ソーシャルメディアへの不適切な投稿が問題視されることがあるが、医師も例外ではない。米国の調査で、新人医師の72%はフェイスブックのプロフィールを個人が特定できる形で公開しており、そのうち40%には適切でない内容が含まれていることが明らかにされた。研究を率いた米ダートマス・ヒッチコック医療センター(ニューハンプシャー州レバノン)のKevin Koo氏は、「医師の不用意なソーシャルメディア利用により、患者からの信頼を損なう可能性がますます懸念される」と述べている。.複数の医療従事者団体や医療機関が、医師のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインを既に作成している。たとえば米国医師会(AMA)が2010年に発行したガイドラインでは、オンライン上では個人用と仕事用で投稿を分けるように勧め、患者と「適切な職業的距離を保つ」ことの重要性を説き、患者の個人情報を侵害しないよう呼びかけている。.しかし、米ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)のMatthew DeCamp氏は、「こうしたメッセージが医師らにどの程度届いているのかは不明である」と指摘。Koo氏もこれに同意し、「これらのガイドラインの認知度すら明らかではない」としている。.今回の研究では、2015年に米国の泌尿器科レジデントプログラムを卒業した医師281人の氏名をフェイスブックで検索した。その結果、72%の医師はプロフィールを公開していた。そのうち40%では、プロ意識に欠けるような内容、あるいは「好ましくない可能性がある」内容が投稿されていた。.プロ意識に欠ける内容として、泥酔、薬物使用、違法行為への言及または写真を含む投稿や、患者の個人情報を含む投稿などが見られた。なかには、患者名の見えるX線画像や、個人を特定できる治療の詳細(特定日の手術中の合併症など)を投稿している例もあった。.これらは明らかな間違いだと言えるが、そうとは言い切れない事例もあった。「好ましくない可能性がある」投稿としては、酒を持つ医師の写真や、政治・宗教・社会問題に対する意見の表明などが挙げられた。.では、医師はオンライン上でどう振る舞うべきなのか。DeCamp氏は、医師は自分の投稿が人々に及ぼす影響を考えるべきであり、例えば医学とは関係ない政治的主張を通すためにその立場を悪用してはならないとしている。一方で、「ガイドラインでは個人用と仕事用でアカウントを使い分けるよう推奨しているが、それは不可能だと思う。患者との交流を止めたり、個人的な投稿を全て非公開にしたりする必要はない。その代わり、投稿する前に、本当に公開したい内容なのかを慎重に考えるようにしてほしい」と、同氏は勧めている。.一方、オンライン上の医師の行動が現実にも影響を及ぼすことがあると、Koo氏らは指摘する。ある調査によれば、米国の州医事当局の92%がオンラインでの職業倫理違反に関する調査を実施しており、多くは患者やその家族からの報告によるものであったという。.今回の研究は「BJU International」オンライン版に4月9日掲載された。(HealthDay News 2017年4月17日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/is-that-your-doctor-swearing-drinking-on-facebook-721666.html.Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved..修正履歴.2017年4月25日、記事の一部を修正しました。(編集部)
ソーシャルメディアへの不適切な投稿が問題視されることがあるが、医師も例外ではない。米国の調査で、新人医師の72%はフェイスブックのプロフィールを個人が特定できる形で公開しており、そのうち40%には適切でない内容が含まれていることが明らかにされた。研究を率いた米ダートマス・ヒッチコック医療センター(ニューハンプシャー州レバノン)のKevin Koo氏は、「医師の不用意なソーシャルメディア利用により、患者からの信頼を損なう可能性がますます懸念される」と述べている。.複数の医療従事者団体や医療機関が、医師のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインを既に作成している。たとえば米国医師会(AMA)が2010年に発行したガイドラインでは、オンライン上では個人用と仕事用で投稿を分けるように勧め、患者と「適切な職業的距離を保つ」ことの重要性を説き、患者の個人情報を侵害しないよう呼びかけている。.しかし、米ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)のMatthew DeCamp氏は、「こうしたメッセージが医師らにどの程度届いているのかは不明である」と指摘。Koo氏もこれに同意し、「これらのガイドラインの認知度すら明らかではない」としている。.今回の研究では、2015年に米国の泌尿器科レジデントプログラムを卒業した医師281人の氏名をフェイスブックで検索した。その結果、72%の医師はプロフィールを公開していた。そのうち40%では、プロ意識に欠けるような内容、あるいは「好ましくない可能性がある」内容が投稿されていた。.プロ意識に欠ける内容として、泥酔、薬物使用、違法行為への言及または写真を含む投稿や、患者の個人情報を含む投稿などが見られた。なかには、患者名の見えるX線画像や、個人を特定できる治療の詳細(特定日の手術中の合併症など)を投稿している例もあった。.これらは明らかな間違いだと言えるが、そうとは言い切れない事例もあった。「好ましくない可能性がある」投稿としては、酒を持つ医師の写真や、政治・宗教・社会問題に対する意見の表明などが挙げられた。.では、医師はオンライン上でどう振る舞うべきなのか。DeCamp氏は、医師は自分の投稿が人々に及ぼす影響を考えるべきであり、例えば医学とは関係ない政治的主張を通すためにその立場を悪用してはならないとしている。一方で、「ガイドラインでは個人用と仕事用でアカウントを使い分けるよう推奨しているが、それは不可能だと思う。患者との交流を止めたり、個人的な投稿を全て非公開にしたりする必要はない。その代わり、投稿する前に、本当に公開したい内容なのかを慎重に考えるようにしてほしい」と、同氏は勧めている。.一方、オンライン上の医師の行動が現実にも影響を及ぼすことがあると、Koo氏らは指摘する。ある調査によれば、米国の州医事当局の92%がオンラインでの職業倫理違反に関する調査を実施しており、多くは患者やその家族からの報告によるものであったという。.今回の研究は「BJU International」オンライン版に4月9日掲載された。(HealthDay News 2017年4月17日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/is-that-your-doctor-swearing-drinking-on-facebook-721666.html.Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved..修正履歴.2017年4月25日、記事の一部を修正しました。(編集部)