心筋梗塞を起こした人では、血液中からマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)が高い割合で検出され、その濃度も高いことを示すデータが報告された。サピエンツァ大学サンタンドレア病院(イタリア)のPasquale Paolisso氏らの研究によるもので、詳細は7月14日付で「European Heart Journal」に掲載された。喫煙や大気汚染も、MNPの検出と関連があるという。この論文では、「先行研究により、ヒトの臓器や組織にMNPが存在していることが既に示されている」と、研究背景が記されている。しかし、筆頭著者であるPaolisso氏によると、冠動脈(心臓の筋肉に血液を供給する動脈)の血液中にもMNPが存在するのか、また、喫煙や大気汚染などの環境要因がその存在に影響を与えるのかどうかという点については、「ほとんど知られていなかった」という。そこで同氏らは、冠動脈疾患の疑いのため造影検査を受けた患者61人を対象とする横断研究により、これらを検討した。61人のうち19人はST上昇型という治療の緊急性が高い心筋梗塞(STEMI)を起こしていた。20人は冠動脈疾患があるものの心筋梗塞は起きていない慢性冠症候群で、22人は冠動脈疾患を認めない比較対照群とされた。MNPの濃度は冠動脈と末梢血管から採血した血液で測定した。大気汚染への曝露については、検査当日と過去2年間のデータを基に評価した。STEMI群の84%で、血液中からMNPが検出された。これは、慢性冠症候群の40%や対照群の32%よりも有意に高い割合だった(P=0.002)。MNPの検出には、喫煙や大気汚染との関連も認められた。PM2.5への長期曝露量が多い人や喫煙者では、血液中からMNPが検出されやすかった。喫煙とPM2.5への高い曝露の両方に当てはまる患者では全員からMNPが検出され、反対に、非喫煙者でPM2.5への曝露量が少ない患者では12.5%にとどまった。さらに、多変量解析では、喫煙歴がMNPの検出と独立して関連する唯一の因子だった。論文の上席著者である同大学のEmanuele Barbato氏は、この研究結果について、「本研究は、MNPが心筋梗塞を引き起こすことを証明するものではない。しかし、大気汚染への曝露、血液中のMNP、そして冠動脈疾患との間に、強い関連性があることが明らかになった」と述べている。また、「喫煙歴と血液中のMNPの検出との間に強固な関連があった。これは、喫煙によってMNPが肺を介して血流に入りやすくなる可能性を示唆している。大気汚染も同じように作用するのかもしれない」と考察を加えている。ヨハネス・グーテンベルク大学(ドイツ)のAndreas Daiber氏らは、本研究に関連する論説を発表。「MNPが潜在的な健康の脅威として浮上してきている。MNPはこれまで、心血管疾患のリスク因子として過小評価されていたのではないか」と述べている。今回のPaolisso氏らの報告については、「サンプルサイズが小さいという限界点はあるが、MNPが心筋梗塞などの急性心血管イベントと関連している可能性を示す、初期の臨床的エビデンスである」と評している。(HealthDay News 2026年7月15日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/are-microplastics-linked-to-higher-heart-attack-risk Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://academic.oup.com/eurheartj/advance-article-abstract/doi/10.1093/eurheartj/ehag447/8725569?redirectedFrom=fulltext Press Releasehttps://www.escardio.org/news/press/press-releases/patients-who-suffer-heart-attack-have-more-micro-and-nanoplastic-in-their-blood/