米国では、出産後に肥満症や2型糖尿病の治療に用いられるGLP-1受容体作動薬の使用を開始する女性が急増していることが、新たな研究で明らかになった。出産後6カ月以内に同薬の使用を開始した女性の割合は、2018年の0.08%から2025年初頭には1.9%となり、約24倍に増加していた。特に、過体重や肥満のある女性で増加が顕著だった。この研究は、米南カリフォルニア大学(USC)シェーファー医療政策・経済センターのSih-Ting Cai氏らによるもので、詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に10月1日付で掲載された。研究グループは、米国の民間医療保険の請求データを用い、2018年1月から2025年3月までに出産した18~49歳の女性91万1,908人、計104万4,171件の出産を対象に、出産後6カ月以内のGLP-1受容体作動薬の使用開始状況を調べた。対象となったのは、出産前180日間に同薬を受け取っていなかった女性である。その結果、出産後6カ月以内にGLP-1受容体作動薬の使用を開始した女性の割合は、2018年上半期の0.08%から2025年1~3月には1.9%に上昇していた。使用開始率が最も高かったのは2型糖尿病のある女性で、調査期間中に2.3%から16.9%へと増加していた。一方、2021年半ば以降は、過体重または肥満のある女性や、妊娠糖尿病の女性でも使用開始率が大きく上昇し、それぞれ0.4%から3.9%、0.4%から2.7%に増加していた。また、2024年下半期にGLP-1受容体作動薬の使用を開始した女性の内訳を見ると、過体重または肥満のある女性が40.4%と最も多く、次いで出産前にこれらの疾患の診断記録がなかった女性が20.7%、妊娠糖尿病の女性が20.6%、2型糖尿病の女性が18.3%を占めていた。GLP-1受容体作動薬は一般に妊娠中の使用が避けられているが、出産後は代謝異常に対する治療選択肢となる可能性がある。今回の研究では、使用開始者の61.6%が出産後3~6カ月の間に初めて処方薬を受け取っており、出産直後に使用を開始する女性は比較的少なかった。出産から使用開始までの期間の中央値は108日だった。筆頭著者のCai氏らは、出産後は妊娠に伴う代謝リスクに対処する上で重要な時期であると指摘する一方、「授乳中のGLP-1受容体作動薬への曝露に関するエビデンスは依然として限られており、出産後の使用開始が増えていることを踏まえると、さらなる研究が必要だ」と述べている。なお、今回の研究では、GLP-1受容体作動薬を使用していた女性が授乳していたかどうかは確認できなかった。また、民間医療保険の加入者のみを対象としていることや、保険を利用せずに入手した薬剤を把握できていないことなども研究の限界として挙げられている。(HealthDay News 2026年10月2日) https://www.healthday.com/health-news/weight-loss/glp-1-use-surging-among-new-mothers Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock (参考情報)Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2854751