米国では多くの若年成人が、将来の心血管・腎・代謝に関する健康リスクを高める状態にあることが明らかになった。米ボストン大学のDonald Lloyd-Jones氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation:Population Health and Outcomes」に8月20日付で掲載された。平均年齢23歳という若年集団を対象とした調査で、参加者の約8割に心腎代謝(CKM)症候群の兆候が認められたという。CKM症候群とは、代謝性リスク因子、腎疾患、心血管疾患が相互に関連し、心血管疾患の発症・進行リスクを高める状態を指し、米国心臓協会(AHA)によると、その初期兆候として、高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性、糖尿病前症などが現れてくるという。Lloyd-Jones氏らは、子どもとその家族の健康状態を長期間追跡している研究(FF-CHAYA研究)の参加者、1,283人(平均年齢22.9±0.7歳、女性54.4%)から得られたデータを用いて、CKM症候群のステージを解析した。その結果、ステージ4(心臓病や腎不全の発症後)の該当者はいなかったが、40.2%がステージ1(脂肪の過剰蓄積がある状態)に該当し、さらに36.2%はステージ2(代謝リスク因子がある状態)であり、2.8%はステージ3(潜在的な心血管疾患や腎疾患がある状態)に該当し、ステージ0(リスク因子なし)は20.7%にとどまった。また、頸動脈IMT(首の動脈の血管壁の肥厚)は、CKM症候群ステージが進んでいる人ほど高値となる有意な関連があり(傾向性P<0.001)、20代前半という若年期でも、頸動脈の動脈硬化性変化がみられる可能性が示された。この結果について研究者らは、「心血管の健康状態を評価する指標である『Life's Essential 8(健康に重要な8項目)』に含まれている生活習慣や行動を、若い人たちに対して教育する必要性を強調するものだ」と述べている。なお、今回の研究では、CKM症候群のステージが進んでいる人ほどLife's Essential 8スコアが低値(高リスク)という有意な関連が認められた(傾向性P<0.001)。論文の上席著者であるLloyd-Jones氏は、「本研究により、30歳未満の成人において、CKM症候群のステージ分類とLife's Essential 8スコアは互いに補完し合うような関係にあり、動脈硬化が急速に進行して将来の心血管イベントのリスクが上昇する可能性のある人を特定するのに役立つことが示された」と解説している。 Life's Essential 8に含まれる生活習慣や行動とは、以下のとおり。 ・より良い食生活 ・より活動的な生活 ・タバコを避ける ・必要な睡眠を取る ・体重のコントロール ・コレステロールのコントロール ・血糖値のコントロール ・血圧のコントロール Lloyd-Jones氏は、「われわれは20代の若い人たちに、心血管系の健康状態を改善することを意識してほしいと考えている。私の診療経験から言えること、そして私が推奨することは、今日の健康、そして将来の健康のためにLife's Essential 8を心掛け、できる限り遵守するということだ」と話している。(HealthDay News 2026年8月21日) https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/nearly-8-in-10-young-adults-are-in-early-stages-of-metabolic-disorder-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock, Ivanko Brnjakovic (参考情報)Abstract/Full Texthttps://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCOUTCOMES.125.013042 Press Releasehttps://newsroom.heart.org/news/study-found-artery-damage-in-adults-in-their-20s-highlighting-need-for-early-cardiovascular-risk-assessment