YouTubeで動画を見ている子どもは、キャンディーや加糖飲料、ファストフード、甘いスナックや塩辛いスナックなどのジャンクフードを宣伝するメッセージを頻繁に目にしていることが、新たな研究で明らかにされた。この研究によると、6~8歳の子どもの75%、3~5歳の子どもの36%が、自分のモバイル端末で自由に選んだYouTubeまたはYouTube Kidsの動画を視聴中にジャンクフードの宣伝にさらされていたという。米コネチカット大学ラッド・センター・フォー・フードポリシー・アンド・ヘルス(以下、ラッド・センター)のJennifer Harris氏らによるこの研究結果は、「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」に6月25日掲載された。 Harris氏は、「こうした宣伝目的の動画に登場する食品ブランドの半数以上は、米国の食品業界が自主規制プログラムである『子ども向け食品・飲料広告イニシアチブ(Children’s Food and Beverage Advertising Initiative)』参加企業のものだ」と指摘。「これらの企業は、子どもに対しては健康的な選択肢のみの宣伝に限定すると誓っているにもかかわらず、子どものインフルエンサーたちが、こうした企業のブランドの商品、例えばキャンディーや加糖飲料、甘いスナックや塩辛いスナックなどを頻繁に宣伝している」と述べている。 Harris氏らは今回の研究で、3〜8歳の子ども101人(3〜5歳53人、6〜8歳48人)が自宅で30分間YouTube動画を視聴する様子を、Zoomを通して観察した。その結果、上述の通り、6~8歳の子どもの75%、3~5歳の子どもの36%が動画の視聴中に食品ブランドの宣伝にさらされていることが判明した。曝露回数は、6〜8歳で平均8.7回、3〜5歳で4.1回であり、YouTubeで7.7回、YouTube Kidsで3.8回であった。 また、子どもの目にふれる食品の74%は、キャンディー、加糖飲料、ファストフード、甘い/塩辛いスナックであった。それらの食品の61%は、プロモーションとエンターテインメントの境目を意図的に曖昧にした形で動画のコンテンツ内に組み込まれており、サムネイルによる露出は23%、広告としての表示は17%にとどまっていたという。 さらに、こうした食品が登場していた動画の77%はライフスタイル系の動画で、71%はインフルエンサーなどの登場人物がその商品を実際に食べる、または食べようとしている様子を見せるものだったという。 連邦取引委員会(FTC)は、企業やインフルエンサーに対し、特に幼い子ども向けの動画でこうした一般的なステルスマーケティング(宣伝の意図を隠した宣伝)の手法をやめるよう呼びかけているとHarris氏らは指摘している。論文の筆頭著者であるラッド・センターのマーケティング・イニシアチブ部門長のFrances Fleming-Milici氏は、「まだとても幼い子どもたちが、YouTubeやYouTube Kidsで不健康な商品の宣伝にさらされている。こうした宣伝の多くはお気に入りの動画の中で小道具やストーリーの一部として組み込まれ、広告であることが分かりにくくなっている」と指摘し、「3歳という幼い子どもが、こうしたプラットフォームで過ごす時間はますます長くなっている。そのような状況を考慮すると、子どもの健康に有害な影響を与える商品のステルスマーケティングから彼らを守るための政策が必要だ」と付け加えている。 さらに、研究グループは、FTCが義務付けているにもかかわらず、食品や飲料のブランドが登場するどの動画においても、企業がそのコンテンツのスポンサーとなっていることが明示されていなかった点も問題点として指摘している。(HealthDay News 2025年6月26日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/online-videos-for-kids-rife-with-junk-food-messaging Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock/Studio Romantic