

ストレスを抱える親をサポートすることが、子どもの肥満の予防に役立つ可能性が報告された。米イェール大学医学部ストレスセンターのRajita Sinha氏らの研究によるもので、詳細は「Pediatrics」に3月6日掲載された。
この研究では、マインドフルネスのトレーニングを受けた親はストレスが低下してポジティブな感情を抱くようになり、その子どもたちの食生活が改善し、体重増加も見られなくなった。論文の上席著者であるSinha氏は、「ストレスが小児肥満の発症に大きく影響することは、すでに知られていた。しかし驚いたことに、親がストレスにうまく対処できるようになると、子育ての質が向上して、子どもの肥満リスクが低下した」と語っている。
論文中の研究背景によると、肥満の親の子どもは肥満リスクが高いことが、先行研究で示されている。研究者らによると、親のストレスが子どもの肥満の隠れた要因である可能性も指摘されており、ストレスを抱えた親は子どもの食事の調理にあまり手をかけず、ファストフードやジャンクフードに頼りがちだという。また、現行の小児肥満予防プログラムは主に栄養と運動に関する教育に重点を置いているが、その教育が持続的な改善をもたらすことは多くないとのことだ。
今回の研究では、2~5歳の子どもを持つ過体重または肥満の親をランダムに2群に分け、1群にはストレスコントロールと不健康な行動の回避に焦点を当てたマインドフルネス・トレーニングに加え、健康的な食生活と運動に関する教育介入を行った。もう一方の群(対照群)には健康的な食生活と運動に関する教育のみを行った。介入期間は両群ともに12週間で、週1回、最長2時間程度、グループ単位で実施された。この期間中、親のストレスレベルと子どもの体重をモニタリングし、また介入終了後も3カ月間、子どもの体重や食生活の変化を観察した。
解析対象となった親は114人で、平均年齢34.6±5.8歳、母親が95.6%、BMIは34.8±6.2であり、子どもは平均月齢43.5±13.5月で女児が52.6%だった。解析の結果、マインドフルネス・トレーニングを受けた群では、親のストレスが軽減して子育てを肯定的に捉えるように変化し、さらに子どもの不健康な食生活が改善された。しかし対照群ではこのような変化が認められなかった。
介入開始から介入終了後3カ月にかけて、親がマインドフルネス・トレーニングを受けた群では、BMIが85パーセンタイル(米疾病対策センター〔CDC〕による小児の過体重のカットオフ値)以上の子どもの割合には、有意な変化がなかった。それに対して対照群の子どもでは、その割合が22%から39.6%へと有意に増加していた(オッズ比6.04〔95%信頼区間1.06~34.4〕)。
Sinha氏は、「幼い子どもの親自身が、マインドフルネスなどによりストレスをコントロールする方法を身に付け、健康的な食生活と運動を実践することが、親のストレスによる体重増加という悪影響から子どもたちを守ることにつながるようだ」と述べている。(HealthDay News 2026年3月11日)
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