どこの国の人であれ、「クール(イケてる)」と見なされる人には共通の特徴があるようだ。チリや米国などの国際研究グループによる新たな研究で、クールと思われる人には、6つの重要な特徴が共通していることが示された。アドルフォイ・バニェス大学(チリ)マーケティング分野のTodd Pezzuti氏らによるこの研究結果は、「Journal of Experimental Psychology」に6月30日掲載された。 Pezzuti氏は、「中国、韓国、チリ、米国など国を問わず、人々は限界を押し広げ、変化を起こす人を好ましく感じる。誰かを『クール』と形容するとき、それは『クール』という表面的なラベルの意味を超えた、より根本的な価値を表していると言えるだろう」と述べている。 Pezzuti氏らは、2018年から2022年にかけて、オーストラリア、チリ、中国、ドイツ、インド、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、韓国、スペイン、トルコ、米国からの参加者を含む5,943人を対象に調査を実施した。回答者には、自分の知っている「クールな人」と「かっこ悪い人」、また「善良な人」と「善良でない人」を思い浮かべてもらい、それらの人について、性格と価値観を測定する2つの科学的尺度に基づいて評価してもらった。 その結果、クールと見なされる人は、外向的、快楽主義的、パワフル(力強い)、冒険好き、オープン、自律的の6つの特徴のあることが明らかになった。一方、「善良な人」は、協調的、伝統的、安定志向、温厚、博愛的、誠実、落ち着いている、などの特徴と関連付けられていた。これらの特徴は、年齢、性別、教育歴に関係なく一貫していたことから、「クール」の意味は世界的に共通した価値観や性格特性に基づいて定着していることが示唆された。さらに、有能と見なされる人は、クールな人と善良な人の両方が当てはまる場合が多いことも示された。 Pezzuti氏は、「クールさの特徴はおそらくその人の性格の一部であり、簡単に教えられるものではない。これらの特徴は生得的なものであり、6つの特徴のうちの5つは性格特性だ。性格特性は、比較的安定している傾向がある」と話す。 論文の共著者である米アリゾナ大学マーケティング分野のCaleb Warren氏は、「クールな人はたいていの場合、多少の好感を持たれるが、だからといって必ずしも道徳的に良い人であるとは限らない。クールな人は快楽主義的であったり力を持っていたりなどの、道徳的な意味では必ずしも『良い』とは見なされない特徴も併せ持っていることが多い」と指摘する。 この研究で示された「クール」の特徴に当てはまる実在の人物の例を尋ねられたPezzuti氏は、「私が思い浮かべる人物は、物議を醸す人物ではあるが、イーロン・マスク氏だ」と語った。 本研究結果をレビューした。米コロンビア大学心理学教授のJon Freeman氏は、CNNへの電子メールの中で、「クールさ」には肯定的な意味と否定的な意味の両方がこめられていると語った。同氏は、「現実世界では、クールは肯定的な意味合いを持つことがある一方で、特定の社会的文脈においては否定的な意味合いを持つこともある。好ましいクールさと好ましくないクールさについて検証することは、今後の研究にとって有益な可能性がある。今回の研究のアプローチは、その素晴らしい基礎を提供するものだ」と述べている。 Freeman氏はさらに、「人をクールと形容するのは、複雑な推論を簡潔に表す手段であり、地位、所属、アイデンティティといったシグナルを、瞬時にかつ極めてステレオタイプ化された形で要約する。科学的な観点からは、クールさを研究することは、特にソーシャルメディアやインフルエンサー文化が広まっている現代においては、人が他者の特性を迅速かつ図式的に推論する仕組みが行動や社会のダイナミクスにどのような影響を与えるかを明らかにするため、極めて重要である」と述べている。(HealthDay News 2025年7月7日) https://www.healthday.com/health-news/general-health/six-key-traits-that-make-someone-cool-study-finds Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock