大気汚染は心臓や肺だけでなく、目にも影響を及ぼす可能性があるようだ。キング・ハーリド眼科専門病院・研究センター(サウジアラビア)のAhmed Alnabihi氏らによる研究で示されたもので、その結果は第44回欧州白内障屈折手術学会(ESCRS 2026、9月11~15日、英国・ロンドン)で発表された。Alnabihi氏は研究の背景について、「われわれは毎日、緑内障や白内障といった疾患で視力を失う患者を目にしている。これらの疾患は『加齢性の眼疾患』として分類され、あたかも加齢だけが原因であるかのように扱われている。しかし私は常に、そのような捉え方は、疾患の原因を理解する上で不十分だと感じていた」と述べている。そして、「仮に、環境因子がこれらの疾患の進行を加速させているとしたら、われわれの考え方は変わってくる。より具体的には、リスクを軽減するための対策を講じることができる可能性が生まれる」と付け加えている。Alnabihi氏らの研究チームは、研究参加者数の合計が数百万人に上る41件の研究の結果を統合して、PM2.5として知られる微小粒子状物質による大気汚染への曝露が、緑内障や白内障のリスク上昇と関連しているかを検討した。その結果、大気汚染とそれらの疾患リスクとの関連が見いだされた。なお、PM2.5は自動車の排気ガス、産業汚染物質などの中に含まれている。解析の結果、大気汚染が最も深刻な地域に住む人々は、汚染が最も少ない地域に住む人々と比べて、緑内障発症のオッズが最大70%高かった。白内障のリスクも、大気汚染の深刻な地域で一貫して高かった。これら2疾患のほかに、加齢黄斑変性(AMD)のリスクとの関連も検討された。AMDリスクに関するエビデンスは一貫性に欠けていたものの、いくつかの研究が関連性を示唆していた。PM2.5などの微小粒子状物質は、体内で炎症や酸化ストレスを引き起こすと考えられている。Alnabihi氏によると、こうした粒子状物質を含む大気汚染に長期間曝露されることで、緑内障に関係する視神経や、白内障に関係する水晶体に悪影響が及ぶ可能性があるという。研究者らは、「これらの研究結果は、より厳格な環境基準の策定や、都市部における緑地の増加、交通量の削減など、大気汚染を抑制するための取り組みの必要性を裏付けるものだ」と述べている。なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2026年9月14日) https://www.healthday.com/health-news/eye-care/air-pollution-linked-to-higher-odds-of-glaucoma-and-cataracts Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Press Releasehttps://www.escrs.org/channels/news/people-exposed-to-more-polluted-air-face-higher-risk-of-glaucoma-and-cataract https://escrs.org/channels/eurotimes-articles/air-pollution-linked-to-higher-risk-of-glaucoma-and-cataract