複数の降圧薬を服用している人がGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)を併用した場合、めまいや失神、転倒などの低血圧関連イベントのリスクが高まることを示唆するデータが報告された。高齢者や2型糖尿病(T2DM)患者はそのリスクがより高い可能性があるという。米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部およびノースウェスタン・メディシンのMicah Eimer氏らが、米国内分泌学会年次集会(ENDO 2026、6月13~16日、シカゴ)で発表した。GLP-1RAは、代謝・心血管・腎疾患の治療薬として広く処方されている。その副作用の多くは消化器症状であるが、低血圧が生じたとの症例報告も存在する。Eimer氏らは、電子カルテデータを用いて、セマグルチド、チルゼパチド、リラグルチドのいずれかが処方開始された外来患者を対象とする、個人内比較による後向き観察研究を実施した。解析対象は、18歳以上で少なくとも2種類の降圧薬が処方され、血圧測定結果が記録されていた4万2,262人とした。GLP-1RA処方開始前後での低血圧関連イベントの発生率を評価した。低血圧関連イベントは、低血圧の新規診断、失神または前失神状態、めまい、転倒、収縮期血圧90mmHg以下の記録、昇圧薬の処方、これらで構成される複合エンドポイントとして定義した。解析の結果、GLP-1RAの処方開始後に、低血圧関連イベントの発生率が有意に上昇していた。処方開始後6カ月では、発生率が8.7%から10.2%へと増えていた(P<0.001)。同様に、開始後12カ月では、13.6%から14.3%へと増加していた(P=0.003)。開始後24カ月では、17.7%から18.1%へと増加したものの、統計学的有意差は認められなかった(P=0.061)。また、GLP-1RAが処方された患者における低血圧関連イベントは、特に65歳以上の高齢者とT2DM患者で多い傾向が認められた。具体的には、対象集団に占める高齢者の割合は37%だったのに対し、低血圧関連イベントの53%を高齢者が占めていた。同様に、T2DM患者は対象集団の63%を占めていた一方で、低血圧関連イベントの75%を占めていた。なお、40例を対象としたサブ解析では、GLP-1RAが処方された患者の約25%で、追跡期間中に降圧薬の処方薬剤数または投与量が減らされていた。これも、低血圧を回避するために降圧薬が調整された可能性を示唆するものと考えられた。また、GLP-1RA処方後の低血圧関連イベントの増加との関連は、体重変化を考慮しても維持された。Eimer氏は、「GLP-1RAの効果は絶大で私もその使用を支持する1人だが、一部の患者では低血圧に注意する必要があると考えている。既に複数の降圧薬が処方されている患者の場合、医師は注意深く経過を観察する必要があるだろう」と述べている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年6月15日) https://www.healthday.com/health-news/weight-loss/taking-glp-1s-while-on-bp-meds-may-up-your-risk-of-dizzy-spells-fainting Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://endo2026.endocrine.org/fsPopup.asp?efp=RkVJT0NBS1UyNTg5OA&PresentationID=1830383&rnd=0.3708601&mode=presInfo Press Releasehttps://news.northwestern.edu/stories/2026/06/glp-1s-tied-to-elevated-risk-of-low-blood-pressure-episodes-such-as-fainting-and-dizziness