米国では高齢化が急速に進んでいる。米国国勢調査局によれば、65歳以上の成人が人口に占める割合は、2004年の12.4%から2024年には18%に急増した。こうした中、米ピュー研究所の研究者らが11月6日に発表した報告書によると、米国の65歳の高齢者は比較的前向きに年を重ねていると感じている一方、65歳未満の人では将来に不安を感じている人の方が多いことが明らかになった。 この調査は、2025年9月2日から8日にかけて米国の成人8,750人を対象に実施された。調査内容は、加齢に対する意識や65歳以上の成人の状況(健康、経済的状況、生活の質〔QOL〕など)についてであった。 その結果、65歳以上の成人では、ほぼ半数(49%)が、「非常にうまく年を重ねている」と回答したのに対し、65歳未満で「うまく年を重ねていけるだろう」と考えているのはわずか30%であることが明らかになった。 65歳未満の成人で、70代以降の生活について「時々でも考えることがある」と回答した人の中では、老後の生活が「楽しみだ」と答えた人より(51%)、「不安を感じている」と答えた人(67%)の方が多かった。不安の種として最も多かったのは「健康問題」で、次いで、「貯蓄が不十分なこと」「家族の負担になること」などであった。実際に、65歳未満の成人の45%が「退職後の生活に必要な収入・資産が足りるか不安」「退職できない可能性がある」と回答していた。 また、加齢に対する意識には所得が大きな影響を与えていることも示された。例えば、「非常にうまく年を重ねている」と回答した高齢者の割合は、高所得層では61%であったが、中所得層では51%、低所得層では39%であった。さらに、高所得層の高齢者は、身体的健康と精神的健康の自己評価が高く、趣味や友人との交流に多くの時間を費やし、地域団体の活動やクラブ活動に積極的に参加している傾向が認められた。 加齢に対するコントロール感に関しては、67%が身体の健康を、60%が移動能力を「大いに/それなりにコントロールできる」と回答した。しかし、認知能力や外見的な若々しさに対するコントロール感は、それぞれ47%、38%と低めだった。若く見せるために何か行った/検討すると答えた成人は半分以下であり、具体的な対策としては、「アンチエイジングに役立つサプリメントの摂取」(56%、実行済み21%、検討予定35%)、「白髪染め」(52%、実行済み27%、検討予定25%)が多かった。ボトックスや整形手術などの美容整形手術を行った/検討すると答える傾向は、男性よりも女性の方がはるかに高かった(ボトックス:33%対13%、美容整形:26%対10%)。 寿命に関する質問に対しては、76%が「少なくとも80歳まで」、29%は「100歳まで」生きたいと答えた。成人が希望する寿命の平均は91歳だった。(HealthDay News 2025年11月7日) https://www.healthday.com/health-news/public-health/new-survey-shows-what-people-fear-most-about-aging Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock