SNSの「like(いいね!)」は、10代の中高生の脳に強力な影響をもたらすようであることが、新たな研究で示された。自分自身や仲間の写真が多数の"like"をもらうと、チョコレートを食べたり、金銭を得たりするのと同じ脳回路が活性化されるという。研究の筆頭著者である米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アーマンソン・ラブレイス脳マッピングセンターのLauren Sherman氏は、「ティーンが多数の"like"を見るとき、脳には幅広い領域の活動がみられる」と述べている。.今回の研究では13~18歳の被験者32人を対象に、それぞれ40枚の写真を投稿してもらい、被験者にその写真および受けとった"like"の数を見てもらいながら、機能的MRI(fMRI)による脳の撮像を実施した。実際は研究者が"like"の数を操作していたが、被験者はそのことを知なかった。試験中、特に活発だった脳領域の1つが、特に思春期に敏感であるとされる報酬回路の一部であったという。また、多数の"like"を見たとき、いわゆる社会脳と呼ばれる領域や視覚的注意に関連する領域にも活性化がみられた。.研究グループはさらに、被験者が"like"を押すかどうかを決定する際に、すでに付いている"like"の数に強く影響されることを明らかにした。「全く同じ写真で"like"の数が多いものと少ないものをそれぞれ半数ずつの被験者に見せたところ、"like"が多い写真を見た場合、自分も"like"を押す確率が有意に高かった。情報に対する10代の被験者の反応は、それに対する仲間の支持が多いか少ないかによって変わる」と、Sherman氏は説明する。.研究の上席著者の1人であるMirella Dapretto氏によると、実生活では中高生が友達から受ける影響はさらに強いと思われるという。「今回の研究では、見ず知らずの人同士であっても仲間の影響がみられ、脳レベルでも実際の選択でも、同調しようとする意思が表れていた。実生活で、自分にとって重要な人物が何かを支持するのを見た場合、その影響はさらに大きくなると予想できる」と、同氏は述べている。.多くの中高生や若者がインターネット上で見知らぬ人と親しくなっており、親にとっては、子どもが危険な行動をする人物により影響を受ける可能性が高まることが懸念されるとDapretto氏は話す。上席著者の1人のPatricia Greenfield氏は、「昔は親が子どもの友達を把握できていたが、何百人もの友達がいたら、それが誰なのかを知るすべがない」と指摘している。.この研究は「Psychological Science」オンライン版に5月31日掲載された。(HealthDay News 2016年6月2日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/adolescents-and-teen-health-news-719/teen-brains-rewarded-by-social-media-likes-711477.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
SNSの「like(いいね!)」は、10代の中高生の脳に強力な影響をもたらすようであることが、新たな研究で示された。自分自身や仲間の写真が多数の"like"をもらうと、チョコレートを食べたり、金銭を得たりするのと同じ脳回路が活性化されるという。研究の筆頭著者である米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アーマンソン・ラブレイス脳マッピングセンターのLauren Sherman氏は、「ティーンが多数の"like"を見るとき、脳には幅広い領域の活動がみられる」と述べている。.今回の研究では13~18歳の被験者32人を対象に、それぞれ40枚の写真を投稿してもらい、被験者にその写真および受けとった"like"の数を見てもらいながら、機能的MRI(fMRI)による脳の撮像を実施した。実際は研究者が"like"の数を操作していたが、被験者はそのことを知なかった。試験中、特に活発だった脳領域の1つが、特に思春期に敏感であるとされる報酬回路の一部であったという。また、多数の"like"を見たとき、いわゆる社会脳と呼ばれる領域や視覚的注意に関連する領域にも活性化がみられた。.研究グループはさらに、被験者が"like"を押すかどうかを決定する際に、すでに付いている"like"の数に強く影響されることを明らかにした。「全く同じ写真で"like"の数が多いものと少ないものをそれぞれ半数ずつの被験者に見せたところ、"like"が多い写真を見た場合、自分も"like"を押す確率が有意に高かった。情報に対する10代の被験者の反応は、それに対する仲間の支持が多いか少ないかによって変わる」と、Sherman氏は説明する。.研究の上席著者の1人であるMirella Dapretto氏によると、実生活では中高生が友達から受ける影響はさらに強いと思われるという。「今回の研究では、見ず知らずの人同士であっても仲間の影響がみられ、脳レベルでも実際の選択でも、同調しようとする意思が表れていた。実生活で、自分にとって重要な人物が何かを支持するのを見た場合、その影響はさらに大きくなると予想できる」と、同氏は述べている。.多くの中高生や若者がインターネット上で見知らぬ人と親しくなっており、親にとっては、子どもが危険な行動をする人物により影響を受ける可能性が高まることが懸念されるとDapretto氏は話す。上席著者の1人のPatricia Greenfield氏は、「昔は親が子どもの友達を把握できていたが、何百人もの友達がいたら、それが誰なのかを知るすべがない」と指摘している。.この研究は「Psychological Science」オンライン版に5月31日掲載された。(HealthDay News 2016年6月2日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/adolescents-and-teen-health-news-719/teen-brains-rewarded-by-social-media-likes-711477.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.