大半の人がパニックに陥るような状況でも冷静さを失わない人がいる。彼らはなぜ、プレッシャーがかかっても落ち着いていられるのだろうか? 新たな研究によると、その鍵は「心理的柔軟性」の高さにあるようだ。この研究は、米ビンガムトン大学のLina Begdache氏らによるもので、詳細は「Journal of American College Health」に12月30日に掲載され、3月17日に同大学からリリースが発行された。そのリリースの中で同氏は、「いつも落ち着いている人は、置かれた状況に対して考え方を適応させ、脳のリソースを使ってストレスに対処しているようだ」と説明している。Begdache氏らは、401人の大学生(平均年齢19歳、女性57%)を対象として、食生活や睡眠・運動習慣、アルコールやマリファナの使用状況などについて、匿名でのオンライン調査を行った。その解析の結果、健康的な生活習慣を心がけている人は、ストレスを受けた状況からの回復力が高いことが分かった。例えば食事に関しては、朝食の摂取頻度が週に5回以上であること(b=0.12〔95%信頼区間0.035~0.229〕、B=0.14)や、ファストフードの摂取頻度が週3回以下であること(b=0.09〔同0.001~0.196〕、B=0.10)は、心理的柔軟性を介する回復力の高さと関連していた。反対に、睡眠時間が6時間未満であること(b=-0.10〔-0.342~-0.100〕、B=-0.24)は、心理的柔軟性の不足を介して回復力の低さと関連していた。また、心理的柔軟性とは独立して、1日20分以上の運動(B=0.22、P=0.032)や、週4回以上の魚油摂取(B=0.41、P=0.017)、アルコール摂取(B=0.29、P=0.003)などは回復力の高さと直接的な関連が見られた。一方、マリファナの使用は回復力の低さと直接的に関連していた(B=-0.42、P<0.001)。Begdache氏らは既に以前の研究で、良好な食生活は回復力を高め、そうでない食生活は回復力を低下させることを報告していた。今回の研究の結果は、その関連性の“パズル”に重要な“ピース”を加えるものと言える。つまり、食生活や生活習慣と回復力の高さとの関連を形成する経路に、心理的柔軟性が部分的に関与しているということだ。同氏は「食生活や生活習慣が良好なだけでは回復力が高まるわけではないという知見は、新たな発見だ。食生活や生活習慣は心理的柔軟性を築く上で役立ち、それらの結果として、回復力のある人間が形成される」と総括。また、「心理的柔軟性が高い人は、自分の脳の中のリソースを一歩引いて評価した上でそれを活用し、感情をより上手に処理することができる」のだという。さらに同氏は、「ストレスを感じた時、われわれはストレスと一体化しているように感じてしまう。そのような時に、『自分が今、ストレスを感じている原因はこれだ。では、どうすればよいだろうか?』と考えようとする姿勢が、心理的柔軟性だ」と解説。「自分の感情を認識することで、その感情の解決策を見つけることができることもある」とアドバイスしている。ストレスからの回復力を高めたいなら、健康的な朝食を取り、毎晩少なくとも6時間の睡眠時間を確保して、体を動かし、魚油を定期的に摂ることを試してみるとよいかもしれない。(HealthDay News 2026年3月21日) https://www.healthday.com/a-to-z-health/mental-health/want-to-stress-less-start-with-these-everyday-habits Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock