短い動画中心のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のTikTokが、10代の若者の食欲に影響を及ぼす可能性を示した論文が、「Journal of Nutrition Education and Behavior」に7月2日付で掲載された。米ミネソタ大学のAdrianna Bell氏らの研究によるもので、論文の筆頭著者である同氏は、「TikTokの動画が10代の若者の空腹感を刺激し、新しい食べ物を試してみたいという興味を掻き立てている」と述べている。SNSが若者の食習慣などのライフスタイルに影響を及ぼしているとする研究結果は、既に複数件報告されている。しかし、それら先行研究から得られた知見が、TikTokにも当てはまるかは十分検討されていない。このような背景から、Bell氏らは、米国の高校生25人を対象にフォーカスグループインタビューを行い、TikTokが若者の食習慣に及ぼす影響を検討した。研究参加者は15~16歳(平均15.2±0.4歳)で女子が56%。摂食障害の既往者は除外されていた。普段、TikTokを含む約5種類のSNSを利用していて、72%はTikTokを最も頻繁に利用していると回答した。68%の参加者は平日に1日2時間以上TikTokを利用し、72%は週末に1日2時間以上利用していた。25人の参加者は四つのグループに分けられ、TikTok上の食品関連動画の捉え方や、保護者がTikTokの利用にどのように関与しているかなどについて、ファシリテーター主導によるグループインタビューが行われた。所要時間は平均43分(範囲32~53)だった。参加者は、流行のレシピ、SNSで話題の食品トレンド、レストランのレビュー、インフルエンサーによるプロモーション、日々の食事内容の紹介、広告など、食品関連のTikTokコンテンツを幅広く目にしていることを報告した。魅力的な料理の盛り付け、他のユーザーからのコメント、インフルエンサーの推薦などは、特定の食品への関心を高める可能性が示唆された。一部の参加者は、インフルエンサーに影響を受けやすい状況を報告。例えば、「筋肉隆々の男性の動画を見ると『すごいな』と思う。そして、その人のアカウントをクリックし、どんなものを食べているのか調べて、自分の食生活をそれに合わせようとすることもある」と語った。一方、広告動画は懐疑的に捉えられる傾向にあった。「企業広告の動画を作るクリエイターがいるが、彼らは信用できない。お金のためなら何でもうそをつくから」という参加者もいた。保護者については、TikTokの利用に関して重要な助言をしてくれる存在と捉えられていた。ある参加者は、「TikTokに投稿する人たちはそれぞれのライフスタイルが異なり、体型も違うということを母から教えられた。たとえ彼らが発信する情報の全てをまねしたとしても同じ結果にはならないこともある」と語り、「私はそれを、身をもって学んだ。『22日間で痩せられる』という動画をまねして痛い目に遭った」と付け加えた。研究者らは、「これらの結果は、若者向けの食品マーケティングに対する規制強化が、彼らの食生活の改善に役立つ可能性を示唆している」と述べている。また、「TikTokでおいしそうに見えた食べ物をすぐに食べたり、新しい食べ物を試したりしたいという衝動は、注意や報酬に関連する脳領域の活性化と関係している可能性がある。利用者を引き付けるSNSプラットフォームの設計や食品広告動画の出現頻度によって、食べたいという衝動がさらに強まる可能性もある」と付け加えている。ただし研究者らは、TikTok動画と10代の若者の食生活の関連をより明確に捉えるため、さらなる研究の必要性を指摘している。(HealthDay News 2026年8月21日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/tiktok-shaping-teens-appetites-diet Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock