GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)を処方された未成年患者では、栄養素欠乏が一定の割合で認められることが報告された。米アン&ロバート・H・ルーリー小児病院のJustin Ryder氏らによる研究であり、詳細は「Childhood Obesity」に9月17日付で掲載された。この研究から、GLP-1RAが処方された未成年患者では、処方開始から1年以内に約6人に1人に栄養素欠乏またはそれに関連する健康上の問題が認められ、中でもビタミンD欠乏症が最も多く、貧血も認められたことが分かった。論文の上席著者であるRyder氏は、「今回の研究結果を通じて、GLP-1RAを未成年患者に処方する際には、栄養素欠乏と診断される前から積極的な栄養管理を行うことが重要だという認識が広まることを期待している」と述べている。GLP-1RAは、インスリン分泌や血糖値のコントロール、食欲や消化管活動の抑制といった作用を持ち、2型糖尿病の治療や減量(肥満症治療)などに用いられている。一方、未成年患者は健やかな成長や発達のために、十分なエネルギーと栄養素を必要とする。研究者らは、GLP-1RAによる食欲抑制が、未成年患者の場合、栄養素欠乏につながるのではないかと懸念している。Ryder氏も「GLP-1RAの未成年者への処方が拡大してきており、このリスクの可能性を理解する必要がある。特に成長期にビタミンD、鉄、カルシウムなどが不足すると、骨格の健康や全身的な発達に長期的な影響を及ぼす可能性もある」と話している。この研究では、2017~2022年の米国の医療費請求データを用いて、GLP-1RAの処方開始前6カ月間に栄養素欠乏または関連する合併症の診断歴がない、10~17歳のGLP-1RA新規使用患者2,031人を特定した。平均年齢は15±1.8歳、女性が61.5%で、67.2%が2型糖尿病、5.1%が前糖尿病であり、27.7%には糖尿病の診断がなかった。また、62.6%が肥満に該当した。処方されたGLP-1RAのうち、最も多かったのはリラグルチド(78.6%)で、次いでデュラグルチド(10.4%)、セマグルチド(9.1%)などだった。GLP-1RAの処方開始から1年以内に、16.8%の患者が少なくとも1つの栄養素欠乏またはそれに関連する合併症と診断されていた。最も多く認められたのはビタミンD欠乏症(12.4%)で、次いで栄養性貧血(1.5%、うち鉄欠乏性貧血1.4%)だった。さらに、GLP-1RAの処方後に栄養指導が十分に行われていない実態も明らかになった。Ryder氏は、「GLP-1RA治療の開始後には、栄養サポートが重要な役割を果たす。しかし、われわれの研究では、栄養に関するカウンセリングを受けた患者は、処方開始から30日以内でわずか5%、6カ月以内でも25%未満だった」と語っている。論文では、「GLP-1RAを処方されている未成年患者において、栄養素欠乏は十分に認識されていない重要なリスクであり、積極的かつ予防的な栄養サポートを提供する機会が十分に活用されていない。GLP-1RA治療に栄養管理を組み込むことが、未成年患者の健全な成長や長期的な転帰の改善につながる可能性がある」と結論付けられている。(HealthDay News 2026年9月24日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/weight-loss-meds-lead-to-nutritional-deficits-for-many-kids-and-teens-study-finds Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://journals.sagepub.com/doi/10.1177/21532176261486979 Press Releasehttps://www.luriechildrens.org/en/news-stories/glp-1s-linked-to-nutritional-deficiencies-in-children/