脂肪吸引や鼻の整形といった美容外科手術を希望してインスタグラムで検索しても、信頼できる医師が見つかる可能性は低いかもしれない―。インスタグラムで美容外科に関する投稿を検索し、内容を分析した結果、米国美容外科学会(ASAPS)に認定された形成外科医による投稿は2割にも満たなかったとする研究結果が「Aesthetic Surgery Journal」8月30日オンライン版に掲載された。その一方で、専門外の医師や歯科医、美容師などによる投稿が数多く見つかったという。この研究は米ノースウェスタン・メディスンのClark Schierle氏らが実施したもの。同氏らは今回、インスタグラムで「#美容整形」「#フェイスリフト(顔面のしわやたるみを取る施術)」「#豊胸」「#タミータック(腹部のたるみを取る施術)」など美容外科に関連した21のハッシュタグが付けられた投稿を検索。ヒットした約180万件の投稿のうち、それぞれのハッシュタグごとに人気の高い9件、計189件の投稿の内容を分析した。.その結果、米国外の医師による投稿を除くと、ASAPSの認定医ではない専門外の医師による投稿が全体の26.4%を占めており、ASAPSに認定された形成外科医による投稿(17.8%)を上回っていた。非認定医の専門科は耳鼻咽喉科や皮膚科、一般外科、産婦人科、一般内科、救急科だった。また、歯科医やスパ施設、美容室のスタッフによる投稿も5.5%を占めていた。.また、これらの投稿の約7割は自らの施術を宣伝する内容で、残る3割は教育的な内容だった。なお、ASAPSに認定された形成外科医による投稿は、専門外の医師による投稿と比べて教育的な内容が多い傾向があったという。.Schierle氏によると、昨年、米ジョージア州では救急医が脂肪吸引に失敗して患者2人を死亡させ、告訴された。また、この8月にはニューヨーク市で2人の子を持つ31歳の母親が、アパートの一室で豊尻手術を受けた後に死亡している。.「問題は、医師免許があれば法的にはどんな処置でもできる能力があるとみなされることだ」と同氏は指摘する。そのため、副業で稼ぎたい医師が、ある程度の訓練を受けて形成外科の看板を掲げることもできる。なお、理容師や美容師の場合、美容整形の宣伝をするだけなら合法だが、メスや針を使った施術を行えば違法となる。.このような状況について、ASAPS会長のClyde Ishii氏は「美容外科の領域は全くの野放し状態。一般消費者は、美容外科が合併症を伴うこともある "本物の手術"であることを認識すべき」と強調。「処置を受ける前に、施術者がそれを病院で実施することが許可されているのか、また施術者は米国専門医認定機構(ABMS)が認める団体によって形成外科医として認定されているのか確認すべき」と助言している。(HealthDay News 2017年8月30日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/misc-computer-health-news-150/looking-for-a-plastic-surgeon-on-instagram-beware-725926.html.Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.
脂肪吸引や鼻の整形といった美容外科手術を希望してインスタグラムで検索しても、信頼できる医師が見つかる可能性は低いかもしれない―。インスタグラムで美容外科に関する投稿を検索し、内容を分析した結果、米国美容外科学会(ASAPS)に認定された形成外科医による投稿は2割にも満たなかったとする研究結果が「Aesthetic Surgery Journal」8月30日オンライン版に掲載された。その一方で、専門外の医師や歯科医、美容師などによる投稿が数多く見つかったという。この研究は米ノースウェスタン・メディスンのClark Schierle氏らが実施したもの。同氏らは今回、インスタグラムで「#美容整形」「#フェイスリフト(顔面のしわやたるみを取る施術)」「#豊胸」「#タミータック(腹部のたるみを取る施術)」など美容外科に関連した21のハッシュタグが付けられた投稿を検索。ヒットした約180万件の投稿のうち、それぞれのハッシュタグごとに人気の高い9件、計189件の投稿の内容を分析した。.その結果、米国外の医師による投稿を除くと、ASAPSの認定医ではない専門外の医師による投稿が全体の26.4%を占めており、ASAPSに認定された形成外科医による投稿(17.8%)を上回っていた。非認定医の専門科は耳鼻咽喉科や皮膚科、一般外科、産婦人科、一般内科、救急科だった。また、歯科医やスパ施設、美容室のスタッフによる投稿も5.5%を占めていた。.また、これらの投稿の約7割は自らの施術を宣伝する内容で、残る3割は教育的な内容だった。なお、ASAPSに認定された形成外科医による投稿は、専門外の医師による投稿と比べて教育的な内容が多い傾向があったという。.Schierle氏によると、昨年、米ジョージア州では救急医が脂肪吸引に失敗して患者2人を死亡させ、告訴された。また、この8月にはニューヨーク市で2人の子を持つ31歳の母親が、アパートの一室で豊尻手術を受けた後に死亡している。.「問題は、医師免許があれば法的にはどんな処置でもできる能力があるとみなされることだ」と同氏は指摘する。そのため、副業で稼ぎたい医師が、ある程度の訓練を受けて形成外科の看板を掲げることもできる。なお、理容師や美容師の場合、美容整形の宣伝をするだけなら合法だが、メスや針を使った施術を行えば違法となる。.このような状況について、ASAPS会長のClyde Ishii氏は「美容外科の領域は全くの野放し状態。一般消費者は、美容外科が合併症を伴うこともある "本物の手術"であることを認識すべき」と強調。「処置を受ける前に、施術者がそれを病院で実施することが許可されているのか、また施術者は米国専門医認定機構(ABMS)が認める団体によって形成外科医として認定されているのか確認すべき」と助言している。(HealthDay News 2017年8月30日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/misc-computer-health-news-150/looking-for-a-plastic-surgeon-on-instagram-beware-725926.html.Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.