心不全のために入院治療を受けた患者に対して、退院後に心臓に良い食品を提供することで、患者の生活の質(QOL)改善につながる可能性が示された。米テキサス大学(UT)サウスウェスタン医療センターのAmbarish Pandey氏らの研究の結果であり、詳細は「JAMA Cardiology」に4月8日掲載された。心不全入院後の病状管理の難しさは、退院の瞬間に始まる。退院後にはしばしば、多くの薬を正しく服用することが困難であったり、栄養価の高い食料品の入手に支障を来したりといった問題に直面する。これらの課題のうち後者に対しては、食事や食材を薬のように“処方”することが解決策になる可能性が浮かび上がった。この研究は、2024年4月~2025年10月に米国テキサス州の病院2施設で、心不全のために入院治療を受けて退院した患者を対象とするランダム化比較試験として実施された。対象者は退院後14日以内に研究参加登録された150人(年齢中央値59.5歳〔四分位範囲52.0~66.0〕、男性60.7%、左室駆出率中央値35%〔同25.0~54.0〕)であり、過半数(52.7%)が食料不安を抱えていた。対象者は(1)栄養士が立てた献立に基づき、すぐに食べられる状態にした食事を届ける群、(2)心不全治療に適した新鮮な農産物などの食材とレシピの入ったボックスを届ける群、(3)標準的な食事指導のみを行う群――という3群に1対1対1の割合で無作為に分類され、12週間追跡された。食事や食材を配達する2群において、配達完了率は93.6%であり、継続率は96.0%と高かった。追跡期間中に1人が死亡、2人が病状の悪化により脱落、6人が追跡不能となった。解析は、脱落者なども含め当初の割り付け通りに行うITT解析として行われた。その結果、食事を届ける群と食材ボックスを届ける群を比較したところ、興味深いことに、後者の方が患者に好まれることが明らかになった。具体的には、ネットプロモータースコア(当該サービスを他者に推奨する強さの指標)が、前者は7.3、後者は8.6だった(P=0.02)。この点について研究者らは、食材ボックスとして届くことで家族全員が一緒に同じ料理を食べることができ、また、文化や伝統に沿った食べ方ができるためではないかと考えている。再入院や救急外来の受診頻度に関しては群間に有意差が認められなかった。しかし患者の気分には顕著な変化が見られた。サポートを受けた群の患者はそうでない患者と比較して、QOLや身体的快適さの改善を示唆する結果も認められた。Pandey氏は、「われわれは、心不全入院後の不安定な時期に食事や食材の提供を治療として位置付ける介入を実際に実施可能か、また、患者がそれを受け入れるのかという、とても現実的な臨床課題の答えを探るためのパイロット研究として本研究を実施した。得られた結果は、食事や食材を届けるというアプローチが実現可能であるだけでなく、患者からも非常に高く評価されることを示している。特に、QOL向上と体調改善が観察されたことは、心不全患者にとって非常に重要な意味のある成果だ」と話している。(HealthDay News 2026年4月15日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/food-as-medicine-improves-life-for-heart-failure-patients Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock