仕事で疲れを感じたときは、ほんのわずかな時間、休憩を取ると良いかもしれない。そのような「マイクロブレイク」と呼ばれる小休止を取ることにより、朝の倦怠感が解消され、終日、より精力的に仕事に取り組める可能性があることを、米ノースカロライナ州立大学心理学部のSophia Cho氏らが報告した。研究の詳細は、「Journal of Applied Psychology」に3月1日掲載された。.マイクロブレイクとは、昼休みなどの予定された休憩とは別に取る短い休憩のこと。おやつを食べたりストレッチをしたりする時間、あるいは同僚と雑談する時間などがこれに当たる。.Cho氏らの研究結果は、米国と韓国のフルタイム労働者を対象に実施された2件の調査結果に基づくもの。1件目の調査では、米国の労働者98人が1日2回(朝と退社前)、10勤務日連続でオンライン調査に回答した。観察日は総計779日であった。その結果、睡眠の質が低いため家で十分に体を休めることができなかった人は、翌朝に倦怠感を感じる傾向があり、仕事中に頻繁にマイクロブレイクを取っていることが明らかになった。しかし、マイクロブレイクを取ることは、エネルギーレベルの維持につながり、それが翻っては仕事のパフォーマンス向上に役立っていた。.2件目の調査では、韓国の労働者222人が1日に3回(朝、昼食後、退社前)、5勤務日にわたり、オンライン調査に回答した。観察日は総計1,024日であった。この調査でも、1件目の調査と同様の結果になることが確認された。すなわち、試験参加者は、低い睡眠の質→朝の倦怠感→マイクロブレイク→仕事に集中→仕事後の疲労、という流れをたどることが確認されたのである。.今回の研究ではこの他に、従業員が、雇用主が自分たちの健康とウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)を気に掛けていると感じている場合には、マイクロブレイクを取る率が高いことも明らかになった。同氏は、「このような雇用主の下では、従業員は、いつどんなマイクロブレイクを取るかについて、自分で自由に決めて良いと感じるものだ。それが最終的には、雇用主と従業員の双方にベネフィットをもたらす」と述べている。.今回の結果を受けてCho氏は、「基本的に、マイクロブレイクは1日を通してエネルギーをどう使うか、その管理に役立つ。とりわけ疲れている日には、マイクロブレイクが有効に働く」と述べている。また同氏は、「マイクロブレイクとは、定義としては短時間の休憩とされるが、最も効果的なのは、適切なタイミングで取る5分間の休憩だ」とノースカロライナ州立大学のニュースリリースの中で述べている。(HealthDay News 2021年3月22日).https://consumer.healthday.com/b-3-19-microbreaks-can-give-your-workday-a-real-boost-2651114781.html.Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.