイベントリスクとの関連の強さはほとんど変わらなかった」と付け加えている。なお、本研究のみでは、超加工食品が心血管イベントリスクを高める理由を特定することはできない。ただし先行研究からは、超加工食品は高カロリーで、糖や塩、脂肪が多く含まれていることが示されている。研究者らは、超加工食品のこのような特徴が、体重増加、炎症、体脂肪の蓄積につながる可能性があると述べている。(HealthDay News 2026年3月18日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/ultra-processed-foods-linked-to-heart-attack-stroke-cardiac-arrest Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock