世界の1型糖尿病の患者数が、2049年までに急速に増加する可能性のあることが分かった。ステノ糖尿病センター(デンマーク)のAnders Green氏らの研究の結果であり、詳細は第62回欧州糖尿病学会(EASD2026、9月28日~10月2日、イタリア・ミラノ)での発表が予定されている。この研究では、1型糖尿病の発症率、人口年齢分布、生存率に関する入手可能なデータに加え、各国におけるインスリン供給の歴史的変化のパターンも考慮に入れた、「DIAMOND-T1Dモデル」という新しい予測モデルを用いて、1型糖尿病の発症率、有病率、死亡率の変化を、全世界と国・地域別に予測した。その結果、世界の1型糖尿病患者数は、今後24年間で29%増加し、2025年の944万5,191人から2049年には1218万3,418人に達する可能性が示された。また、1年当たりの新規発症者数も同期間中に14%増加し、2049年には60万5,058人に達すると予測された。国別に見ると、米国では、2025年の149万2,825人から2049年には205万5,235人と50万人以上増加、英国では同期間に31万3,725人から42万551人と10万人以上増加すると予測。このほか、ドイツやイタリア、フランス、オーストラリアなどを含む高所得国では患者数の増加が予測されたが、新規発症者数は2049年も2025年とほぼ同じ水準にとどまると見込まれている。著者らによると、高所得国で予測される患者数の増加や有病率の上昇は、遺伝的要因や環境的要因に加え、これらの国々の優れた医療インフラを背景とした患者の検出率の高さを示唆するものだという。なお、日本の患者数は、2025年が13万3,800人で、2049年に14万9,097人と予測されている。一方、現在の所得水準が低い国は、今後、インスリンへのアクセスの向上や血糖値モニタリングの普及によって生存率が向上すると見込まれることから、患者数の大幅な増加が見込まれる。例えば、世界銀行により低所得国とされるモザンビークは、2025年が9,604人で、2049年は1万9,478人、低中所得国とされるタンザニアでは同じく1万9,101人、3万9,673人に増加すると予測されている。このほかに、1型糖尿病の発症は若年期に多いことも示され、2025年において新規発症例の42%を19歳以下が占めると推定された。所得水準別では、高所得国ではその割合が37%、低所得国では49%とされている。また、1型糖尿病患者の全死因による死亡者数は、2025年の36万1,383人から2049年には53万7,621人に増加すると予測。なお、2025年において1型糖尿病患者の全死因死亡の15%は19歳以下が占めると推定され、この割合は高所得国では4%と低い一方、低所得国では34%に及ぶと推定された。著者らは、「今回の研究結果は、特に医療資源の乏しい地域において、インスリンへのアクセスと医療の質を継続的に改善していく必要性を強調するものだ」と述べている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年9月1日) https://www.healthday.com/health-news/diabetes/type-1-diabetes-cases-forecast-to-surge-30-worldwide-by-2049 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://www.eurekalert.org/news-releases/1141752