閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、本人の記憶機能低下や認知症リスクと関連する可能性が示された。モナシュ大学(オーストラリア)のGabriel Abdelmessih氏らは、2,795人の40~70歳の成人を対象とする研究を行い、OSAと、記憶力低下や認知症リスクとの関連性を調査した。その詳細がアルツハイマー病協会発行の「Alzheimer's & Dementia」に6月29日付で掲載された。研究の結果、OSAを有する参加者は、OSAがない参加者と比べて記憶機能が低下していた。特に、治療を受けていないOSA患者では記憶成績の低下が認められた一方、治療を受けているOSA患者ではOSAがない人との間に有意な差は認められなかった。また、OSAを有する参加者では、認知症リスクを評価するCAIDEスコアも高かった。OSAは睡眠中に気道が狭くなることで、いびきや呼吸障害を引き起こす病気である。この疾患が認知機能や認知症リスクと関連する可能性は、これまでにも指摘されていた。OSAは脳への酸素の供給を阻害し、睡眠サイクルを乱すことで、脳機能に影響を与える可能性があるためだ。しかし、OSA患者は肥満、高血圧、高コレステロール血症など、認知症のほかのリスク因子を併せ持っていることが多いため、OSA自体が認知機能や記憶力にどの程度影響を及ぼしているのかを把握することが困難であった。今回の研究では、それらのリスク因子を考慮に入れることで、その疑問の答えに近づいた。年齢、性別、教育歴、OSA治療の影響を調整した解析では、OSAは記憶成績の低下と関連していた。一方、血管・生活習慣などの認知症リスク因子を含む修正版CAIDEリスクスコアを追加調整すると、OSAと記憶機能との関連は有意ではなくなった。また、OSAを有する参加者では、OSAがない参加者と比べてCAIDEリスクスコアが高かった。 研究者らはまた、アルツハイマー病のリスクを高めることが知られている遺伝子であるAPOE ε4アレルを考慮した検討も行った。その結果、OSAのみを有する人、またはOSAとAPOE ε4の両方を有する人では、OSAもAPOE ε4も持たない人と比べてCAIDEスコアが高かった。一方、APOE ε4のみを有する人では、有意な差は認められなかった。論文の筆頭著者であるAbdelmessih氏は、「OSAはよくある病気で、治療可能であるにもかかわらず、診断されていない患者も少なくない。また、認知症のリスクとの関連はあまり考慮されていない。われわれの研究結果は、中年期にOSAを発見して適切に治療・管理することが、脳の長期的な健康を支える重要な機会となる可能性を示唆している」と述べている。なお、OSAは睡眠検査によって診断され、治療には、減量や生活習慣の改善のほか、持続陽圧呼吸療法(CPAP)やマウスピースなどが用いられる。(HealthDay News 2026年7月20日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/more-evidence-links-sleep-apnea-to-dementia-and-memory-loss Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock