高齢者の失明原因の一つである眼疾患の加齢黄斑変性(AMD)は、自覚症状なく進行するため、定期的に眼科を受診する必要がある。米ペンシルベニア大学眼科教授のBrian VanderBeek氏らが行った研究から、AMD患者は、眼科受診を1回でも逃すと失明リスクが高まる可能性があることが示された。同氏らは「この研究結果から、AMD患者は、必ず定期的に眼科医の診察を受けるべきであることが明らかになった」と述べている。研究結果の詳細は「JAMA Ophthalmology」2月6日オンライン版に掲載された。この研究は、ベバシズマブとラニビズマブと呼ばれる抗VEGF(血管内成長因子)薬の硝子体内注射の有効性を比較検討した2年間のランダム化比較試験のデータを用いたもの。2008年2月~2009年12月に、米国内44カ所の施設から参加した新生血管を伴うAMD患者1,178人(平均年齢79.1歳、女性61.7%)を対象に、定期的な眼科受診の遵守率と視力との関係について調べた。対象患者には4週ごと、計26回、眼科を受診してもらった。ただし、抗VEGF薬の注射は毎回の受診時に必ず行ったわけではない。.研究の結果、スケジュール通りに眼科を受診しなかった患者群では、スケジュール通りに受診した患者群と比べて、視力はより大きく低下していた。定期受診を1回逃すごとに、視力文字スコアは平均で0.7低下したことが分かったという。.また、平均視力は、スケジュール通りに受診した患者群と比べて、受診日の間隔が平均36~60日開いた患者群では6.1文字少なく、60日以上開いた患者群では12.5文字少なかった。.これらの結果を踏まえ、VanderBeek氏は「AMD治療に対する医師の考え方を改める必要がある」と強調。「患者に必要な抗VEGF薬の注射回数を予測することも大事だが、それ以上に、患者に通院を継続してもらうような方策を考えることに労力を費やすべきだ」と述べている。.米疾病対策センター(CDC)によると、AMDは、50歳以上の米国人における失明原因の第一位を占めている。米国のAMD患者数は約180万人に上り、さらに約730万人は発症リスクが高いと推計されるという。(HealthDay News 2020年2月7日).https://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/macular-degeneration-news-457/with-macular-degeneration-1-missed-visit-to-eye-doc-can-mean-vision-loss-754616.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
高齢者の失明原因の一つである眼疾患の加齢黄斑変性(AMD)は、自覚症状なく進行するため、定期的に眼科を受診する必要がある。米ペンシルベニア大学眼科教授のBrian VanderBeek氏らが行った研究から、AMD患者は、眼科受診を1回でも逃すと失明リスクが高まる可能性があることが示された。同氏らは「この研究結果から、AMD患者は、必ず定期的に眼科医の診察を受けるべきであることが明らかになった」と述べている。研究結果の詳細は「JAMA Ophthalmology」2月6日オンライン版に掲載された。この研究は、ベバシズマブとラニビズマブと呼ばれる抗VEGF(血管内成長因子)薬の硝子体内注射の有効性を比較検討した2年間のランダム化比較試験のデータを用いたもの。2008年2月~2009年12月に、米国内44カ所の施設から参加した新生血管を伴うAMD患者1,178人(平均年齢79.1歳、女性61.7%)を対象に、定期的な眼科受診の遵守率と視力との関係について調べた。対象患者には4週ごと、計26回、眼科を受診してもらった。ただし、抗VEGF薬の注射は毎回の受診時に必ず行ったわけではない。.研究の結果、スケジュール通りに眼科を受診しなかった患者群では、スケジュール通りに受診した患者群と比べて、視力はより大きく低下していた。定期受診を1回逃すごとに、視力文字スコアは平均で0.7低下したことが分かったという。.また、平均視力は、スケジュール通りに受診した患者群と比べて、受診日の間隔が平均36~60日開いた患者群では6.1文字少なく、60日以上開いた患者群では12.5文字少なかった。.これらの結果を踏まえ、VanderBeek氏は「AMD治療に対する医師の考え方を改める必要がある」と強調。「患者に必要な抗VEGF薬の注射回数を予測することも大事だが、それ以上に、患者に通院を継続してもらうような方策を考えることに労力を費やすべきだ」と述べている。.米疾病対策センター(CDC)によると、AMDは、50歳以上の米国人における失明原因の第一位を占めている。米国のAMD患者数は約180万人に上り、さらに約730万人は発症リスクが高いと推計されるという。(HealthDay News 2020年2月7日).https://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/macular-degeneration-news-457/with-macular-degeneration-1-missed-visit-to-eye-doc-can-mean-vision-loss-754616.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.