腹部脂肪が多くてビタミンDレベルが低い中高年者は、死亡リスクが最大で2倍以上高いことを示すデータが報告された。サンカルロス連邦大学(ブラジル)のTiago da Silva Alexandre氏らの研究の結果であり、「Diabetes, Obesity and Metabolism」に5月6日付で論文が掲載され、7月29日に同国のサンパウロ州研究財団からリリースが発行された。論文の上席著者であるAlexandre氏は、「腹部肥満はよく知られた健康上のリスク因子だ。またビタミンDはさまざまな臓器にホルモンとして作用しており、その欠乏により多くの身体機能が損なわれる。これら2つが併存すると互いに悪影響を増幅させ、死亡リスクをいっそう高める」と説明している。この研究では、英国の高齢者対象縦断研究(ELSA)のデータを用いて、5,520人(平均年齢66.6±8.9歳、女性55.2%)を6年間追跡した。ウエスト周囲長が男性は102cm超、女性は88cm超を腹部肥満と定義し、ビタミンDについては50nmol/L以上を充足、30~50nmol/Lを不十分、30nmol/L未満を欠乏と分類した。死亡リスクの解析に際しては、影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、民族、喫煙・飲酒・運動習慣、BMI、教育歴、婚姻状況、経済状態、コレステロール値、うつ症状、握力、併存疾患〔高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、骨粗鬆症ほか〕、採血検査の季節など)を統計学的に調整した。解析の結果、腹部肥満がなくビタミンDが充足している群を基準とすると、死亡リスクは、腹部肥満のないビタミンD欠乏群で1.81倍(ハザード比〔HR〕1.81〔95%信頼区間1.25~2.62〕)、腹部肥満のあるビタミンD充足群で1.47倍(HR1.47〔同1.02~2.14〕)であり、腹部肥満のあるビタミンD欠乏群で2.23倍(HR2.23〔1.50~3.33〕)であることが分かった。Alexandre氏によると、腹部脂肪が過剰に蓄積しているとそれがビタミンDを吸収してしまうため、血液中のビタミンDの循環が妨げられるのだという。「つまり、脂肪にビタミンDが存在していても、血液中の利用できる状態のビタミンDは減っているため、諸臓器の働きの調節に関わることができないということだ。ビタミンDの欠乏は免疫機能を低下させ、肥満に伴う慢性炎症を悪化させ、死亡リスクを大幅に高める可能性がある」と同氏は述べている。もともと軽度の慢性炎症状態であることの多い高齢者では、特にこの問題が顕著になりやすいという。「ビタミンDレベルが低く、腹部に過剰な脂肪があると、心血管疾患や代謝性疾患、そして筋肉量の減少を加速させる、好ましくない状態が形成される」とAlexandre氏は解説。なお、同氏らの研究グループではこれまでに、ビタミンD欠乏が筋力低下や脳の老化のリスクを高める可能性を報告してきている。ビタミンDは日光を浴びることによって体内で生成される。ただし、ビタミンDが不足している場合には、サプリメントやビタミンDが豊富な魚、牛レバー、きのこ、卵黄などの摂取が勧められる。(HealthDay News 2026年8月11日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/together-two-everyday-health-factors-double-death-risk-in-midlife-and-beyond Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://dom-pubs.pericles-prod.literatumonline.com/doi/10.1111/dom.70839 Press Releasehttps://agencia.fapesp.br/combinacao-de-gordura-abdominal-e-falta-de-vitamina-d-mais-que-dobra-risco-de-morte-apos-os-50-anos/58808