女性では心臓の健康状態が骨折のリスクと関連していることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のRafeka Hossain氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Regional Health-Americas」に3月27日掲載された。心血管イベントリスクが高い女性は、大腿骨近位部骨折のリスクもほぼ2倍に上るという。論文の筆頭著者であるHossain氏は、「これまでの研究でも心血管疾患と骨折リスクの関連性が示唆されていたが、大腿骨近位部骨折のリスクとの関連の強さに驚いた」と述べている。また、「心血管イベントと骨折はいずれも非常に発生頻度が高く、治療費も高額となる」とし、「両者のリスクを抑制することで高齢者の生活の質(QOL)を向上させられるのではないか」と語っている。この研究では、現在進行中の閉経後の女性を対象とする大規模観察研究「女性の健康イニシアチブ(WHI)」の参加者2万1,300人を、心血管イベントリスクの高さに基づき4群に分類し、骨折の新規発生との関連を検討した。心血管イベントリスクの評価には、米国心臓協会(AHA)が2023年に発表した、向こう10年間または30年間の心血管イベントリスクの高さを予測するツール「PREVENT」という計算式を用いた。その結果、心血管イベントのリスクが最も高い(向こう10年で20.0%以上)と予測された群は、最もリスクが低い(同5.0%未満)群と比較して、大腿骨近位部骨折のリスクが93%高いことが明らかになった(ハザード比〔HR〕1.93〔95%信頼区間1.55~2.42〕)。心血管イベントリスクが2番目に高い(向こう10年で7.5~19.9%)群も、大腿骨近位部骨折リスクが33%高かった(HR1.33〔95%信頼区間1.14~1.56〕)。また、大腿骨近位部骨折発生までの期間が、心血管イベントリスクが最も低い群は中央値20.3年であるのに対して、心血管イベントリスクが最も高い群は同15.0年と短かった。これらの結果に基づきHossain氏は、「心臓のための健康管理と骨のための健康管理は、切り離して考えるべきではない」と述べている。研究者らによると、慢性炎症、カルシウム代謝の変化、動脈硬化による骨の血流低下など、心臓と骨に悪影響を及ぼす可能性のある生物学的プロセスが数多く存在するという。閉経後のエストロゲンレベルの低下も、心血管疾患と骨量減少のリスクの双方を高め得るとのことだ。一方、心血管イベントや骨折の予防についてHossain氏は、「心血管に対して保護的に働く多くの因子、例えば習慣的な運動、カルシウムとビタミンDを豊富に含む、バランスの取れた食事、禁煙、糖尿病や高血圧などの治療は、骨を守るのにも役立つ」と解説。また、「骨折リスクを抑制する効果的な治療法は多々ある。よって、心血管イベントリスクが中等度以上と判定された場合、特に閉経後の女性では、骨の健康状態に関するスクリーニング検査を受ける必要性について、医師に相談してみる価値があるのではないか」と付け加えている。ただし研究者らは、心血管イベントのリスクスコアを骨折リスク評価の標準的ツールに組み込むには、さらなる研究による検証が必要であることを強調している。(HealthDay News 2026年3月30日) https://www.healthday.com/health-news/women-health/womens-bone-loss-tied-to-heart-health-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock