2型糖尿病患者にとって、夜勤が疾患管理の支障になっていることを示唆する実態が報告された。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のRachel Gibson氏らが、糖尿病を有する医療従事者を対象に行った研究の結果であり、詳細は「Diabetic Medicine」に2月24日掲載された。この研究により、糖尿病を有する医療従事者(主に看護師と助産師)では、夜勤中には血糖変動の幅が大きくなることが明らかになった。研究者らは、この原因として、夜勤中には健康的な食事を取ることが難しい点を指摘している。論文の筆頭著者であるGibson氏は、「研究参加者が医療従事者であるにもかかわらず、夜間に健康的な食事を取る環境になく、個別の食事指導を受ける機会もない、というのは驚くべきことだ。彼らは、糖尿病管理のために『健康的な食生活を送るように』と医師からアドバイスを受けていることだろう。しかし夜間の食事の選択肢が限られていると、それを実践できないことがある」と述べている。この研究は英国の医療従事者37人を対象として、10日間にわたり連続血糖測定器と活動量計を装着して勤務してもらうとともに、食事・睡眠日誌をつけてもらった。研究参加者の主な特徴は、平均年齢48.2±7.2歳、女性89.2%で、BMI33.8±5.8、糖尿病罹病期間5.4±4.1年、自己申告によるHbA1c7.2±3.1%、夜勤を含む勤務歴15.6±11.0年。解析の結果、夜勤日には血糖変動を示す指標の一部が、夜勤明けの休日よりも有意に大きかった(平均絶対血糖変化量〔mean absolute glucose change;MAG〕はP=0.029)。エネルギー摂取量は夜勤日に最高値を示し(2,199±648kcal)、また甘い菓子類からのエネルギー摂取量の割合が、夜勤日は休日よりも高かった(13.4±12.0対7.8±11.8%〔P=0.013〕)。食事の摂取回数は夜勤日が最多であり、休日は最も少なかった(7.0±2.2対3.4±1.6回〔P<0.001〕)。研究者らによると、夜勤中にも利用可能な自動販売機や24時間営業のカフェでは、一般的に糖分や脂肪分の多い食品が販売されており、健康的な選択肢はほとんどないという。そしてシフト勤務者の多くは、食事を作り保存しておくという時間の確保が難しく、夜勤時にこのような手軽な食品に頼らざるを得ない状況にあるとのことだ。この研究ではまた、夜勤日には日勤日や休日よりも覚醒時間が長いことも分かった。具体的には、日勤日の覚醒時間が17.1±1.2時間、休日は15.8±1.3時間であるのに対して、夜勤日は22.2±2.4時間だった(P<0.001)。研究者らは、このような覚醒時間の変動も血糖コントロールに影響を与える可能性があるとしている。Gibson氏は、「われわれの研究結果は、職業がその人の行動や食生活に、いかに大きな影響を及ぼすかを明らかにしている。それにもかかわらず、多くの臨床医は患者の就労状況をあまり把握していない。2型糖尿病を診る医師は、患者の就労状況を考慮して治療にあたるべきではないか」と述べている。(HealthDay News 2026年3月30日) https://www.healthday.com/health-news/diabetes/night-shifts-are-tough-on-people-with-type-2-diabetes-study-says Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock