コーヒーにはさまざまな健康上のメリットが認められる。しかし、あくまでも楽しむためにコーヒーを飲むべきであり、疾患の予防のために飲むべきではないとする総説が、「The New England Journal of Medicine」7月23日オンライン版に掲載された。筆頭著者であるシンガポール国立大学のRob van Dam氏は、「健康への影響を及ぼす食事性因子の中で、世界でこれほど多くの人がこれほど頻繁に曝露する因子は他にない。コーヒー摂取の影響を知ることは重要である」と述べている。van Dam氏によると、カフェイン入りコーヒーによる疾患リスクの増大は一般的には認められず、さまざまな疾患のリスク低下との関連が見られ、また「適量」のカフェインはほとんどの人にとって安全であるという。ただし、適量を超えて摂取すると、眠れなくなったりイライラしやすくなったりすることがあり、その量には個人差があると述べている。.寝つきが悪くなったり、興奮、不安などの影響が見られたりした場合には、摂取する量や時間帯を調整することを同氏は勧めている。特に妊婦はカフェイン摂取量を1日200mg、12オンス(約350mL)のカップ1杯相当に抑える方が良いという。妊婦以外は、個人差はあるものの1日8オンス(約240mL)のカップで最大5杯までにしておいた方が良いとのことだ。.米ノースフロリダ大学のLauri Wright氏は、「カフェインの功罪については長年、堂々巡りの議論が繰り返されてきた。そのため、もう一度、エビデンスに戻って再検討するのは良いことだ」と述べる。数々の研究から、カフェイン入りコーヒーは高血圧の発症や悪化のリスクを増大させることはなく、心疾患のほか、2型糖尿病、一部のがん、パーキンソン病、肝疾患および胆石などのリスクを低下させる可能性が示されている。ただし、それらの因果関係は不明であり、「疾患の予防目的で飲むべきでない」という結論には、Wright氏も同意している。.van Dam氏によると、フィルターを用いたコーヒー(ドリップコーヒーなど)に比べ、フィルターを用いないコーヒー(エスプレッソ、ボイルドコーヒー、フレンチプレスなど)はコレステロール値を上昇させる可能性があるという。ただし、そのような違いよりもコーヒーに加える砂糖やクリームなどの方が問題であることをWright氏は指摘し、「一部の市販のコーヒー飲料の中には、ミルクセーキに近いようなものもある」と述べている。.なお、コーヒー以外の食べ物や飲み物にも、カフェインを含んでいるものがある。その中で、お茶や炭酸飲料、チョコレートなどのカフェイン含有量は比較的少ない。しかしエナジードリンクは例外で、そのカフェイン量はコーヒー1杯よりも多く、「過剰に摂取すると血圧上昇や動悸の原因となることがあると」同氏は注意を促している。.このほかにもWright氏は、カフェインと薬剤の相互作用について、薬剤師に相談するよう勧めている。(HealthDay News 2020年7月22日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/coffee-good-for-you-or-not-759719.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
コーヒーにはさまざまな健康上のメリットが認められる。しかし、あくまでも楽しむためにコーヒーを飲むべきであり、疾患の予防のために飲むべきではないとする総説が、「The New England Journal of Medicine」7月23日オンライン版に掲載された。筆頭著者であるシンガポール国立大学のRob van Dam氏は、「健康への影響を及ぼす食事性因子の中で、世界でこれほど多くの人がこれほど頻繁に曝露する因子は他にない。コーヒー摂取の影響を知ることは重要である」と述べている。van Dam氏によると、カフェイン入りコーヒーによる疾患リスクの増大は一般的には認められず、さまざまな疾患のリスク低下との関連が見られ、また「適量」のカフェインはほとんどの人にとって安全であるという。ただし、適量を超えて摂取すると、眠れなくなったりイライラしやすくなったりすることがあり、その量には個人差があると述べている。.寝つきが悪くなったり、興奮、不安などの影響が見られたりした場合には、摂取する量や時間帯を調整することを同氏は勧めている。特に妊婦はカフェイン摂取量を1日200mg、12オンス(約350mL)のカップ1杯相当に抑える方が良いという。妊婦以外は、個人差はあるものの1日8オンス(約240mL)のカップで最大5杯までにしておいた方が良いとのことだ。.米ノースフロリダ大学のLauri Wright氏は、「カフェインの功罪については長年、堂々巡りの議論が繰り返されてきた。そのため、もう一度、エビデンスに戻って再検討するのは良いことだ」と述べる。数々の研究から、カフェイン入りコーヒーは高血圧の発症や悪化のリスクを増大させることはなく、心疾患のほか、2型糖尿病、一部のがん、パーキンソン病、肝疾患および胆石などのリスクを低下させる可能性が示されている。ただし、それらの因果関係は不明であり、「疾患の予防目的で飲むべきでない」という結論には、Wright氏も同意している。.van Dam氏によると、フィルターを用いたコーヒー(ドリップコーヒーなど)に比べ、フィルターを用いないコーヒー(エスプレッソ、ボイルドコーヒー、フレンチプレスなど)はコレステロール値を上昇させる可能性があるという。ただし、そのような違いよりもコーヒーに加える砂糖やクリームなどの方が問題であることをWright氏は指摘し、「一部の市販のコーヒー飲料の中には、ミルクセーキに近いようなものもある」と述べている。.なお、コーヒー以外の食べ物や飲み物にも、カフェインを含んでいるものがある。その中で、お茶や炭酸飲料、チョコレートなどのカフェイン含有量は比較的少ない。しかしエナジードリンクは例外で、そのカフェイン量はコーヒー1杯よりも多く、「過剰に摂取すると血圧上昇や動悸の原因となることがあると」同氏は注意を促している。.このほかにもWright氏は、カフェインと薬剤の相互作用について、薬剤師に相談するよう勧めている。(HealthDay News 2020年7月22日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/coffee-good-for-you-or-not-759719.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.