細小血管障害がある人は、そうでない人に比べて発生した部位にかかわらず、下肢切断リスクが高まる可能性があることが、米バンダービルト大学医療センターのJoshua Beckman氏らの研究から明らかになった。心臓から離れた末梢動脈に狭窄のある末梢動脈疾患(PAD)を併発すると、下肢切断リスクはさらに上昇することも明らかになった。研究の詳細は「Circulation」7月8日オンライン版に掲載された。この研究は、2003~2014年に実施された退役軍人老年コホート研究(Veterans Aging Cohort Study)データを用いたもの。ベースライン時に下肢切断のない米国退役軍人12万5,674人を対象に、中央値で9.3年間の追跡を行った。.分析の結果、細小血管障害がある人は、細小血管障害がない人に比べて下肢切断リスクが3.7倍であり、全切断例の18%を占めていることが分かった。また、PADがある人では、PADがない人に比べて下肢切断リスクは13.9倍であり(全切断例の22%)、さらに、細小血管障害にPADを併発するとそのリスクは22.7倍に上る(全切断例の45%)ことが明らかになった。.これらの結果から、Beckman氏らは「網膜症や腎症、ニューロパチーなど身体のどの部位に生じたものであっても、細小血管障害は下肢切断リスクの増加と独立して関連することが分かった」と結論づけている。.Beckman氏は「今回の研究結果は、細小血管障害は全身性の疾患であるというエビデンスを裏付けるものだ」と指摘。PADについては、「PADは心臓や脳につながる動脈にも狭窄がある可能性を示す徴候と考えられてきた。PADがある患者は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を発症するリスクが高いとされている」と同氏は説明している。.また、Beckman氏は「発生した身体の部位にかかわらず、細小血管障害は他の部位の血管機能の低下と関連する可能性があり、これが患者の下肢切断リスクにつながっていると思われる」と述べている。その上で、細小血管障害のある患者は、下肢切断を防ぐために、定期的なモニタリングとフットケアで痛みや傷を早期に発見し、早期治療を行うことが必要だとしている。.さらに、「細小血管障害とPADを併発した患者は、下肢切断リスクが最も高いことも分かった。このような患者は下肢切断を防ぐためにも最大限の医学的治療が必要だ」とBeckman氏は付け加えている。(HealthDay News 2019年7月8日).https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/peripheral-artery-disease-992/small-vessel-disease-leaves-patients-vulnerable-to-leg-amputation-748054.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
細小血管障害がある人は、そうでない人に比べて発生した部位にかかわらず、下肢切断リスクが高まる可能性があることが、米バンダービルト大学医療センターのJoshua Beckman氏らの研究から明らかになった。心臓から離れた末梢動脈に狭窄のある末梢動脈疾患(PAD)を併発すると、下肢切断リスクはさらに上昇することも明らかになった。研究の詳細は「Circulation」7月8日オンライン版に掲載された。この研究は、2003~2014年に実施された退役軍人老年コホート研究(Veterans Aging Cohort Study)データを用いたもの。ベースライン時に下肢切断のない米国退役軍人12万5,674人を対象に、中央値で9.3年間の追跡を行った。.分析の結果、細小血管障害がある人は、細小血管障害がない人に比べて下肢切断リスクが3.7倍であり、全切断例の18%を占めていることが分かった。また、PADがある人では、PADがない人に比べて下肢切断リスクは13.9倍であり(全切断例の22%)、さらに、細小血管障害にPADを併発するとそのリスクは22.7倍に上る(全切断例の45%)ことが明らかになった。.これらの結果から、Beckman氏らは「網膜症や腎症、ニューロパチーなど身体のどの部位に生じたものであっても、細小血管障害は下肢切断リスクの増加と独立して関連することが分かった」と結論づけている。.Beckman氏は「今回の研究結果は、細小血管障害は全身性の疾患であるというエビデンスを裏付けるものだ」と指摘。PADについては、「PADは心臓や脳につながる動脈にも狭窄がある可能性を示す徴候と考えられてきた。PADがある患者は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を発症するリスクが高いとされている」と同氏は説明している。.また、Beckman氏は「発生した身体の部位にかかわらず、細小血管障害は他の部位の血管機能の低下と関連する可能性があり、これが患者の下肢切断リスクにつながっていると思われる」と述べている。その上で、細小血管障害のある患者は、下肢切断を防ぐために、定期的なモニタリングとフットケアで痛みや傷を早期に発見し、早期治療を行うことが必要だとしている。.さらに、「細小血管障害とPADを併発した患者は、下肢切断リスクが最も高いことも分かった。このような患者は下肢切断を防ぐためにも最大限の医学的治療が必要だ」とBeckman氏は付け加えている。(HealthDay News 2019年7月8日).https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/peripheral-artery-disease-992/small-vessel-disease-leaves-patients-vulnerable-to-leg-amputation-748054.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.