多くの人が日常的に使用している手の除菌剤について、米国食品医薬品局(FDA)が安全性の確認を要求している。FDAは先ごろ、除菌剤や関連製品の製造元に対して、製品の有効成分が実際に細菌を減らすことと、長期的に無害であることを示すデータの提供を求めた。特に懸念されるのは、妊婦や小児に対する長期的影響であるという。FDA医薬品評価センター(CDER)のJanet Woodcock氏は、「こうした製品は水や石けんが使えないときに便利だが、消費者が自分や家族に安心して使えるよう、その安全性と有効性を確認することはわれわれの責任である」と述べている。.FDAは、細菌を死滅させると謳うウェットティッシュ、ジェル、ハンドラブなどの衛生製品の有効成分について、さらに多くのデータが必要だとしている。90%の製品に使用されているアルコール(エタノール)のほか、イソプロピルアルコール、塩化ベンザルコニウムが対象になるという。.しかしFDA当局は、こうした製品が無効あるいは危険だと考えているわけではないと強調する。今回の要請は、専門家による独立諮問委員会の勧告を受けてのもの。最近の研究で、製品の消費者で尿中の殺菌成分の濃度が想定よりも高いことが判明し、こうした除菌剤は洗い流さないことから、吸収率に関する疑問が浮上したという。.一方で、米国疾病管理予防センター(CDC)は、水と石けんでの手洗いも感染症の発症・拡大を予防する最善の方法の1つだとしており、手洗いができない状況では、アルコールを60%以上含有する除菌剤を使用することを勧めている。「今の消費者は、感染症リスクの比較的低い状況でも頻繁に除菌剤を使用している」とWoodcock氏は指摘する。.手の除菌剤に関する追加データを要求する規則案については、180日間パブリックコメントを募集している。製造元は、製品の販売継続を希望する場合は1年以内に新たなデータを提出する必要がある。業界団体である米国洗浄剤協会(ACI)は今回の要請に対して、「FDAは通常時の安全性・有効性を確認する過程で、既に十分なデータを入手している」との考えを示しながらも、完全な情報の提供に努めるとコメントしている。.米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のRobert Glatter氏は、「このような審査は製品の安全性だけでなく、実際の効果を明らかにするためにも重要だ」と述べており、さらに、「手洗いで最も重要なことは、時間をかけてごしごし洗うという機械的な動作であり、特に細菌や汚れがたまりやすい指の間や爪の中に注意することが大切である。除菌剤と石けんのどちらを用いる場合でも、20秒以上手をこすり続ける必要がある」と助言している。(HealthDay News 2016年6月29日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/hygiene-health-news-396/fda-asks-how-safe-is-that-hand-sanitizer-712441.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.
多くの人が日常的に使用している手の除菌剤について、米国食品医薬品局(FDA)が安全性の確認を要求している。FDAは先ごろ、除菌剤や関連製品の製造元に対して、製品の有効成分が実際に細菌を減らすことと、長期的に無害であることを示すデータの提供を求めた。特に懸念されるのは、妊婦や小児に対する長期的影響であるという。FDA医薬品評価センター(CDER)のJanet Woodcock氏は、「こうした製品は水や石けんが使えないときに便利だが、消費者が自分や家族に安心して使えるよう、その安全性と有効性を確認することはわれわれの責任である」と述べている。.FDAは、細菌を死滅させると謳うウェットティッシュ、ジェル、ハンドラブなどの衛生製品の有効成分について、さらに多くのデータが必要だとしている。90%の製品に使用されているアルコール(エタノール)のほか、イソプロピルアルコール、塩化ベンザルコニウムが対象になるという。.しかしFDA当局は、こうした製品が無効あるいは危険だと考えているわけではないと強調する。今回の要請は、専門家による独立諮問委員会の勧告を受けてのもの。最近の研究で、製品の消費者で尿中の殺菌成分の濃度が想定よりも高いことが判明し、こうした除菌剤は洗い流さないことから、吸収率に関する疑問が浮上したという。.一方で、米国疾病管理予防センター(CDC)は、水と石けんでの手洗いも感染症の発症・拡大を予防する最善の方法の1つだとしており、手洗いができない状況では、アルコールを60%以上含有する除菌剤を使用することを勧めている。「今の消費者は、感染症リスクの比較的低い状況でも頻繁に除菌剤を使用している」とWoodcock氏は指摘する。.手の除菌剤に関する追加データを要求する規則案については、180日間パブリックコメントを募集している。製造元は、製品の販売継続を希望する場合は1年以内に新たなデータを提出する必要がある。業界団体である米国洗浄剤協会(ACI)は今回の要請に対して、「FDAは通常時の安全性・有効性を確認する過程で、既に十分なデータを入手している」との考えを示しながらも、完全な情報の提供に努めるとコメントしている。.米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のRobert Glatter氏は、「このような審査は製品の安全性だけでなく、実際の効果を明らかにするためにも重要だ」と述べており、さらに、「手洗いで最も重要なことは、時間をかけてごしごし洗うという機械的な動作であり、特に細菌や汚れがたまりやすい指の間や爪の中に注意することが大切である。除菌剤と石けんのどちらを用いる場合でも、20秒以上手をこすり続ける必要がある」と助言している。(HealthDay News 2016年6月29日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/hygiene-health-news-396/fda-asks-how-safe-is-that-hand-sanitizer-712441.html.Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.