社会的孤立や孤独は疾患のない平均余命の短さと関連があり、その両方に該当する人では、いずれにも該当しない人と比べて、疾患のない平均余命が最大で6年近く短いことが示された。米テュレーン大学のLu Qi氏らの研究の結果であり、詳細は「Nature Communications」に8月20日付で掲載され、9月28日に同大学からリリースが発行された。そのリリースの中で論文の上席著者であるQi氏は、「われわれの研究結果は社会的孤立と孤独が、疾患のない平均余命に大きな影響を及ぼし得ることを明らかにした。ここでいう疾患とは、身体疾患と精神疾患の双方が含まれる」と話している。全米高齢者問題協議会(NCOA)によると、社会的孤立とは他者との関係性が乏しい、または他者との接触の機会が限られている状態を指し、孤独とは他者との絆の欠如によって引き起こされる苦痛を伴う感情を指す。つまり、たとえ社会的に孤立していても現在の人間関係に満足していれば、孤独を感じないこともある。なお、今回の研究の背景について論文には、英国や米国の中高年層の3分の1が孤独を感じていて、米国成人の3分の1が社会的孤立に該当すると推定されることが記されている。この研究では、英国の一般住民を対象とする大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータが解析に用いられた。2型糖尿病、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、神経変性疾患、がん、うつ病、不安症という7種類の疾患を抱えていない40~69歳の成人27万7,489人を追跡した。孤独や社会的孤立が、50歳からの疾患のない平均余命とどのように関連するかを比較検討した。ベースラインにおいて、孤独のみに該当する人が3.3%、社会的孤立のみに該当する人が6.8%、双方に該当する人が0.8%だった。解析の結果、孤独と社会的孤立の双方に該当する人では、いずれにも該当しない人と比べて、50歳時点での前記の7疾患のない平均余命が、女性で3.0年、男性で2.2年短いことが明らかになった。身体疾患との関連と精神疾患との関連を分けて解析した場合、女性では身体疾患(前記の7疾患のうち、うつ病と不安症を除く5疾患)のない期間が平均2.4年短く、男性では1.7年短いことが示された。一方、精神疾患(うつ病と不安症)のない平均余命の差はさらに大きく、女性で平均3.7年短く、男性で5.8年短いことが示された。特筆すべきこととして、禁煙や健康的な食事、運動、睡眠などの良好な生活習慣は、社会的孤立と疾患のない平均余命の短さとの関連を弱めることが示された。一方、孤独については、健康的な生活習慣による同様の関連の変化は統計学的に有意ではなかった。Qi氏は、「得られた結果は私にとって、驚くべきことではない。社会的孤立や孤独が死亡リスク、特に早期死亡のリスクに関連していることは先行研究からも示されている。われわれの研究結果は、それらのエビデンスをさらに補強するものである」と述べている。(HealthDay News 2026年9月25日) https://www.healthday.com/health-news/senior-health/loneliness-isolation-can-strip-away-years-of-healthy-life-large-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock