45歳以下という比較的若い年齢で発症した2型糖尿病患者では、食事・運動療法を中心とする集中的な減量介入によって、半数以上が寛解(血糖降下薬を使わずに血糖値が糖尿病の診断基準を下回る状態)に至る可能性が示された。マギル大学(カナダ)のKaberi Dasgupta氏らが第62回欧州糖尿病学会(EASD 2026、9月28日~10月2日、イタリア・ミラノ)で発表するとともに、「The Lancet Regional Health Americas」に10月1日付で論文が掲載された。研究者らは、早期発症2型糖尿病の増加は憂慮すべき傾向だとしている。Dasgupta氏らの研究チームも、2型糖尿病は肥満に伴い発症することが多く、45歳以下で発症した場合には、より高齢になってから発症した場合よりも全体の平均余命を短縮すると述べている。しかし、同氏らの今回の研究によって、早期発症2型糖尿病と診断された場合でも、食事療法と運動療法を組み合わせた集中的な生活習慣介入によって、糖尿病を寛解に導ける可能性が示された。この研究は、カナダと英国の3施設で、肥満に早期発症2型糖尿病を併発していて、インスリン療法を受けていない18~45歳の成人患者96人(平均年齢38歳、BMI 35.2)を対象に実施された。参加者を無作為に2群に分け、一方には標準的な治療を、もう一方には減量のための強化療法を行った。主要評価項目は、24週時点での糖尿病の寛解(12週間以上にわたり血糖降下薬を服用していない状態でHbA1cが6.5%未満)の達成率だった。強化療法では、まず1日の摂取エネルギー量を800~900kcalに制限し、エネルギー比率をタンパク質30%、炭水化物50%、脂質20%とする食事療法を開始した。最初の2週間は栄養組成が調整された完全食事代替食品を摂取し、3~12週は同じ摂取エネルギー量を維持しつつ、食事代替食品に加えて通常の食品による食事を1日1回取り入れた。この期間は、タンパク質の総摂取量を60~90gとし、果物1人分、非でんぷん質の野菜2人分を取り入れた。その後の13~24週は、減量後の体重を維持するための食事療法を継続した。運動療法については、最初の12週間は週2回、研究者の指導下で有酸素運動と筋力トレーニングを行い、これに加えて週1回の自主的な運動を実施した。13~24週は自主的な運動を継続した。24週後、強化療法群では50人中27人(54%)と半数以上が寛解に至っていたが、対照群での寛解は46人中2人(4%)にとどまった。両群間では、体重減少幅にも大きな違いが認められた。具体的には、対照群は介入前の平均体重が103.2kg、介入後は102.0kgで減量幅は1.2kgであったのに対して、強化療法群では介入前100.7kg、介入後92.3kg、減量幅8.4kgだった。また、体脂肪量に着目した場合、強化療法群の減少幅は対照群よりも6.6kg大きかった。強化療法群の50人中43人、対照群の46人中6人に何らかの有害事象が報告された。主な有害事象は、低エネルギー食の開始初期に生じた便秘、めまい、頭痛、疲労感などで、いずれも解消した。重篤な有害事象は報告されなかった。研究チームはこの結果を、「早期発症2型糖尿病患者に対する体系的な生活習慣介入が、臨床的に意義のある寛解をサポートする可能性を裏付けるもの」としている。また、介入に際しては、「減量プログラムに筋力トレーニングを取り入れることがポイントとなるのではないか」と述べ、その理由を、「寛解を目指して減量をしながらも筋肉量を維持することが、長期的な代謝の健康、身体機能、および疾患の経過にとって重要な意味を持つ可能性がある」と解説している。(HealthDay News 2026年10月5日) https://www.healthday.com/health-news/diabetes/diet-and-exercise-can-reverse-early-onset-type-2-diabetes Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock