人工甘味料を含むノンカロリーまたは低カロリーの非栄養性甘味料(non-nutritive sweeteners;NNS)は、過去数十年にわたり、砂糖に比べて健康的な代替品であると言われてきた。しかし、新たな研究によるとNNSは、腸内細菌叢などを介した機序が関与することで代謝に影響を与える可能性があるという。米タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のMeng Wang氏らが、これまでの研究報告をレビューしたほか、新たなメタ解析を実施した結果であり、詳細は「Current Atherosclerosis Reports」に6月25日掲載された。論文の筆頭著者であるWang氏は、「われわれの研究の特徴は、水やプラセボなどカロリーを含まない対照と比較することで、NNSを用いることによる摂取カロリーの変化の影響ではなく、NNS自体の直接的な生理学的影響をより詳細に検討した点にある」と解説。そして、「それぞれの臨床試験の結果を統合すると、NNSが代謝に悪影響を及ぼす可能性が示唆される」と述べている。Wang氏らの研究では、NNSの摂取が心血管代謝疾患のリスクに及ぼす影響を検討した、成人を対象とする21件のランダム化比較試験を統合解析するとともに、コホート研究の結果もレビューした。その結果、ランダム化比較試験の統合解析では、NNS群は対照群と比べて空腹時インスリン値と、長期的な血糖コントロールの指標であるHbA1cが高く、インスリン感受性の低下傾向も認められた。研究者らは、このような関連の背景にある機序の一つとして、NNS摂取による腸内細菌叢への影響が考えられるとしている。これまでの研究から、いくつかのNNSが腸内細菌叢の組成や機能を変化させる可能性が指摘されているという。また、コホート研究のレビューでは、NNSの摂取量が多い人は、2型糖尿病や心血管疾患のリスク上昇との関連も認められた。研究者らは、これらの結果からNNSが代謝に悪影響を及ぼす可能性が示唆されるものの、因果関係の確認にはさらなる研究が必要だと述べている。その一方、論文の上席著者であるタフツ大学Food is Medicine研究所のDariush Mozaffarian氏は、「加糖飲料を何杯も飲むなど、食事で大量の添加糖を摂取している人の場合、それをNNSに置き換えるというのは良い選択肢であるかもしれない」としている。ただし同氏も、「それが安全で無害だと安易に考えることはできない。できるだけ控えるというのが、賢明な選択だろう」と付け加えている。また研究者らは、米国の食品表示制度の欠陥が、この領域の研究の妨げとなっていると指摘している。現行の制度によると、メーカーはNNSの使用を明記することが義務付けられているが、その含有量を記載する必要はない。そのため、NNSの摂取量と疾患リスクの関連に関して、明確なエビデンスを構築することが困難だとしている。(HealthDay News 2026年7月6日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/study-raises-new-questions-about-artificial-sweeteners Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://link.springer.com/article/10.1007/s11883-026-01429-9 Press Releasehttps://now.tufts.edu/2026/06/30/growing-evidence-sugar-substitutes-disrupt-gut-health-and-metabolism