運動を行う時間帯の違いが、健康状態に異なる影響を及ぼす可能性のあることを示唆するデータが報告された。朝に運動をしている人は、遅い時間帯に運動をしている人よりも、肥満や2型糖尿病などの有病率が低いという。米マサチューセッツ大学チャン医学部のPrem Patel氏らが3月29日、米国心臓病学会学術集会(ACC.26、3月28~30日、ニューオーリンズ)で発表した。Patel氏はこの研究の目的を、「どんな運動でもしないよりはした方が良いことは既に分かっているが、われわれは運動を行う最適なタイミングがあると考え、その特定を試みた」と解説。そして、「朝の時間帯に運動を行える人は、心血管代謝疾患の有病率が低い傾向にあるようだ」と述べている。この研究には、米連邦政府のサポートで行われている大規模疫学研究「All of Us」の参加者1万4,489人のデータが用いられた。研究参加者は、手首型のウェアラブルデバイスを装着して1年間にわたり生活した。この期間中、1分おきに心拍数が把握され、15分以上にわたり心拍数の上昇が続いていた場合に、運動をしていたと判定。その時間帯のパターンに基づき、参加者全体をいくつかのカテゴリーに分類した上で、疾患との関連を解析した。疾患リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、喫煙・飲酒習慣、睡眠時間、所得水準など)を調整した解析の結果、遅い時間に運動する習慣のある群に比較して、朝に頻繁に運動している群は、心血管代謝疾患を有する人が少なかった。例えば、肥満は35%、2型糖尿病は30%、高血圧は18%、高コレステロール血症は21%、冠動脈疾患は31%少なかった。これらの関連は、1日の総運動量とは独立したものであった。研究者らによると、この結果は、ウェアラブルデバイスを介して長期間収集したデータに基づき、運動量と運動のタイミングを評価した初めての大規模研究の報告だという。Patel氏は、「これまでの研究は主に、運動量、運動時間、運動強度といった点に注目してきた。しかし今では米国人の3人に1人がウェアラブルデバイスを所有しているため、分単位のデータも取得できる。その結果、新たな視点で解析できる可能性が広がった」と話している。ただし本研究は、運動をする時間帯と疾患との関連性を示しているにすぎず、朝の運動が健康の改善につながるという因果関係を示すものではない。また、仮に朝の運動がより良い健康効果をもたらすとしても、そのメカニズムは不明である。Patel氏によると、ホルモン分泌や睡眠習慣、遺伝的背景などが、本研究で観察された関連性に何らかの役割を果たしている可能性があり、さらに個人の行動や心理的側面も関係している可能性もあるという。同氏は、「朝の運動は1日を通してエネルギーレベルを高め、より健康的な食生活につながるのかもしれない」と考察を述べた上で、「あるいは単に、朝の運動を習慣としている人には、健康により注意している人が多いというだけのことかもしれない」と付け加えている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年3月20日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/early-bird-exercisers-get-the-most-health-benefits-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Taras Grebinets/Adobe Stock