高強度の運動をして脳の活性化を促すことで、子どもの学力テストの点数が上がる可能性のあることが、新たに報告された予備的な研究で示唆された。テストの前にハイニーウォークやジャンピングジャック、ランジ、スクワットといった運動を9分間行った子どもでは、テストの点数が有意に高かったことが示されたという。米ノースカロライナ大学グリーンズボロ校運動学分野のEric Drollette氏らによるこの研究の詳細は、「Psychology of Sport & Exercise」7月号に掲載された。 Drollette氏は、「体育や身体活動は次世代の子どもにとって有益である。メンタルヘルスにも脳の健康にも良く、さらに学力にも良い影響を与える」と言う。同氏は、「学校の教室で、『集中力を取り戻すために休憩を取って体を動かそう』と呼び掛ける教師がいる。それが有効なことは経験的に分かっていたが、科学的に検証されたことはなかった」と述べている。 この研究では、9〜12歳の子ども25人に、高強度の運動を行った後または椅子に座って休憩した後に学力テストを受けてもらった。子どもが行った高強度の運動は学校教室向けに考案されたもので、各種の運動を30秒間行い、その後30秒間休憩する「高強度インターバル運動」として実施された。Drollette氏は、「先行研究ではトレッドミルを使って20分間の運動を行っていたが、通常、トレッドミルは教室にはない。それにもかかわらず、多くの研究はそのやり方を踏襲していた。今回の研究では、実際に教室で実施できる方法を再現したかった」と話している。 その結果、休憩した後よりも高強度インターバル運動を行った後の方が、子どもの言語理解力を測定する標準化テストの得点が有意に高いことが示された。また、脳波の測定から、高強度インターバル運動を行った子どもでは、人が失敗したときに生じる脳活動の一種である「エラー関連陰性電位(ERN)」のレベルが低下していることも明らかになった。Drollette氏らによると、ERNのレベルが高いことは注意散漫に関連している。ERNのレベルが高いのはミスに固執していることのあらわれであり、そのせいで集中力やパフォーマンスは低下した状態になるという。 Drollette氏は、「高強度インターバル運動によって、実際にこのエラー関連反応が低下することが確認できた。これは有益と考えられる。なぜなら、たとえミスを犯しても、そのミス自体の重要性が低くなり、結果として、それに対して効果的かつ健全な精神状態で対応できるからだ」と述べている。 Drollette氏らは、今回の研究の結果を足がかりに、今後はこのエラー関連反応が子どもの全般的なメンタルヘルスにどのように関連しているのかを調べる予定である。論文の上席著者であるノースカロライナ大学グリーンズボロ校運動学教授のJennifer Etnier氏は、「今回の研究から、短時間の運動が子どもの認知機能に有益な影響をもたらす可能性について、貴重な知見が得られた。この結果は、授業に身体を動かす休憩時間を取り入れている教師にとって重要な意味を持つ可能性がある。こうした教師は、身体活動が生徒の学業成績の向上に有益であることを実感することになるかもしれない」と話している。(HealthDay News 2025年8月14日) https://www.healthday.com/health-news/child-health/want-better-test-scores-try-jumping-jacks-beforehand-study-says Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Seventyfour/Adobe Stock